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矛盾の魔法使い  作者: 龍夜
第1章 『転校生と魔法』
8/31

第8話 一日の終わり

『さようなら』


何だかんだで1日を終えることが出来た。

クラスメイトは、談話をしながら教室を後にしていく。


「はぁ………」

「ため息なんてついてどうしたの?」

「中井さんか」


ため息をついていると声をかけてきたのは中井さんだった。


「溜息を吐くと幸せが逃げてくらしいよ」

「あー、そう言えばそうだったな」

「まあ、事情は分からなくもないけど」


中井さんの言う事情と言うのは、戻ってからの視線だ。

やはり勘坂にケンカを売ったのが祟ったのか何とも言い難い視線で見られた。

憐れんでいるのか、それともすごいと思っているのか。

それを考えていると妙に疲れが回ってくるものなのだ。


「とにかく、帰りましょう」

「そうだな」


そして、俺は中井さんと共に学園を後にするのであった。



矛盾の魔法使い   第8話「一日の終わり」



「昨日、ここに来た尾崎 圭一君よ。同じ寮生として、仲良くしてあげてね」


上栄荘のリビングで、俺の紹介が行われた。

田土先生兼寮長の言葉に、俺は自己紹介をする。


「109の尾崎 圭一です。よろしくお願いします」


拍手はまばらであった。

寮長曰く、ここでの紹介時は部屋番号を言うらしい。

誰がどの部屋にいるかが分からなくならないようにするためらしい。


「それじゃ、皆さんも自己紹介。まずは中井さんね」

「はい。104の中井 奈々です。よろしく」

「同じく108の野崎 隆」


その後もどんどんと自己紹介が行われていく。


「本当は後二人いるんだけど、一人は用事でもう一人はまだ戻ってないから紹介は省くわね」

「あ、はい」


こうして、俺の紹介は幕を閉じた。











「えっと、風呂風呂……ッと」


夜、俺は風呂に入ろうと洗面器を片手に領内を歩いていた。

ここの風呂は男女共同で、時間によって分けられている。

女子が19時まで、男子が22時まで。

今の時刻を確認した。


19:30


「大丈夫だな」


俺はほっと胸を撫で下ろした。

ドアを開けたら裸の女子がいた~なんて笑い話にもなんない。


(ここだな)


ドアの上には『お風呂』と書かれたプレートがあった。

そして俺は、そこの扉を開けた。


「………え?」

「………」


どうして俺の予想はこういう時に限って当たるんだ。

俺は自分の運命をこれほど恨みたいと思ったことはなかった。

脱衣所には、オレンジ色の髪をした何も纏っていない少女の姿だった。

その姿の人物に心当たりがあった。

名前はえっと………ではなく!

彼女の肌はまるできれい咲く花のように美しく………でもなく!!


(俺は何平然と解説をしてるんだよ?!)


「わ、悪い!!!」


俺は急いでドアを閉じると、逃げるように自室へと戻った。

その後、30分時間を見て風呂へと向かった。

今度こそ誰もいなかった。

これはのちに聞いた話だが、この寮の男子は基本的に21時あたりに入るのが普通らしい。

時たま俺のように早めに入るものもいるとか。











「えっと、ここはこうだから……」


風呂に入りさっぱりした俺は、机に向かって明日の予習をしていた。

そんな時、ドアからやや強めのノックがした。


「どうぞ」

「失礼します」


そう言って入ってきたのはオレンジ色の髪をした松井さんだった。

さっきの事がよっぽど恥ずかしかったのか、顔を赤らめていた。


「あー、さっきは悪かった。まさか、まだ女子がいたなんて思ってもいなかった」

「あ、いえいえ。時間を超えていた私がいけないんですし」


俺が謝ると、松井さんも謝ってきた。


「それでも、俺が悪いんです」

「いえいえ、私が――――」


そんなやり取りが数回続いた。


「そ、それじゃあ、両方が悪いと言う事で!!」

「ま、まあそれなら」


松井さんのその言葉で、無限に続くと思われたやり取りが終わった。

と、そんなところに。


「お邪魔するぜ!」

「お、お邪魔します」


ノックもなしに入ってくる隆に申し訳なさそうに頭を下げる中井さん。


「うぉ!? これは、加奈ちゃんじゃないか!! くぅ! やってくれるな圭一! さすがは兄弟」

「何をやったんだ! しかも兄弟ではない」


何だかテンションがおかしい。

いや、昨日もか。


「だってよ、こんな美少女を部屋に連れ込んであんなことやこんなことを――――ドベシ!?」

「誰がするか!!」

「あ、あぅ~」


圭一の言葉に、顔を赤くする桜井さん。

その後、数十分話をして三人は部屋を去って行った。

俺も眠りにつくのだった。

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