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Sな王子様とM?な迷い子  作者: 雲猫’
婚約者編
13/19

番外編~傍迷惑なバレンタイン~


 今日はバレンタインデー…。

ナナさんは前の日からとある準備を始めた…。


 この世界の一年は同じです。


グタグタですが見てくれると嬉しいです。

《島国ヘイムダール、そこは大陸の人々から隠しているため存在しないと思われている国。その歴史は常に同じ島国、唯一の隣国ウートガルドと共にあり世界のどの国よりも古い歴史を持つ。とても豊かで、建国以来大きな争いもない。その反面凶暴な魔物が多く生息する国、》


《…この話は、そんな平和な国に起きた小さな、とても小さな事件。》


《事件の内容が知りたい?》


《もちろん教えるつもりだよ♪その為に僕たちはここに集まったんだからね♪》


《先に忠告しておくが、笑い話と受け取ってもいい。だか、この番外編はifの話ではなく本編で実際にあった事だ。ネタバレも少し含まれる。》


《笑えるかは保証出来ないけどね。まぁ嫌なら戻った方が賢明だよ。》


《…なお、本編の少し未来の話になる上に、主人公のニーアは終盤にしか出てこないので悪しからず。》


《新キャラが出るけど名前は本編で出るからお預け♪》


《さあ、そろそろ話を始めましょう…》



――――――――――――――――――――




 明日はバレンタインデー…、立場的にニーアさんにチョコを渡した方がいいのだけどね。正直、本命も本命、大本命だけどさ。それに日頃お世話になっているし…今私が衣食住の心配もしなくてもいいのはニーアさんや王妃様達のおかげだから感謝の印にチョコを配るのもいいかも。


 だがしかし、この国、ヘイムダールにチョコは、カカオは有るのか?(;・ω・)

……無い気がする…。



「こうなったらマーサさんにそれとなく聞いてみるしか無いか…。」


 バレンタインという行事も無いかも知れないが、ここは人生初の本命がいるバレンタイン。ニーアさんに本命チョコを渡したい!!

 初恋は叶わないなんてジンクスは潰してみせる!……まずはマーサさんの所に行こう。ホントはニーアさんに聞くのが早いけど、ニーアさんにあげたいのに本人に聞くのは気が引けるし、ローア殿下は顔を会わせたくないし…。



 そんなワケでマーサさんにチョコが存在するか聞きに行った。

 今思えば、知識の本で調べてみれば まさかあんな事にはならなかったと少し後悔している…。



《自分でフラグを立てているのに気づいてないよねあれって。》


《彼女の性格からしてどこか抜けていますから…。》


《(ただの間抜けだろ。)》




 そして、マーサさんを捕まえる事には成功した。ニーアさんには気づかれていない様で一安心です。ニーアさんにバレても別にいいのだけど、何となく秘密にしたい。


 でもきっと、何だかんだで気づかれているかも知れない。なんたってニーアさんは勘が良いから…。


《彼の場合は勘では無いのですが…。今説明してはネタバレになりますしお預けです。》


 おっと!話が逸れすぎた。マーサさんに聞かなくては!


「好きな異性に贈り物をする事はありますけど…特別この日にってのはありませんねぇ。それも異世界の習慣なんですか?」


 やっぱりなかったバレンタインデー。

そうだよね、そもそもバレンタインデーって、バレンタインという神父様が結婚を許されなかったカップルを内緒で結婚の許可した人の命日だもんね。大体合ってると思うけどこの話。間違ってるかも……。今はこの話はいいや。


 でもバレンタインが異世界にまであったら逆にビックリしてたよきっと。


 その後マーサさんにチョコの話をすると興味深い話を聞いた。


 何でも、とある農園には黒い板状の甘い果実が生る木々が生えているとか。

それってまさにチョコレートなんじゃないの?カカオ通り越してチョコレートが木に生ってるとかさすが異世界。私の常識の上を行くのか…。


 でもコレでチョコの存在は希望が持てたよ。コレでチョコを確保出来たら…。



《それとなく聞いてみるんじゃなかったの?》


《頭から抜けたんだろ。》




―――――――――――――――――――――


〈マーサside〉


 ニーア様に婚約者が出来てからかなり日数が経ちました。それなのにお二人の仲はご友人程度。コレではいつまで経っても進展しませんよ。私としては、お二人の仲は恋人になってもらいたいのですがね。


 まぁ、だからと言って無理にくっ付けよう等は端からありませんよ。

けれど、あの女性に近付かなかったニーア様が普通に接しているのが嬉しいのです。漸くニーア様のお心の氷を溶かして下さる女性が現れたのです。コレは好機でなくて何と言いますか。


 それに、あの王妃様の進言でのご婚約。

人をみる目に関してもあのお方は信頼できます。そんな王妃のお墨付き 、是非ともそのままご結婚なされば……。

 いえ、一介の乳母がこんなですにた事を考えるなんて駄目ですね…。


 ですがね。ナナさんの後押しくらいは多目に見て下さいませニーア様。ナナさんのお気持ちに気がつかれない貴方が鈍いのですよ♪いい機会ですからナナさんのお気持ちの気づかれては如何いかがですか?


 それにしても、気になる異性に贈り物をして気持ちを伝える日とは、しかもナナさんのお国では女性から男性に甘いお菓子をそれもあのチョコを贈る行事が有るなんて♪コレは王妃に報告ですね…。あの方もニーア様達の仲にはヤキモキしていらっしゃったからいい作戦を考えて……………



《こうして、王妃達のニーアとナナの為のはた迷惑なバレンタインが計画された。》


《娯楽があまり無い王宮ではどんなモノでも楽しむ事にしていたみたいだよ王妃様。》


――――――――――――――――――――



 確かにチョコが欲しいとは言ったよ。けどさ…


「ご注文の品はこちらでよろしいですか?」


「注文なんてしてませんが…なんかの間違えてなんじゃ…」


「いえ、こちらで合ってるとハズですよ。ほら、こちらが注文書の控えです。」


 どうして今、この状態に陥っているかと言うと、ちょっと大きめの木箱が届いたからで……誰もそんなもの頼んでない。ニーアさんなら何か届く時ちゃんと荷物が届くと言ってくるから。


 マーサさんの線も無いな。彼女は自宅が在るからそっちに届けてもらうハズだし。


 なら、一体誰が頼んだの?


《誰の差し金か解る気がする…》


《てか、配達業者が普通に居るのか…》



「すいません、送り主と宛先は誰ですか?」


「送り主は王妃様です。宛名はナナさんとなっております。」


 何してるの?王妃様!?Σ(゜Д゜)

てか、何で宅配で来たの、ちょっと大きめの木箱だから運ぶのに苦労するからか?


《あ~、やっぱりね》


《だとしたら中身は………アレだな。》



「すいません、受け取り確認の為のサインをお願いします。」


「……はい。ゴクロウサマデス…」


 マジでか!何を送ってきたのかな?

でも宅配がこの国にも存在するのか…異世界人が広めたのかな?


 それにしても、この箱開けても大丈夫かな?開けたらドカン!!なんて無いよね…


「…女は度胸だ!!」


 突撃~!……うん…アレだね、さっきマーサさんにチョコの話を聞いたからだねコレは。マーサさん王妃様にチクったみたいだ。何で解ったかって?だってさ……


「大きめの木箱にミッチリ板チョコが詰まっているからね。」


 チョコの話はマーサさんにしかしてないし。他に考えられない。財力的にも性格的にも。王妃様しか考えられない。


「コレはチョコでお菓子を作ってニーアさんに渡せと、次いでに王妃様にも献上するパターンか…」


 きっと大体合ってると思うよ。


《あの王妃様ならあり得ますね。》


《そして、ニーアの反応を楽しみにしてるよな…。》




 よく見たら私宛の手紙が挟まっていた。よくチョコが溶けないな~。今外はかなり寒いけど、この離宮いえの中はかなり暖かいのに…。

 後で知った事だけど、この木箱には品質保存の魔法がかかっていたとか。


 手紙はやっぱり王妃様からで曰く、ニーアさんにチョコを作って渡すのに協力してくれるらしい。報酬は残ったお菓子を献上する事。何だか予想がそのまま当たってしまったよ。絶大楽しんでるよ王妃様。


 何だかんだでありがたいので、貰った大量の板チョコでお菓子を作ろうと思う。けど、その前に知識の本でこの世界のチョコがどんな物なのか調べる事にした。成分が違ってたり、薬品だったり、ニーアさんや王妃様の口に入る物なので徹底的に調べないと。まぁ、王妃達が送って来たのなら害は無いと思うけど一応。

……最初から知識の本で調べらば良かったんじゃ無いのか、今更気がついた。



 で、調べたんだけど…。やっぱりチョコはお菓子として認知されてなかったよ。薬品扱い。しかも、疲れた時や滋養強壮………うん。つまりね、チョコを異性に渡すって事は…その………・・夜の方のお誘いととられる……のだよ、うん。


 いやね、他にも解ったことがあるよ。例えば、この国にしかないとか、呼び方も同じチョコだとか、木に生るのは三種類でホワイトチョコ、ミルクチョコ、ビターチョコがあるとか。今回贈られて来たのはビターの方。確かに甘さの調節をしやすいからいいのだけどね。あちらと大差ないみたい。


「箱いっぱい有るって事は当分チョコづくしになるねコレは。」


 調べた情報を参考にすると、同じ国出身のバレンタインを知っているニーアさんだけにあげよう。その他のお菓子は全部王妃様に献上してしまおう。ということに決めた。勿論、1/3は残しておくよ。









 で、一通りお菓子を作ってみたけれど……。


「張り切りすぎて…作りすぎた……」


 まぁね、作り過ぎても王妃様に献上するからいいのだけどさ。肝心のニーアさんに渡すのはどれにしようかまだ決めて無い。

 果たしてニーアさんならどれが食べたいだろうか。


少しほろ苦いブラウニー?


それとも、サクサクから入りチョコクッキー?


ふわふわのチョコシフォンケーキ?


何となく作ってみたチョコパウンドケーキは少し重めだから除外。


それとも、少し大人めのブランデー入り生チョコ?いやいや、未成年だからコレは王妃様のにしよう。


小さなトリュフチョコも作ってみた。なかなか大変で苦労したけど、なかなかいい出来なのでこれにしようかな…。


勿論、ブランデー抜きの生チョコも作ったよ。けど、コレはマーサさん含め皆で食べようと思ってとっておこう。



 さぁ、ニーアさんに渡すお菓子が決まったからさっそくラッピングしようかな~♪



《凄い量だね。こうして山盛りのスイーツを見ると圧巻だよね♪》


《(圧巻と言うより胸焼けを起こすの間違いだろ…)》


《ウキウキしながら作って増したし、張り切っていたら際限無く作ってしまったのでしょう。1つ欲しいくらいですね。》







 アレからニーアさんに教えて貰った伝言用魔法紙ボイス・メールで王妃様直属の騎士さん達に王妃様に献上するお菓子を運んで貰い、キッチンにこもった甘過ぎる臭いを窓を全開にしてだす。


 コレで何とかバレンタインデーに間に合う♪





 しかし、バレンタイン当日。





「ニーアさん。何故なにゆえラッピングされたカラフルな包みを抱えているのでしょ?」


「こっちが聞きたい。王宮の方の仕事部屋ここに来たら机の上に山積みになってた…。何の嫌がらせだコレは。」


 ニーアさん。それはきっと心の籠ったチョコですよ。貴方かなりモテるのですからもう少し自覚してくださいよ。


 周りの侍女ひとに聞いてみた。

何でも「ミーア様が片想いに悩む年若い侍女にチョコを渡して想いを告げる事を提案なさった」とか。ミーア様とはあの召喚された勇者の片割れの少女の事。


 今更だけど、ミーアと、ニーアさんの名前が似てる事に気がついた。かなりどうでもいい。


 で、それに便乗して流行に敏感な貴族のご令嬢達が、ニーアさん他、人気のある殿方達にチョコを送りつけているらしい。


 傍迷惑なあげ方しないでビシッと本人に渡しなよ直接さ。てか、無理か。

くら貴族のご令嬢でもそんな頻繁に殿下方に会える訳無いか。



《実は、王妃様に献上したお菓子をみたミーアが、バレンタインを思い出したのがそもそもの始まりだったりする。》


《間接的に原因を作ってしまったなんてね。》


《これじゃチョコ渡せないんじゃない?》







 あのあと、事態の収集に時間を費やし何とか沈静化した。かなりお疲れの殿下方に出世頭の若い騎士たち…。お疲れ様です。


 嘗めてましたよ、ニーアさんの人気ぶりに。貰った数も圧巻の一位でした。


 ニーアさんファン曰く「自分達を避けている所が可愛い。」「氷の様な眼差しがステキ」「ストイックな所がいい」「あの細腕で荒くれ者の兵士達を投げ飛ばす所がいい」等々。解りますその気持ち。


 でも、私は冷たい目線は嫌だなぁ。


 今みたいなのは………ρ(・・、)




――――――――――――――――――――――


〈ニーアside〉


「で?何か言い訳は?」


「ありません…ρ(・・、)」


 こうやって落ち込んだヤツを責めるのは気が引けるが、どうもあの騒動はナナが一枚噛んでるらしい。

 一番の原因は王妃かあさんと召喚勇者の片割れのようだ。何でも、チョコ菓子をナナから貰ってお茶請けに片割れに出したんだとか、それでバレンタインにチョコを贈ってみては?思い付いたらしい。元は、片想い中の侍女のためにと思っての事だろうが、もう少し周りに配慮して欲しかった。令嬢達が、ここまで食い付くとは思ってなかったのだろうが…。


 ナナはそに巻き込まれた様なもんだろ。

もうこれくらいで良いだろ。充分反省してるだろうさ。


「何でああなったのか大体解った。それで、何でチョコ菓子を大量に王妃かあさんに渡したんだ?それと、あんな大量のチョコどうしたんだよ。」


「……ニーアさんにチョコを渡そうと思って…。まさかこんなに大事になるとは思わなくて…ごめんなさい。」


……ナナに聞いてみると、どうも大事にしたのは王妃かあさんと片割れの他にマーサもいるようだ…。お節介の血が騒いだのか…。


「聞けば聞くほどお前のせいじゃないのが解った。だか、お前は一応俺の婚約者だ。お前のやることは周りに影響を与える事もある。その事をこれからは自覚して欲しい。」


「はい。」


「で?」


「……はい?」


「俺のチョコは?」


「…欲しいんですか?あんなに貰ったのに…。」


「あぁ、あの山積みのラッピングな。アレなら中身の確認をしてから兵士達にやった。」


 令嬢達には悪いが、顔も解らない送り主の寄越した食べ物は食べたくない。いくら王になる積もりがなくても俺を快く思わないヤツもいるだろうしな。なおのこと食べたくない。


「……えっと、…どうぞお納め下さい。」


「何で年貢みたいな扱いなんだよ

……………ありがとな。」


 何でこれだけで赤くなってんだよ…。

俺まで恥ずかしいだろ…。まったく…。







《まぁこんなところかな。さして進展しない二人だったわけ。》


《うーん、でも脈がない訳じゃないみたいだよね♪》


《あのあとは、傍迷惑なバレンタインとして王室ならびに貴族達の記憶に残ったらしい。あの甘過ぎるチョコの匂いが…》


《大変だったよ。しばらく匂いが取れなかったんだってさ~》


《でもね、あの片想いの侍女さんだけどね、何と両想いたったんだよ。》


《しかも、その1年後に寿退社した。》


《主人公達は進展しないのにね~♪》


《一応、めでたし……で良いのか?》


《良いんじゃない》


《じゃあコレでおわりだね♪》


《(今回何も喋ってない)》


《それではここまで読んでくださいありがとうございます。》


《これからもよろしくお願いします…》


《じゃあね♪》







新キャラ影薄すぎ…。


どうも、ここまで読んでくださりありがとうございます。


実はもう1つの小説もバレンタイン企画を考えたいたのですが…無理かも…それか短くなるかも。


それらの小説も読んでくれるととても嬉しいです。

誤字・脱字等あるかもしれまさんが、勘弁してください。


何せ、一時間ちょいで書いたので…可笑しいところもあるかと思います。


感想などくれると嬉しいです。


ではコレでさよならm(__)m

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