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陰to陽  作者: 黒川一
ー黄昏編ー
26/82

第21夜 結界ジュース






漆原家






漆原がスマホを操作している。


「本当だ。

廃団地についてのまともな情報が全く無いね。」


「そうなの。

少し調べてみたんだけど全く出てこなかった。

オカルト版や、心霊スポットとしての情報ばかり。」


明里もスマホを操作している。


「うーん。ほんっとロクな情報ねーな…

こうなりゃアナログでいってみるか。

白石さん、今日はもう遅いからまた明日にしよう。

明日は土曜だし、午前の授業が終わったら図書館に行ってみようか。」


「良いけど…図書館に情報なんてあるのかな?」

明里がスマホのホームボタンを押しながら答える。


「ダメ元だよ。

多分廃団地の情報は誰かが意図的に消してる。

一応現存する建物に関して、これだけロクな情報が無いってのは現代じゃありえないでしょ?

それにいくら反界での出来事とはいえ、時間の流れがどうなっているのかは行ってみないとわからない。

救出は早ければ早い方が良いんだ。

とにかく今は行動あるのみ。」

ガッツポーズで力説する姿は漆原には似合わない。


「わ、わかった。じゃあ今日はもう帰るね。」


「あ、ちょ待って!」

帰り支度をする明里を制止し、漆原が部屋を出た。


5分後、マグカップを持った漆原が戻ってきた。

人差し指には絆創膏が貼られている。


「白石さんこのまま帰ったら黒い少女に殺されちゃうからこれ飲んでちょ。」


「これは…?」


「陰陽師特製の結界ジュース。

これで奴は君を認識できなくなる。」

明里はマグカップを受け取る。


「ありがとう。」

明里はジュースを飲み干した。


「うっ…(不味い)」


漆原は嬉しそうに笑っている。


「ククク…ゲロまずでしょ?

それは漆原家特製の薬草と俺の血をブレンドしたジュースだからね。

でもこれで大丈夫、君に結界を張った。

ただ…1つだけ注意点があるんだ。

あんまり血を流しすぎるとパアになっちゃうからなるべく血を流さないように注意して。

もし怪我したりした時には一応教えてね。」


「う、うんわかった。気を付けるねっ!」

明里はハンカチで口を拭う。



ムクッ



「おはよう無有。」

部屋の隅で寝ていた真っ白なポメラニアンが眠りから覚めた。


「話は終わったか?」

無有は前足で顔をこすっている。


「ああ、終わったよ。

んで寝起き早々悪いんだけど、しばらく白石さんの護衛を頼んでもいいか?」


「嫌だね。めんどくさい。」


「だってお前今回参加できないじゃん!

そのぐらいはお願いしますよ〜、無有様〜。」

漆原が両手を擦り合わせながら言う。


「ちっ。おい餓鬼、飯は作れるのか?」

無有がお座りの態勢で明里に聞く。


「一応…。

うちは小さい頃から私が料理してきたから。」

堪えきれなくなった明里は無有を撫でる。


「やめんか!あっ…

お、お前の飯は美味いのか?」

目を閉じてうっとりとする無有。


明里は構わず無有を撫でながら言う。


「お祖父ちゃんは美味しいって言ってくれてたけど、無有ちゃんのお口に合うかはわからないな〜。」


「あ"〜気持ちいい…

よかろう。貴様の護衛をしてやる。

その代わり美味い飯を作れ。」

撫でられながらうっとりする様は普通の子犬だ。

喋る事を除けばだが。


「じゃあ白石さん、無有を連れて帰ってくれ。

彼が居れば殺される事はない。

まあ君には一応結界を張ったけど、黒い少女の力は未知数だからね。

じゃあ頼んだぞ無有。」


「仕方ない…では行くぞ餓鬼。」


「餓鬼じゃなくて明里よ、無有ちゃん!

じゃあ漆原くん、今日は色々とありがとう。

また明日学校でね!」



パソコンに向かう漆原に手を振り、明里と無有は帰路に付いた。

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