十一月二十日之事_____三十九話目
お読みいただきありがとうございます。
しばらく不定期にさせてください。
今日は朝から色々と準備中です。
以前、なずなさんにこっそりと頼んで巻き込んでおいたのだが ぽことすず、稚日の七五三を計画してみたのだ。
「なるほどのう。ダーリンは面白い事を考える。」
そう言って話に乗ってくれた。
なずなさん自身もすずの情操教育に疑問があって俺にすずを託した手前、それに関する提案は良く聞いてくれるので助かる。
そう、これは情緒を育てる、育て直す行為に繋がっているのだ。………多分。
幼少期などにこういった年齢限定のイベント事で心に傷を負い その後の成長過程で傷を歪め育ててしまい、それが大人になってから芽吹く、という事もままある。
これが物品の購入が原因で、大人買いなどと言う代替行為によって改善されるなら簡単で良いのだが、年齢限定のイベントとなるとこれがなかなか難しい。
俺自身もあの袋に入った千歳飴欲しさに親にねだったら「邪教が!仏罰が!罪業が!」と散々な目に遭った事があるのだ。
情緒育成に難がある場合、こういうトラウマを抱えたケースが多い。
それを払拭しようという攻撃的スタンスの教育なのである。
「お兄ちゃん、おはようございます、今日はお仕事お休みなのに早いんですね。」
「ああ、そうだな。みんなまだ寝てる?」
「はい。」
この前の会話からぽこと威真若クズの葉の待遇が随分と緩くなった。
この二柱の神々が本当に納得しているかまでは神のみぞ知る話。人の此の身には分からない。
所詮 生きる為のベースが全く違う生き物。
だったら足の速い時を生きる俺に合わせて貰う方が合理的だと思ったのだ。
「お兄ちゃん、あの…」
「ん?」
「その…怒ってない…ですよね。」
「なんで?」
「え……だって、この衣装…。」
「稚日の為に用意したんだけどなー。」
「………恥ずかしいです。せめてもう少し普通の…。」
「これって普通だよー?」
「でも……でも……。」
そんなに嫌なんだろうか………稚児の晴れ着。稚日サイズ探すの大変だったんだけどなー。
とは言っても、結局サイズが見つからなくて なずなさんに通力で出して貰ったんだが。
まあ、トラウマ払拭する為に新たなトラウマを作るなんて本末転倒もいい所なのでここは素直に引くとしよう。
一応は用意していた振袖である。
「綺麗ですね、これ。」
通力の産物だからか、羽織るだけで勝手に着付けが出来る優れものだ。
それにしても胸の無い女性は着物が映えると言うが…………。
「お兄ちゃん、なんだかそこはかとなく表情が失礼ですよ、何を考えたんですか?」
「いや、稚日の着物姿はとても美しいなあ、と思っただけ。」
「もう、お兄ちゃんたら…。」
と稚日が照れている。俺は嘘は言ってないので良しとする。
そうしているとぽことすずも起きてきた。
「とうちゃーん!」ごすっ!
「ちちうえ〜!」ごすっ!
「とーちゃん、おはようございます。」
威真若は大人しくて助かる。
すずも纏っていた何となく厳しい雰囲気が払われて元の幼い様子に戻っている。
体当たりの親愛の表現くらいは受け止めてやらないとな。
ぽこが稚日の姿を見て騒ぎ出した。
「おねーちゃん綺麗!何これ!何これ!?どーしたん?なあ なあ!」
すずは、と言うと着物の柄を見てうっとりとしている。
「………きれい。」
威真若は真っ赤な顔で稚日を見ている。
この子からすると憧れのお姉さんポジだろうか…。
こう言う些細な事も有ると無しじゃ人生の張りが違うってもんだ。神だけど。
ぽことすずにも稚児の晴れ着を渡して着て貰う。
でついでと言っては何だが威真若にも紋付羽織袴を着せる。
なんというか、正しく晴れの日という雰囲気になった。
ちょっと企画した自分を褒めたい気分である。
「すずちゃん似合ってる!」「ぽこちゃんかわいいね。」「………いまくんかっこいい。」
皆でワイワイやっているとなずなさんが来たので皆の晴れ姿を披露して祈祷のお願いをする。
「おお! 皆愛いのう、これは何とも晴れやか。眼福じゃなあ。ダーリンの企てに一口噛んだ値打ちがあったというものよ。」
早速祈祷が始まるがみんななんだかそわそわ…どうしたんだろうと思ったら俺の少し後ろに 大日孁貴さんや孝蔵さんに安寿さん、此和歌さんが陣取っているではないか。
祈祷が終わったなずなさんが一言。
「妾が呼んだ。」、と。
いや、確かに呼ぶべきだった。これは俺の手落ちだ。
そのあとは皆で河原のお社まで千歳飴の袋ぶら下げて歩き、そこで禮拝してうちに戻り皆でお茶。
これで何かが少しずつでも変わればいいなと思う。
何回書いても纏まらなくて遅くなりました。
こんなの初めて…ぽ(//∇//)




