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第四十九回 トイレ砂選びは重要です

 ねこを飼うことが初めてのぼくにとって、トイレ砂選びは重要度の高い問題となった。


 実は、ねこさんが病気でほとんど動かなかったころは、トイレはなんの問題もなかった。というより、小さかったのと、病気で飲食量が圧倒的に少なかったため、排泄量もものすごく少なかったからだ。一週間、取り換え不要とされる猫用トイレシーツを交換するときも、あまり汚れていなかった。けれど、元気になったねこさんでは、そういうわけにはいかない。一週間後に開けてみれば、ずっしり重いシーツがそこにはある。当然、こういう状態だ。少なからず臭ってもくる。部屋中というわけではないにしても、トイレに近づけば、ねこの尿、独特の臭いがする。


 うんちに関しても、スターターセットで排泄していたとき、どこをどう読み間違えたか、ぼくはそれをトイレに流していた。取り替えるためのストックを購入しにホームセンターへ行ったときに、初めて流してはいけないことに気付いたくらいだ。シリカゲルで作られたトイレ砂は、水に溶けないので流さないでくださいの注意書きに、嫌な思い出がよみがえる。実は一度、トイレをオーバーフローさせた経験がある。トイレも長く使っていると、配管部入口に尿石がこびりつき、溜まってしまい、狭くなってしまうというのだ。一気に大量にトイレットペーパーなどを流すとつまりの原因になり、悲劇を呼ぶ。流せると思って、水を流すと、みるみる水かさが増し、浮遊物の混じった茶色に濁った液体が溢れてしまうので、つまって濁った水が便器を満たし始めてしまった場合は、すみやかにプロにお任せすることをお勧めする。


 さて、トイレにうんちを流せないことを知ってしまった以上、そこからは処理の仕方を考え直さなければならない。そこで、小さなビニール袋を購入し、するたびに袋に入れて、ごみ箱(燃えるごみ)として捨てる。一枚だけでは心許ないので、二枚でしっかり口を結ぶ。がしかし、これ、発酵するうんちの臭いを遮断することはできないのである。さらに毎日排泄すれば、いくら定期的にゴミを出していても、溜めている間にしっかり発酵して臭いを放つ。台所の生ごみよりも圧倒的にうんちの臭いに汚染される。ゴミ箱の蓋をしていても、開ければ臭いは漂うのだ。


 これはまずい……


「だからさぁ、最初に言ったじゃん? おしっこしたのもわかる色の変わる固まる砂の方がいいってさ。それにさ、砂が大きくて重すぎるってのも言ったじゃん」


 スピリチュアルハットリ氏が、ぼくのうんち処理姿を見ながら言った。


「うーん、トイレに捨てられるのが一番なんだよな。衛生的にも、臭い問題的にも」


 そんなわけで、今までとは違うトイレ砂を購入する。紙砂である。再生紙を利用しているので、地球にも優しい。おしっこをすれば固まるし、濃い青色になってお知らせしてくれる。これならトイレに捨てられるし、臭いにも悩みそうにない。そして軽いから、買いに行くのも楽々である。


 早速、今までの物から紙砂に変更。思っていたよりも、かなり軽い。ふわっふわである。


「ほれ、トイレの砂、替えてやったぞ」


 きれいになったトイレにねこさんを入れる。しかし、ねこさんは気に入らないのか、すぐに飛び出してしまった。何度もトライしたが、気に入らないらしい。それでも、いつかは気に入ってくれるだろうと辛抱強く様子を見る。


 確かに、ねこさんは使ってくれた。だが、問題が続出する。固まるので、砂を掘って隠す。隠されるので始末をするときに上手くいかないと、ぼろぼろほどけて、全部を取りきれない状態になる。紙なので、壊れやすく、粉状になりやすい。うんちやおしっこをトイレに持っていくと、砂が膨張するとともに、たくさん入れると流しにくくなる。いや、そこまでたくさん入れたわけではないが、それでも固まるので、流れにくくなるのだ。さらに、この砂でねこさんが遊ぶ。軽いから、ほいほいトイレの外に砂が飛び散り、飛び散ったものを咥える。下手すると食べる。ちなみに、ひなさんまで食べる。


 あかんやん! 絶対にあかんやん!


 固まる砂だったので、砂の下に敷いたトイレシーツにはほとんど尿は流れず、代わりに紙の粉塵が受け皿に溜まっていた。掃除するときにも、この粉塵が邪魔くさい。舞うからだ。トイレシーツだけスッと取り出して、そのままゴミ箱ぽーいっとやっていた頃とは違い、袋を近くに持ってこなければならない。面倒くさいことが大嫌いなぼくには苦行となる。


「砂、戻すわ」

「それがよさそうだな」


 あれだけ固まる砂をプッシュしたハットリくんも、すんなり受け入れたくらいには、紙砂は使いにくかった。これがいいと好きな人も、もちろんいるだろうから、あくまで、うちのねこさんでは……なのだけれど。


 結果、元の砂に戻したことで、ねこさんのご機嫌も直り、砂を食べる危険も回避されることになった。


 今後の臭いについては、人間の赤ちゃん用のゴミ箱を使ってみたらというSNSのフォロワーさんのアドバイスや、人間の介護用の臭わないポリ袋等を検討して、改善していこうと思っている。


 しかしながら、猫砂選びは量が多くて安いから……だけでは選べない、初心者には試行錯誤が必要な由々しき問題であることは確かだなと実感したのであった。


挿絵(By みてみん)



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