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SF!?異世界ドライブ旅行記  作者: hachikun
山脈越え
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ワイロな国境ガゾ

 ガゾの国境にたどり着いた。

「おー……」

「先客がいるねえ」

「いるな」

 単体の車でなく集団っぽい。

 荷物をいっぱい積んでるようだし、キャラバンってやつかな?

 

 気分は山男なダイナミック山岳風景を背景に、道を塞いでいる国境。

 そして、そこに並ぶ手続き中の乗り物たち。

 

「陸路の国境だよ……すっげえ」

「パパ、そんなにうれしいの?」

「もちろんだとも……アイリス?」

 なんか、アリスが奇妙なものをみる顔をしていた。

「えーと、アイリスさん?」

「タナ・タナも国境だったよね?」

「ああそうだが?」

「けどタナ・タナの時はそんなじゃなかったよね?何が違うの?」

 ああ、そういう事ね。

 タナ・タナ。

 あそこもたしかに、コルテアとタシューナンの陸路の国境だけどさ。

「陸路で越えたわけじゃないし、そもそも国境越えの手続きもしてないだろ?」

「あ」

「実際に手続きしていれば別だろうけどな……。

 なんていうか、国境越えた実感がないんだよね」

「あ、そっか。

 実際パパ、コルテアに入国すらしてないもんね」

「そそ」

「そっかぁ」

 納得げにアイリスはうなずいた。

「パパは『運転する者(ドライバー)』だもんね、やっぱり自分の車じゃないとダメなんだ?」

「そそ……ところでアイリス」

「なあに?」

「ドライバーって言葉に、なんか変な意味こめなかったか?」

「気のせいだよ」

「そうか?」

 なんかアイリス、どんどん成長している気がするなぁ。

 いや、胸のサイズとかじゃなくて精神的にな。

「ん?そういえば」

「なに?パパ?」

「今さら気づいたようで悪いけど、その格好、なんか可愛いな」

「え、ほんと?」

「おお。けど、なんでセーラー服なの?」

 そうなのだ。

 市場で別れて再開した時からなんだけど、いつのまにか服装が変わっていた。

 それは、まぁいい。

 きっとマザーが何かステキ科学的な着替えをさせたんだろうし?

 あるいは、別に赤射・蒸着とかでも別に俺としてはかまわないよ別に、ああ。

 だけど……なんでまたセーラー、しかもずいぶんと古風なタイプなんだ?

「パパの記憶にあった、若い女の子の服だっていってたよ?」

「たしかに間違いとは言わないけどさ……」

 それ、実家にあったセーラー服だと思うぞ。

 ちなみに俺にはセーラー服を着るようなきょうだいはいない。

 これを着ていたのは独身時代の母だ。

「ねね、可愛い?」

「おう、かわいいかわいい」

 うんうん、かわいいぞ。

 微笑ましいとかそっちの意味だけどな。

 俺は、うっかり言ってしまわないように口をつぐんだ。

「あとアイリス、スカート短すぎる」

「せくしーでしょ?」

「校則違反、ひざ上三センチまでだ」

「なにそれぇ?」

 俺だって、セーラーじゃねえけど制服ある学校出身だからな。

 しかも、風紀委員やった事もあるんだぜ?

「服装で人格を決めるなんて、どうかと思うな」

「その意見には俺も賛成だけど、制服にはちゃんと意味もあるんだぜ?」

「どういう意味?」

「ぶっちゃけ、制服は正式な服装として認められてるからな。

 公式行事への参加なんか、全部制服ですむんだ」

「……それが意味?」

「まあまあアイリス、一度でも社会人やればわかるって。

 冠婚葬祭とかさ、お客様の前とかさ。

 マナーとか失礼とかさ、あれこれあれこれ考えて、ほーんと厄介でさ。

 とりあえず制服きときゃあ文句いわれない。

 あの頃はよかったなぁって、しみじみ思ったよ」

「……パパ、おっさんぽい」

 な!?

「う、うるせえやい……とはいえ、たしかにおっさんだしな、俺」

 ためいきをついていると、なんかアイリスに奇妙な顔をされた。

「アイリス?」

「あのねパパ、その……」

 そんな会話をしていたら、いつの間にか前の車が進んで。

 俺たちの順番が回ってきた。

 

 

 国境の手続き所、いや検問かな?

 よくわからないが、数名の武装した男たちが車のそばにやってきた。

 俺は窓を開き、やぁと声をかけてから、タシューナンの名誉市民証を渡した。

 だが。

「……」

 受け取った男は証書をチェックするどころか返しもせず、手にもって知らん顔だった。

 ……ああ、なるほど。

 さっきの連中も何か変な動きをしていたと思ったけど、そういう事なのね?

「ああ、そういうことね。

 何を求めているかも欲しているかもわかるけど、そういう反応はその名誉市民証を見てからにしたほうがいいんじゃないか?」

 だいたい、袖の下ったって大したもん持ってないしな。

 金貨は一枚しか残ってないし、銀貨じゃワイロにゃ足りないだろ。

 だったら悪いけど──。

「──名誉市民証?」

 その言葉にひっかかったように、男は名誉市民証をじっと見て。

 そんで、ゲッという顔になった。

「こりゃいかん、すまない、ちょっと待ってくれ!」

「え、あ、おい」

 なんで名誉市民証もっていっちまうんだい?

 男はバタバタと建物に入っていってしまった。


 

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― 新着の感想 ―
[一言] おっさんはね、おっさんだと自覚していても人に言われると傷つくの……。 可愛い子に言われると突き刺さるわー。。゜(゜´ω`゜)゜。
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