表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生ショタ魔王、世界平和の為に家出する〜チートを持ったお人好しによる世直し旅〜  作者: 青 王(あおきんぐ)
第四章 ウォルトス編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

51/127

48話 修行相手②


 ボンズとセリーヌの修行相手がマッゾとサディに決まり、早速四人はクエストに出発した。


 そしてギルドに残った俺は次にリリィの修行相手を決めていくのだが、こちらはもう既に決まっている様なものだ。

 と思っていたのだが――――



「リリィはアイリスに修行をつけてもらうって事でいいよね!」


「え……。いやだ……」


「……へ?」


 ――今この子何て言った……?

 俺の聞き間違いか?

 そうだ、そうに違いない。

 もう一度聞いてみよう。


「ね、ねぇリリィ? 修行相手はアイリスって事でいいんだよね?」


「アイリスお姉ちゃんとはいやなの……!」


「はにゃ……?」


「だから、いやなんだってば……!」


「はぁ……」

 

 ――間違いない。

 リリィは嫌だと言っている。

 今回はしっかりと聞こえた。


 でも何でだ……?

 あんなに懐いているのに……?

 まさか距離が近すぎてアイリスが魔族だってバレちゃったとか……!?


「ちょ、ちょっと待ちなさいよ……」


 すると俺とリリィの会話を一言一句全て聞いていたアイリスがとても不機嫌そうな顔で口を開いた。


「ど、どうした? アイリス?」


「何で私がフラれたみたいになってるのよ!? おかしいでしょ! スカーレットにエル様が呼んでるって言われたから急いで来たっていうのに、何なのよこの仕打ちは!? それに肝心のエル様はいないしっ!」


 俺が様子を伺いながら声を掛けると、アイリスはリリィにフラれた事が余程ショックだったのか怒りを露にし始めた。

 そして彼女の放った最後の言葉に俺は違和感を覚えた。


 ――めっちゃキレてんな、アイリスのやつ……。

 ていうか今俺がいないって言ったか……?

 俺はここにいるだろ……?

 


「落ち着けよ、アイリス。な……?」


「さっきから何なのよあんた!? 私の事知ってるみたいな口ぶりだけど、私はあんたみたいな子供なんて知らないわよ! あと勝手に名前を呼び捨てにしないでもらえるかしら!? 不愉快よ!」


 ――な、何でぇー……?

 何でアイリスは俺の事がわからないんだ?

 昨日も会ってるし、その時はすぐに俺とわかって――


 あ、そうか……。そういう事か……。

 あの時は魔王の姿だったからすぐに気が付いたけど、今は【隠蔽】を使って人間の姿になってるから気付けないのか。


 そういえば前にスカーレットが俺の変身魔法は高レベル過ぎて相手が同じ魔族でも、俺を魔王だと認識できる奴はいないって言ってたっけ。


 まぁ俺のコレは魔法じゃなくて固有スキルによるものだからな。

 魔法と同じように看破しようとしても出来るわけないんだけど。

 とりあえずこの怒り狂っているアイリスの誤解を解いておくか……。


 

「【思考加速】、【念話】。(……どうだ、アイリス聞こえるか?)」


 そして俺は再度、言霊の能力を使いアイリスの頭に直接話し掛けた。

 加えて言霊の能力【思考加速】を使い、思考速度を現実の十倍に速めた。

 それにより実際には一分しか経っていなくても、念話では十分話す事が出来るようになる。


「はっ……! また……! (はい、聞こえますエル様)」


(何を怒り狂っておるのか知らんが、とりあえず落ち着け)


(はい、申し訳ありません……。ですがエル様は一体どこに……? 私の事をどこからか見ておられるのでしょう?)


(何を言っておる。俺は今、貴様の目の前におるではないか)


(はい……? 私の前にいるのは生意気な口をきく子供だけですが……?)


(ふっ。わからんのか? その生意気な子供が俺だ)


「えぇーー!!??」


 俺が念話でアイリスにそう告げると、彼女は驚きのあまり実際に声を発してしまった。


(馬鹿者!! わざわざ念話で話しているのに声を発する奴があるか!!)


(も、申し訳ありません……。でも目の前にいらっしゃるのに何故わざわざ念話を? それにあの様な変身までされて)


(人間達の中に紛れ込むにはこの方が都合が良いのだ。それに今行動を共にしている連中には俺が魔王である事は隠している。だからわざわざ念話で貴様に説明してやっているのだ)


(なるほど……。そういう事ですか。承知しました。…………ですが、エル様? 先程私が取り乱してしまったのに突然口調を変えて話し始めたら変ではありませんか?)


 アイリスは俺の現状を理解し、加えてこの場で俺に敬語を使い始めたらリリィに怪しまれる可能性があると危惧した。


 ――あぁ。スカーレットもそうだったけど、やっぱり五芒星ともなると理解力というか、色々と察するのが早いなぁ。

 …………いや、五芒星といっても全く俺の気持ちを察する事が出来なかった奴もいたな。

 シエスタ。アイツは本当に話を聞かない奴だった。

 出来ればもう会いたくないものだけど、きっとそうもいかないんだろうなぁ……。


 そんな事を考えつつも、俺は今後の方針をアイリスに説明した。


(そうなったのは貴様が勝手に怒り狂い始めたからだろうが……)


(そ、そうでした……。申し訳ありませんでした……)

 

(まぁ良い。とにかく貴様の言う通り、今から話し方を変えるのも不自然だ。幸い昨日のアレは魔王とその配下という設定の演技だと勘違いしてくれているようだから、貴様は普通に子供と接する様に演技をすれば問題ないだろう)


(そんな……!? よろしいので!?)


(何がだ?)


(その……呼び方とか、言葉遣いとか……)


(構わん。俺の目的を果たす為だ。好きにしろ)


(承知しました……!)


 アイリスは最初こそ不安そうにしていたが、俺が好きにしろと言ってやると、どうやら腹を括ったようで表情もいつもの彼女に戻った。


(どうやら覚悟は決まったようだな。言っておくぞ? 初手が肝心だからな? アイリスよ、しくじるなよ?)


(はっ! お任せ下さい!)


 そしてアイリスは大きく深呼吸をし、俺は【念話】と【思考加速】を解除した。

 その後、彼女はその肝心な第一声を発した。


 

「あ、あらぁ……!? もしかして君、昨日いた男の子じゃない? ほら、一緒に仮装した――あの子よね!?」


 ――だめだぁー!!!

 アイリス、演技下手すぎィィ……。

 めちゃくちゃ棒読みだし、視線はブレまくりだし。

 こいつやる気あるのか?


 はぁ。仕方ない……。

 リリィにバレないようにアイリスが考えたシナリオに乗っかるしかないか……。

 


「う、うん……! 昨日は帰るまで仮装したままだったからわからなかったんだね!」


「そ、そーなのよっ! 確か君は……そうだ、エル君! エル君よねっ!?」


「そうだよ! やっと思い出してくれたんだね! でも、さっきのアイリス怖かったよ……」


 俺はアイリスのシナリオに上手く乗っかり、話を進めた。

 そして渾身の泣きそうな顔を見せつけた。


「あぁー! 泣かないで……! ごめんねぇ、さっきは気が付かなくて……」

(エル様……演技も上手いの!? さすがは魔王様だわ……)


 そして俺はアイリスに謝られながら頭を撫でられた――という演技をした。

 するとリリィは最初こそ戸惑っている様子だったが、今は何やら納得した表情を浮かべていた。


「昨日会ってるはずなのに変だなと思ってたら……。何だそういうことだったんだね」


「そうなのよ! ……ってリリィ! あんたねぇ、私がせっかくここまで来てあげたっていうのに修行を断るってどういうつもりよ!?」


 リリィを上手く誤魔化したところで、ようやく話は本題へ戻った。


「だってアイリスお姉ちゃん、魔法があまり得意じゃなさそうだもん……。さっきのウザイ男を懲らしめてくれた時も魔法じゃなくて力技だったし……」


「ぐっ……。それは……!」


 リリィに断った理由を告げられアイリスは上手く言い返せないでいた。

 恐らく図星なのだろう。


 ――あぁそういえばスカーレットが昔、五芒星の説明をしてくれた時にアイリスは吸血鬼の固有スキル【血液操作】で戦うって言ってたっけ。


 それなら確かにリリィの言う通り魔法は苦手なんだろうな。

 これは人選ミスったかな?


 俺がそう思案していると、リリィはアイリスにトドメの一言を放った。


「それにどうせ魔法を教わるなら強い人がいいしね……。お姉ちゃんは確かに強いし美人でかっこいいけど、スカーレットの方が強そうだもん。リリィ、スカーレットに魔法を教わりたい……!」


 リリィの言葉を聞き、アイリスは段々と表情を曇らせていった。

 そして遂には俯いて何やらブツブツと呟き始めた。


「スカーレットより私の方が上だっつーの……。私は五芒星で吸血鬼の頂点よ……? あんな淫魔なんかに負けるわけがないでしょうが……」


「ん……? お姉ちゃん、何か言った?」


 小声でブツブツと呟くアイリスにリリィはそう問い掛けた。

 するとアイリスは顔を上げ、眉をピクピクと動かし怒りを隠す様に笑ってみせた。

 

「フッ。フフフ……! 私よりあの小娘の方が強いですって……? リリィ、あんたいい度胸してるじゃない……! いいわ……!! 私があんなビッチよりも数段強いってところを見せてあげるわ!!」


 アイリスはそのままの表情でリリィに対して啖呵をきった。

 しかしリリィはそれを受けてもあまりピンと来ていない様子だった。


「小娘……? スカーレットよりお姉ちゃんの方が歳下なんじゃ……。胸ないし……。それにビッチって……えっ!?――――」


 しかしアイリスはお構い無しに話している途中でリリィの腕を強引に引き、ワープゲートを開きどこかへ消えていった。


「あーあ。行っちゃったよ。大丈夫かな……?」


 そして俺はギルドに一人、取り残されてしまった。




ここまで読んで頂きありがとうございますm(_ _)m

これからも本作品をよろしくお願いします!


また、【ブックマーク】と【いいね】と【レビュー】も頂けると嬉しいです( *´꒳`* )


気に入った! もっと読みたい! と思いましたら評価をお願いします!

下の ☆☆☆☆☆ ▷▶ ★★★★★ で評価できます。

最小★1から最大★5です。

★★★★★なんて頂けた日には、筆者のモチベーションがぐぐーんと上がります\( ´ω` )/

是非ともよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ