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1話「テレビゴリラ怪人」

「・・・・・・・・」


俺は今、秘密結社エヌ様の支配したビルにいる。

ビルと言っても三階建てだ。

あちぃから窓際に座ってる。

あ、自己紹介を忘れていたな。

俺の名前はテレビゴリラだ。

改造人間ではない。

付喪神のブラウン管テレビをエヌ様の部下、猫又博士がゴリラのイメージで具現化された怪人である。

安心しろ。

人間は使っていないから。

で、今俺は何をしているかと言うと・・・・

自分の部屋にいる。

怪人なら潜伏して町の破壊をしろだぁ?

バスジャックだ?

銀行強盗しろ?

ヒーローと闘えだぁ?

ふざけんな!!!!!!

・・・・・・・・・

ちがうんだ!

やりたくない訳じゃない!


「テレビくん。お待たせ。買ってきたよ?」


俺の同僚のレイゾウコが帰ってきた。

歩く冷蔵庫じゃないのか?

違うんだよ!

冷蔵庫の付喪神を象と組み合わせたんだよ。

名前が紛らわしい。

まあ、猫又博士は江戸時代生まれの親父ギャグ好きだからな。

大きさは中型冷蔵庫サイズ。


「おお、ありがと。でもその呼び名。止めてくんねえ?」

「え?だって君の名前テレビゴリラでしょ?なら訳すとテレビかゴリラになるよね?さすがに付喪神

がメインだしそうなると君の呼び名は・・・・・」

「わかったわかったって。ゾウコはうるせえな。」

「五月蠅いって何よ!私は一生懸命・・・・・」


ゾウコはこう見えても女の子だ。

正しくは女の子だと思っている付喪神だ。

付喪神は性別は無い。

生まれた時、自分が勝手に決めるんだ。

アイツは昔、長く自分を使ってくれた奥様がお気に入りだからそれを模写しているようだ。

ん?

俺か?

俺はプロレスが大好きなオッサンたちや子どもに囲まれたのが・・・・・・

ゴホン!

俺の話はいい!

で、このままだとゾウコの話は長くなるんだろうな。


「ゾウコ!お前の買ってきたアイス溶けちまうだろ!」

「ああ、ごめんなさい。話に夢中になってしまって。でも安心して!私冷蔵庫だから!ほら!」


二本足で立つ象の胸にあるメイン冷蔵庫からアイスを取り出す。

まあ。冷たいんだが。

彼女の行進でコーンアイスの蓋が取れていた。


「あ、あらごめんなさい!私大人しく歩けなかったみたいで。」

「良いよ。買ってきてもらって文句は言わねえ。」

「・・・・・優しいのねティービーくん。」

「俺は外国の方か?」

「ふふふ。ツッコミが早いわね。」

「ふん!」


俺達はアイスを食べ始める。

まあ俺、家電がメインなんで食べなくても生きていくことはできるが・・・・

もう一つの魂ゴリラがほしがってな。


「でもエヌ様、どこ行っているんですか?」


アイスを食べてる象はシュールだが。

彼女が話しかけてきた。


「ん?ああ、警察署。」

「警察署!?エヌ様、何か悪いことを!?あわわわわわ!」


慌てるゾウコ。

俺は彼女を宥めながら話しかけた。


「違うって。協力だ。付喪神と話せるからさ。何だっけ?サイコなんとかエイジと言う奴みたいに事故の映像を繊細に見ることが出来るという体で付喪神と話して情報を伝えているみたい。」

「ああ、平成ぐらいの付喪神だったら話せますからね。エヌ様。」

「んでよー。俺は威圧感あるからお留守番ってわけ。つまらん。」


で話を最初に戻すと警察と俺達は敵対関係になるはずだった。

町を破壊して毎週毎週違う怪人が出てきて幹部が圧倒的な力で戦う。

巨大化やロボット戦など期待していたんだが。

この県が悪い!

都会じゃないこの県が!

何にもなくて平和すぎんだよ!

俺らは都会に住んでいたのだがエヌ様の配属場所が決まってついていくことになった。

都会にいたときはエヌ様は破壊行為や傷害事件が好きではなく付喪神イコールおばけだからと道行く人を脅かしていたのだが。

そのせいか犯罪としてとらえてもらえていなくてこんな関係さ。


「ゴリラさーん!さようなら!」

「おう!気を付けて帰れよ。」

「また学校来てね!」

「行けたら行く。」

「「「待ってるよ!」」」


学校帰りの小学生に窓際から手を振る。


「あらー?大人気ね。」

「ふん!」


夕方、ここらへんで居眠り運転が小学生の列に突っ込んできたんよ。

そん時に俺が車を止めて助けちまったんだ。

そのせいでこんなんだ。

まさに友達扱い。

助けるつもりなかったんだけどな。

頭ん中に正義のヒーローを応援していた子どもたちの映像が浮かんでさ。

そんとき体が動いていた。


「今日は行かなかったの?学校へ?」

「・・・・・・ふん!俺が予定を立てて学校へ行くと彼らがご飯と依頼金を用意すんだよ。」

「給食好きじゃないの。あなたのネックは依頼金ね。」

「・・・・・ああ、金なんていいのにな。」


そう、暇だからやってるだけなのにな。

するとゾウコは手を叩き笑顔でこっちを見る。

何かひらめいたようだ。


「なら夕方、親御さんの代わりに旗ぶりでもすれば?」

「旗振り?俺が旗振りだぁ?」


ゾウコにすごむ俺。

旗振りって先生や親御さんがやってるやつだよな?


「良い提案じゃねえか!安全も守れるし!今から学校へ行ってくる!じゃあな!」


俺は食べていたアイスを片付けて学校へ向かった。

暇は嫌いだ!

俺は楽しいのが好きだ!

ワクワクしながら向かうのであった!



「ホント、私たちがこの県を支配しなければいけないって知ってるのかしら?エヌ様も上層部を信頼させて油断をさせる作戦かしら?まあ、まだ五人だけしかいない怪人なわけだし。」


走ってるティービーくんを見送るゾウコ。


「猫又博士にはいっぱい頑張ってもらわないと。・・・・・まあ侵略はのんびり行きましょう。でもする気あるのかしら?」


ゾウコはそう言って畳に寝転ぶのであった。

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