猫に罵倒・・・できれば避けたい事がある
※原作リスペクト作品です
※残虐・性的描写なし/対象年齢15歳以上推奨
※本小説の設定やキャラクターイメージはこちらから
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お屋敷を出て右に行けば良いと答えは得たので、もうここにいる必要はないわね。
てか、お兄さんが居たのは天井の伏線だったのかしら...
だとしたら、めっちゃ悔しいわね。
「世話になったのう。またわらわの美しさ成分が足りなくなれば来れば良いぞ?」
「いえ、向こう100年分ぐらいは頂いたので、もう十分です」
てか、早くここから離れたい。
軽く見渡すと猫はいないようね。
まぁ、猫は気まぐれっていうから、どっかに行ったんでしょう。
ちょっと安心。
「じゃ、失礼しま~す」
「達者での」
軽く挨拶をして屋敷に向かって左に進む。
『屋敷を出て右』は『屋敷に向かって左』だから間違ってない。
私はちゃんと理屈を考えられる女子高生なのよ。
広場から森に入る前に、赤いキャンディーを口に放り込む。
『でんでんんでんで~ん』
これで赤いキャンディー×3、青いキャンディー×3になっちゃったわね。
森の中に入って、しばらく移動する。
本当は「歩く」なんだけど、コントローラーで操作しているので、感覚としては「移動」よね。
「そこの君!君はアタシのファンよね?」
突然、上の方から声がする。
慌ててそっちを見上げるけど、何もいないし見えないわね。
声はダミ声のオジサン。
口調は少しオネエな感じ。
マジキモ!
てか、そんな存在のファンになる訳ないでしょ?
新種のホラー要素なのかしら?
気を取り直して、移動を開始しようかとしたら、
「あれ?分からないのかな?」
と、さっきの声が聞こえる。
さっきと同じ場所から声が聞こえる。
身構えながらもう一回見上げるけど、やはり見えない。
「誰?どこにいるの?」
ゲームとは言え、さすがにキモイし怖い。
「あ、しまったぁ~姿を消したままだったじゃないの~!!」
「へ?透明人間?!」
ゲームだけど、身の危険を感じる!
慌てて逃げようとすると、声が聞こえてた辺りに何かが現れてきた。
「ごめんよ~!姿を消したままだったようでね」
と、木の枝の所に現れたのは令嬢の所にいた九尾の三毛猫。
会いたくなかったのに会っちゃったよ~...
てか、これってストーカー行為よね?
しかも姿が消えるとか、恐怖でしかない。
そんな事を考えていたら、三毛猫が声を掛けてきたの。
「僕は三毛猫なのよ~。それも九尾のねぇ~!(こんなしゃべり方ですが、オスなんですよね~)」
と、九本の尻尾を揺らしながらしゃべりかけてくる。
そして、猫がしゃべってきても私はもう驚かない。
だって、マウスとかゲームパッドもしゃべってくるんですもん。
それよりも気になるのは、
「私があなたのファンってどういう意味?絶対そういう事はないからね!!」
ただでさえキモイのに!
「え?ちがうの?ちょいちょい僕の事見ていたから、てっきり僕に気があるのかと?(いやぁ~豪快に振られちゃいましたね~)」
と、例のニヤリ嗤いをしてくる。
「それ!その嗤い顔が嫌なのよ!」
私は常識のある女子高生なんだから、キモイ相手でも「キモイ」とは言わないのよ。
ちなみに、見てたのは単純にキモイから、どこにいるかを確認してただけよ。
自意識過剰?っていうのかしらね。
「え~...へこむわぁ~。この顔は変えようがないからねぇ~(消える事は出来るんですけどね~)」
この猫、しゃべった後に何か言ってるんだけど、声が小さいから聞こえにくいのよね。
あ、令嬢のところで時々何かが聞こえてたのは、この猫がつぶやいてたのが聞こえたからなのか。
「それはそうと、このまま進んでいくの?(旅って良いものですよねぇ~)」
「そのつもりだけど、何かあるの?」
「そりゃあ『何か』はあるわよぉ~(いったい何でしょうね~)」
なんだろ?この猫、もったいぶったしゃべり方をしてくるわね。
「『何か』じゃ分からないわよ。知ってるならちゃんと教えてよ」
「『何か』とは君の行動の結果で変わるのよ~。だから、これ以上は分からないわぁ~(うん。哲学的ですね~)」
この猫も屁理屈ばっかりね。
見る分には面白いかもだけど、体験すると嫌なものね。
「そりゃあ結果は分からないでしょうけど、『そこに何があるのか』は分かっているのよね?」
「そりゃあ『何があるのか』は知っているわよぉ~。無駄に長生きしちゃってるからね~(もう26歳なんですよね~)」
「じゃあ、『何があるのか』を教えてちょうだい」
「『何が』とは、お茶会の事なのよ~(言っちゃいましたね~)」
「お茶会?こんな森の中で?」
ホント、なんでこんな所でお茶会なのかしら?
何か理由でもあるのかな?
「お茶を飲むのに場所は関係ないからねぇ~(いやあ、名言ですね~)」
「確かにそうかもだけど、そこで『何か』ある訳ね?」
「『ある』かも知れないし~、『ない』かも知れないわぁ~(こういう時はほぼ『ある』んですよね~)」
なに?この猫!イライラするじゃない!
っと、ダメよ私!マウスたちで学習したでしょ!
「それはそうと、君は女子高生なの~?(ワクワクしますね~)」
「え?そうだけど...」
なに?アバターとプレイヤーを分けて判断してるの?
何気にすごい仕様ね。
他の仕様はボロボロだけど...
そういや、白いお兄さんのメンテ、終わったのかなぁ~。
「じゃあ、ちょっと面白いものを見せちゃうわよぉ~(とっておきですからね~)」
「面白いもの?」
「ちょっと鼻を押してみてちょうだいな(女子高生に触ってもらえるのは嬉しいですね~)」
と言うと、首が伸びてきて顔が近くに寄ってくる。
そして、『ニヤリ嗤い』をするのよね。
この『ニヤリ嗤い』が近づくとのはかなり心が削られるんだけど...
「え~...」
これは早くしないと、心のライフがあっという間に0になっちゃわ。
嫌だけど、この状況はもっと嫌なので、素早く鼻を押した。
あまりにも素早く手を動かしたので、事実上指で鼻を殴った状況になっちゃった。
でも、これは仕方が無いの。私自身を守るための必要な行動なの。
「ぽちっとな!(押しちゃいましたね~)」
私の葛藤をよそに、『ニヤリ嗤い』が『嬉しそうなニヤリ嗤い』になっちゃってる。
ひゅんという音がしそうな勢いで首が戻ると、猫の身体がゆっくりと消えていく。
あ~...なんか安心する私がいるわ。
「じゃあ、さよなら~」
「ちょっとまってよ~!面白かったでしょ!?(渾身のスルーでしたねぇ~)」
「わあ!」
と、消えたばかりの猫がまた現れた。
RPGだったら「コマンド:全力で逃げる」なんだけど、なぜかコントローラーを操作しても移動が出来ない。
「回り込まれた」みたいだわ。
「消えたり現れたりするのは、最初の段階で分かっているでしょ?」
そもそも消えるのが面白い訳ないじゃない!
普通に安心仕様じゃない!
「そこに鼻を押すというギミックが付いた所がポイントよね!(触ってもらうのが目的だったんですけどね~)」
「ただただゾクッとしただけだったんですけど?」
「そんなに照れなくてもぉ~(かわいいですね~)」
「どこに照れる要素が?」
「そうそう君。止まってないで進んだら?進まないと進まないわよ?(早く行かないと日が暮れますよ~)」
猫が声を掛けてきたから止まったんですけど?
とは言え、情報収集はしときたいわね。
「だから、この先に何があるのよ?」
「帽子とうさぎがいるハズですねぇ~(変人なんですけどねぇ~)」
「帽子とうさぎ?」
「行けばわかりますよ~。では、またね~(近々また会いに行きますね~)」
そう言うと、猫はあの『ニヤリ嗤い』をした。
すると、す~っと身体が消えて...って、尻尾から下半身、上半身、首と消えていき、最後に頭が消えて...
は?なんで、『ニヤリ嗤い』だけが残ってるのよ!
これって犯罪的にキモイんですけど!!
まぁ、残ったニヤリ嗤いもすぐに消えたから良かったんだけど。
それにしても、この猫はなんで現れたのかしら?
ただ単に私が猫のファンだと思ったからなのかしら?
だとしても意味不明よね。
でも、この先に「帽子とうさぎ」がいるって事がわかっただけでも良かったかもね。
知っているのと知らないのとでは、かなり違うものね。
とくにこのゲームはね。
「それにしても、なんか...『狐につままれた』感じ。違うか、これは『猫につままれた』って言うのかな?」
良く分からない現象だったんだけど、とにかく言われた方向に進んでみようかしら。




