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あれ以来俺は図書室に足繁く通っている。

俺の学校での唯一の憩いの場だ。だがそれもこっちに来てから揺らぎつつある。原因はあの女だ。俺が行くといつも例の席に座って読書か勉強をしている。俺もまた以前に座ったあの席で読書や勉強をしている。何だか意地の張り合いみたいになっていた。 お蔭でここに来てもどうにも安らげない日々が続いている。

それでも教室にいるよりは全然マシだ。あの、何処かぎこちない腫れ物扱いが居心地悪い。段々と後藤にみんなが寄っていってるのが分かる。裏で後藤があることないこと言っているせいだ。今はまだ一応俺に気兼ねして裏でしか言っていないが、薄い氷の上に立っているようなものだ。また何か起これば直ぐにでも俺はいじめられっ子の立場に追いやられることになることだろう。

でもそう簡単にやられてやるつもりもない。

あっちの俺にとっていじめやからかい、嘲笑なんかは常に身近にあった。俺はいつもそうならないように無害で目立たないような大人しい存在であろうとしてきた。孤立しているとも思われないように自分と似たような奴等で固まって居場所作って、別にそいつらと一緒にいるのがいつもつまらなかったわけじゃない。でもやはり一人の方が全然楽だった。

こっちに来てからもその悩みはどうやら尽きないらしい。

彼女を見ていると何だかあっちにいた頃の自分を思い出す。彼女も教室にいるのが嫌なのだろうか。



明日は授業参観。

ここでは無難にやり過ごすのが得策だろう。下手にここで動いて親が出てくるとなると面倒そうだし、対策も立てにくい。

俺が動くとしたらその後だ。今、俺の立場が揺らいでいるのはあくまでも噂のせいだ。実害も碌に出ていないこの状況では後藤も俺をいじめに持っていくには少し理由が弱いのだろう。こういったことには大抵何かしらの大義名分のようなものが必要になる。まして俺はスクールカーストも上位、俺が直接後藤達に何をしたわけでもないのに急に何かすれば外聞が悪くなる可能性も高い。人を陥れようとして下手に浅いことをすれば自分に返ってくる、なんてことにもなりかねない。後藤もそれくらいは分かるらしい。むしろ俺としてはそうだったら全然楽だったのに残念なことだ。後藤が俺の確実な失脚を狙っている以上、俺ももう少し派手に動かなくてはいけなくなってしまった。こうなると失敗のリスクも出てくるし、事前の準備もそれなりに必要になる。とても面倒なことだが、それを怠ることでいじめになるなら話は別だ。


後藤が嘘の噂で俺を追い落とそうとするなら、こちらも同じことをしてやるまでだ。目には目を、歯には歯を。嘘には嘘で対抗する。

噂というのは厄介なもので消そうと躍起になればなる程広まっていくものだ。本当に自分の噂を消したいのなら他の、もっと大きな噂で上書きしてしまえばいい。その噂に気を取られている内に、皆俺の小さな噂など口に出すのも忘れてしまうことだろう。



あっちの時は見目が良ければ人生もっと楽に渡れると思っていたがどうやらこっちになっても悩みが減る様子はない。

結局、俺が俺である限りどこにいっても大して変わらないのかもしれない。同じ机にいる彼女を見てそんなことをふと思ってしまった。



今まであらすじにハーレムを作ると書いておりましたが今後の話の大雑把な展開を確認しました所、話の途中で女の子にモテるシーンは出てくるもののどうもハーレムっぽくならないことが判明いたしましたためタグを直しました。

もしハーレム展開を期待していらした方がおりましたら申し訳ありません。



この先三月くらいまで更新速度が遅くなりそうなので次話の予告でもしておこうと思います。


次話『授業参観当日。主人公、後手に回る!!?』


幼馴染みの章とか銘打っておいて幼馴染みがあまり出てきてなくてすみません。次話から段々と関わってくる予定です。多分。





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