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継承

将棋の古い棋譜を並べてみると、現在との差異に驚かされる。


タイトル戦なのにやたらと進行が遅く感じる。昭和の頃は今ほどスピード感が重視されていなかったらしい。


かといって学べることが皆無かと言えばそうではなく、好手もあるにはある。


そのまま真似しようとしたらさすがに上手くいかないのだが、過去と現在が断絶しているわけではないとは思う。地層のようなものだろうか。


小説も似たような所があって、人間においても変わらない部分はやはり変わらない。そのため、古典から学べることは多いと感じる。


ただ、日本のクラシックといえば、夏目漱石だけというのは悲しすぎる。漱石においても、外国の小説が下敷きなっていただろうし、当時は大衆小説扱いだったというのも有名な話だ。


今の私の中で、漱石はスタンダードではない。誠に勝手ながら絶縁してしまおう(嘘、やっぱ好き)


日本の小説とは何なのだろう。かくあるべき形というのは示されるのか。それも至上の小説というパッケージングに終わるのか。これからどうなるのか知りたい。


小説は生物なので解はなしというのが妥当か。甲斐なしともつながり、小説書きの辞世の句に相応しいとも言える。


将棋に話を戻すが、最近のプロの対局ではこれまでの常識を覆すような手がよく出る。コンピュータソフトの影響によるものだが、変わらない部分も確かに残されている。


藤井六段の快進撃は、先人からのバトンを受け取り、それを継承したということも大きいと思う。本人の才覚だけではなく、人から人への技術や想いの継承というのは重要なのではないだろうか。



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