十一月十八日之事_____三十八話目
お読みいただきありがとうございます。
ちょっと短いです。
仕事から帰るとちょうどAAAのゆめみちゃんが出てきた。
「あ、あるじさまーこんばんはー。」
「おう、ゆめみちゃんこんばんは。今帰り?」
「うん。かつやも帰ってくるからもう帰るー。」
「もう暗いから迎えに来て貰えば?」
「う〜ん…………いい。やっぱり帰るー。」
「じゃあちょっと待ってて。ぽこと威真若と一緒に送って行くよ。」
「うん!まってるー!」
「ただいまー!」
「「おかえりなさい。」」
玄関を開けると、ぽこと威真若がお辞儀をして出迎える。
丁度ゆめみちゃんの見送りだったのか、玄関先で俺を待ってたのか、なんとも微妙な所だ。
「ぽこ、いま、二人とも一緒にゆめみちゃん送っていこう。おいで。」
え?という表情で顔を見合わせてもじもじしているので、
「お願い、聞いてくれると嬉しいんやけどなあー。」
と言ってみる。
二人して「「ハイ!」」という良い返事。
早速家を出て四人で櫛名田家に向かう。
道すがら、気になる事を聞いてみた。
「いつも家で三人何してるの?」
「あたしはぽこちゃんといまくんのお手伝いー。」
「ぽこは雑巾掛け…。」
「ぼくも雑巾掛け。」
そうか……。
「じゃあ、遊ぶのは何するん?」
「…………………。」
「………………。」
「雑巾掛け終わらないから、ぽこちゃんもいまくんも遊ばないよー。」
そうか…………。
「よし!三人とも、お菓子買って食べよう! コンビニ行こか。」
「えー!いいのん?」
「ありがとうございます!」
「わたしもいいの?」
「応!今日は特別な。 一人税別300円まで!」
「「「うわー!」」」
「三人で話し合ってクズの葉にお土産のお菓子も300円分な。」
「「「はーい」」」
ぽこも威真若もやっと元気になったか。
それにしても稚日もすずも ちょっと張り切り過ぎてるなあ…………。
◆
クズの葉のと同じのを三つ、稚日とすずの分。
「はいこれ、お土産ー。」
と渡しさっさと風呂場に向かう。
コンビニで待ってる時に考えた。
今日からぽこと威真若ひと組で一緒の風呂グループで頻度を倍にしよう。
なんとか現状の変化を狙った一手。
なんかこのままじゃいけない気がした。
まあそれだけなんだけど……バカが考えても仕方ない!
俺は当たって砕け散るのが丁度いい。
小さな二人で背中を流してくれる。
「ある〜じさ〜まあ〜、ど〜ですか〜〜。」
「威真若い、痛い…もうちょいやさしく〜。ぽこも〜。」
「う〜んしょ!う〜んしょ!」
「俺の背中で雑巾掛けはやめて〜〜!」
ちょっと鮨詰めで三人湯船 …………。
「なー、威真若はお父さんをなんて呼ぶんだ?」
「ととさま…………です〜。」
「じゃあ俺はとーちゃんって呼んで欲しいなー。」
「でもー…………。」
「ウチにいる間だけだから。 俺は主人様って呼ばれ方ホントは嫌いなんだ。 ほら、俺、加東っていうだろ?で加東ちゃんから[か]を抜いてとうちゃんだ。」
「なー、ぽこもとーちゃんに戻して良いのん?」
「応!」
やっぱりか…………最近、ぽこが俺を呼ばなかったのはこれだな。
さてどうしたもんか…………。
◆
「お兄ちゃん、お茶ですよ。」
夕餉を終え寛ぎの時間。
「なあ、稚日、ぽこといま、修行忙しいのか?」
「まだ慣れてませんから。」
予想通りの回答だ…。
「遊ぶ暇もないみたいなんだけど。」
「ぽこは神使ですから…威真若も此和歌様より頼まれてますし…。」
「海水浴に行けない、行きたい稚日はそれでいいの?」
「あ…あの………。」
「すず、樟葉の修行はどうなの?まだ叩き伏せて教えてる?」
「………………あの…。」
稚日と俺の会話に違和感があったのだろう上でこの質問だ。
聡いこの子なら察するだろう。
「二人とももう少しだけ相手の気持ちに目を向けてよ。」
これで改善されてくれれば良いんだがなあ。
きっとやる気が走り過ぎてるだけだろうし。
これで忘れてる事に気づいて欲しい……。
更新遅れてすみません。
まとめきれなくて時間かかりました。




