第二十六話 トイレで話し合い
ユユの視点、
「何を言っているんでしょう、ユユさん」
苦笑しながら美波は答える、しかしユユは納得しない。
「わかってないと思ったか? お主は何者だと聞いているのだ」
「ユユさん、いきなり何を言っているんですか? とりあえずトイレを済ませましょうよ」
美波が、そう言ってトイレに入ってドアを閉めようと駆け込もうとするが、行動を先読みしたユユは爆発させてドアを壊す。
美波はユユの様子をじっと見つめていた。
「ふむ、答えないなら消すまでじゃ」
ユユは、何も答えない美波に手のひらを見せ、バチバチとエネルギーが溜まる。
それに表情が変わると、美波は肩を下ろし、ため息をついた。
「案外馬鹿だと思っていましたが、子供なので観察力が良いのでしょうか? 全てに疑問を持つ子供は厄介です」
「雰囲気が一瞬で変わったのじゃ、此奴やはり演技だったか……」と警戒しつつ心の中で思う。
様子から冷却と言えばいいのだろうか、冷たく熱がこもっていない目をする。まるで死んだ屍とお話ししてるようにユユは感じたのだった。
「馬鹿はお主の方じゃ、様子がおかしければ誰だって気づく、お主は何者だ」
美波は少し迷って様子を見せる。どうやら敵対をしたい様子でもない。殺気すら出していないのだ。
「私の名前を教えるわけにはいかないのでエックスと名乗りましょう」
「なんじゃ——ゴキブリだったのか」
「……それはGではありませんか?」
ユユが手を叩き、腕を組んでから一人でうんうんと感心している。さすがにゴキブリ扱いは嫌がったのか、美波の眉毛がピクリと動いた。
その様子に気づくこともなくユユはいい続ける。
「ではお前は何虫だ? エックスっとやらも英語だったはずだか?」
「…………とにかくその件については離れましょう」
「ふむ、では話に戻るとしよう。どうして偽装までしているということじゃな?」
その言葉にまたピクリと眉毛が動く、今回ばかりはユユは気づく。
「どうした、言えないのなら消すが?」
「いえ、これは憑依ですよ。今攻撃すれば美波は間違いなくこの世からいなくなります」
「……」
ユユはしまったと考える、憑依が出来る程の敵だとは思わなかったのだ。しかしあることを閃きユユは笑ってしまう。
「なんで力が強くなったですか? なんでニヤつくのですか? あの……状況わかってます?」
美波はユユの変化について、すぐに見極め声を出す。しかし操ってる本人は知らなかったのだ。
美波とユユはユウサクのことが好きと、いうことを——
ユユは言い放った。
「美波は操られてしまい、戻る様子はなかったよって爆発したと言えばよいのじゃ」
「ユユさんは悪魔か何かですか?」
「お前にとってはそうかもしれんな、では……」
その言葉を聞き美波は早口で、
「お待ちください、少しだけ話を聞いてもられませんか?」
「くどいのじゃ、早よ死ね」
「異世界人の情報与えると言っても?」
「何!?」
思わず声に出してしまう、まさか第三者の敵から情報もらうとは考えもしなかったのだ。
急に手を止めたユユ、それを見て美波は落ち着きを取り戻した。
「ただし条件があります」
「ならば——死ね!!」
ユユはカンフーみたいなポーズをしているが、死ねと言うのは様子から冗談らしい。だが、条件が悪ければすぐさま戦闘行動移すだろう。
「……あの」
「嘘じゃ、言ってみたかっただけじゃ」
ユユは恥ずかしそうに俯いてしまった。美波は気にしないよう、
「なら話しを進めます。出会った時、私を殺さないことを約束してください。取り敢えずこれに頷いてくれませんと、裏切る事はできませんから」
「むむむ、難しい内容じゃな。まぁユウサクには、私から伝えとこう」
「ありがとうございます」
美波は頭を下げ、お礼を言い出し咳をして喉の調子を整える。
「私たちに力を与えたのは異世界人で神と名乗っています。まだ人物にあったことはありません。しかし、能力を貰った人物には集まったことがあるのでわかります。一人目はヒリリ・メザスという名で白髪に赤い瞳した男、白衣をよく着ている人物です。今まで会った中で、見た目優しそうですが、正直何を考えてるかわかりません。二人目はヘルメンという名で青髪に青い瞳よく青いフードを被っています。彼は学校の生徒らしく復讐するためによく学校に行っているらしいです。能力: エイリアンマスターと言うことが分かっています。三人目は大山という名で横幅が大きい筋肉系ですね、私が知っている事はこんなところです」
「ふむ、なるほど……で、お前さん自身の話をまだ聞いていないが? 自分の特徴から言ってもらおう」
「名前は、テロロ・アーカリア身長145センチ、金髪の美少女で理性的で自分が生き残るためなら残酷な判断ができる。人の為に犠牲になろうとしてる奴が大嫌いあり、また絶対に人を信用しない。能力: 憑依 判断力アップ
能力の説明、誰か1人の体の中に入ることができる。そしてその記憶を見ることができる。見たものによっては、他の事まで判断することができると、分析してみましたがどうですか?」
「なかなか、よかったのじゃ。それじゃあ金髪の女を見つけたらぶっ飛ばさないように気をつけるとする」
その話を聞き美波は急に倒れた。テロロは帰ってしまったのであろう。
ユユは美波を少し見るとすぐトイレに入った。彼女は、ずっと我慢していたのだ。
トイレを…………。
流れる音とともに用が終わるとユユが出でくる。美波をさすがに一人で持ち上げるのは無理があるのでユウサクを呼び出そうと手を洗ってから歩き始めると下に何か落ちていた。
「なんじゃ見たことあるが……」
トイレの前に落ちている四角い物。それは赤いスマートフォンが下に落ちていたのだった。




