臨時休業15〜君たちもう付き合っちゃえよ〜
元の姿に変身してはしゃぐリリア様を宥めつつ、打ち合わせをするために、ミモザの家にやって来た。
「うーわ」
ドアを開けたミモザは明らかに嫌そうな表情を浮かべている。
それもそのはず。なぜなら、同じ顔をした『リリア』が二人もいるのだから。
「おっひさしぶりですわ、ミモザさん」
説明をする前に、リリア様は悪役令嬢全開の高らかな笑い声で周囲を圧倒した。
ミモザの眉間の皺がみるみる深くなっていく。
一悶着起きる前に、なんとかしないと。私は慌てて、間に入った。
「ちょ、ちょっと待ってくださいミモザさん、今から説明を……」
「あーこのうざったい感じ、思い出すわ。待って。今、全部察した。アンタ別人だったのね」
誰かさんよりも察しが良くて助かる。
しかし、和やかな雰囲気とは程遠く、ミモザは本物のリリア様を鋭く睨みつけている。その理由は明白だった。
「私、絶対に謝らないから」
「謝る?何を?」
「……ランドロフ様と結婚したこと。大体、私が略奪したんじゃなくて、向こうが声をかけてきただけだし?」
ふん、とミモザは開き直った。このままだと、女同士のドロドロキャットファイトが始まってしまう。
「あー、そんなことですか。まぁ推しを取られたのはちょっとイラッときましたが、今となっては些細なこと。なーんにも気にしてません」
リリア様はあっけらかんとそう言い放った。
リリア様はノンデリだけど、妙にサバサバしているところがある。だから、強がりというよりは本心のように見えた。
「え?マジ?」
「えぇ。むしろもっと楽しいことを見つけてしまったので、お二人のように恋愛にかまけている余裕がありませんの」
遠回しに恋愛脳だと言われているようで引っかかる。そもそも、私はクロウリーを助けたいだけだ。ミモザと一緒にしないでほしい。
「いや、私はクロウリーを社員として助けたくて……」
「はぁ?まさか自覚ないわけ?」
「自覚?」
「何寝ぼけたこと言ってんの。アンタ、どう見てもクロウリーのこと好きでしょ。てか、付き合ってなかったの?」
「付き合ってないです、けど」
「ふーん。ちょっとリリア様、耳貸して」
こそこそ、とミモザはリリア様に耳打ちすると、リリア様はにんまりと笑った。
ヤバイ女が二人で何を企んでいるんだろう。怖すぎる。
面白いと思ったら評価・ブックマークして頂けると嬉しいです!
厳しい意見も受け止めて改善していきたいので、どしどし評価ください!
皆さんのリアクションが生きる糧になってます!
気合いを入れて続編を書きたいので、よろしくお願いします!




