第9話 HRで
お久しぶりです。
今回の内容は、非常に短い&説明回です。
翌日、今度はちゃんと朝早く起きた俺は、朝食を摂ると学園へと向かった。
その際、隆や中井さんが驚いていたような表情でこっちを見ていたが。
一体二人には、俺がどのような目で見られているのかが気になった一時だった。
矛盾の魔法使い 第9話「HRで」
「はい、皆さん席についてください」
田土先生の一声で、席を立って話をしていた生徒たちは一気に自分の席に戻って行く。
それを見て満足げに頷いた田土先生は、連絡事項を告げた。
「本日の3,4限に、魔法実習があります。各自魔法服を着用の上、学園から支給されたマジックセーブと媒体を持ったうえで、実習室に向かってください」
『はい!』
田土先生の連絡事項に、クラスの全員が返事をした。
その後すぐに、1限の授業が始まり休み時間を迎えた。
「なあ、隆」
「どうした?」
俺は休み時間に、隆に疑問をぶつけるべく、声をかけた。
「マジックセーブってなんだ?」
「………」
俺の問いかけに、隆は、信じられないとばかりに俺を見た。
「あぁ、そうだったな。お前は転校生だから何も知らねえよな」
だが、すぐに俺が転校して間もないことを思い出したのか、苦笑いを浮かべながら謝ってきた。
「マジックセーブって言うのは、常に身に着けるように言われているこれの事だ」
「これか?」
俺は、隆が差し出した星形のペンダントのようなものを見て、首にかけておいた自分の物を隆に見せた。
「ああ、それだ。それには魔法のダメージを緩和する力があるのさ」
「……? ダメージ緩和は魔法服でするものだろ? おかしくないか?」
隆の説明に、疑問を持った俺は、そう声を上げた。
魔法服などに掛けられる魔法術は、魔力の循環をよくさせたり、制御力を上げたりダメージをカットしたりなどの、付加効果がつけられるのだ。
だからこそ、こういった実習などで魔法を使う際に魔法服の着用を義務付けられるわけなのだ。
「あ~、それはだな」
そんな俺の問いかけに、隆は頬を掻きながら必死に言葉を探していた。
「正確に言うとな、ダメージを”ほぼ0”にするんだよ」
「ッ!!」
隆の説明に、俺は息をのんだ。
もしそれが実際に出来るのだとすれば、ほとんど無敵になるのではないか?
そんな疑問を隆にぶつけてみた。
「いや、それはねえぜ。いくら完全に防げたとしても、衝撃まではカットできないからな」
「なるほど」
隆の説明に、俺はそう呟いた。
簡単な魔法弾を食らって、仮に防御魔法で防げたとしても、その衝撃は残ってしまう。
それと同じことなのだろう。
「つまり、このマジックセーブと言う魔導具は、ダメージを0にするが衝撃などは防げないと言う事か」
「まあ、そう言う解釈でいいと思うぜ。ついでだから、それの使い方を教えようか?」
隆の有難い申し出に、俺は”頼む”と答えると、隆は説明を始めた。
「これは、特殊な装置によって込められたエネルギーで動いてるんだ」
「特殊な装置?」
「ああ、俺達はもちろん、先生でさえその装置の詳細は知らないらしい」
俺は、その装置の事が気になりつつも、隆に先を促した。
「この魔導具……ペンダントは、相手の攻撃が直撃して、ダメージをカットすると、それに見合った分エネルギーが減って行くんだ」
「エネルギーの残量はどうやって調べるんだ?」
「それはこのペンダントの色を見てれば分かるさ」
俺は、隆の答えに、もう一度ペンダントを見る。
その色は深緑色だった
「今はエネルギーが満タンだから深緑色だ。でも、エネルギー残量が75%を下回ると緑色に、50%以下になると青に、25%以下になる水色に、10%以下になると赤色に変化する用になってる」
「へぇ……」
俺は、思わず生返事をしてしまった。
「魔法の自主練習をしたり模擬試合をするときに、エネルギーを消費して肝心な時に使えなくなるのを防ぐために、魔法の模擬戦とか魔法を使った試合の前には、この魔導具の色が緑色になっていたらエネルギーを補充してもらうことになってる」
「なるほど、公平を規してるわけか」
隆の説明に、俺はそう納得することにした。
「まあ、後は試合や授業の終了時にも回収されて補充されるから、授業が終わっても帰らないようにしろよ? 前にこれをしなくて次の授業の時にエネルギー不足で大けがしたやつがいたから」
「わ、分かった」
隆の言葉に、俺は少しばかり固まりながら答えた。
「ッと、それじゃあな、隆」
「ああ、サンキューな」
俺は、チャイムが鳴って次の授業の準備をする隆に一言お礼を言うと、俺も次の授業の支度をするのであった。
おそらく次の更新も一月先になりそうな予感が……
次回はようやく初の戦闘です。




