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のじゃのじゃ転生譚 ~のじゃ語尾チート少女のあんまり冒険しない冒険者生活  作者: 七井
クラムチャウダーを作ったりポーションについて学んだりするのじゃのじゃ少女
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招待客をカウントアップするのじゃ

こんにちは。

連休中ですが無事更新です。

今日もよろしくお願いします。

「あ、マーティエ」

「ミチカさんだ」

 子ども等がわらわに気づいて声を上げておるのじゃ。ミチカと呼んでおるのが冒険者見習いでマーティエと呼んでおるのが勝手に混じっておる街の子ども等のうち神殿の治療に来たものなのじゃ。

 ざわついておるのは警備のものと思われる男衆がうろついておるからなのじゃ。理事等を見て挨拶しては去っていくのじゃが、普段はこんなにはおるまいと思われるのじゃ。

ひるには些か早いがマーティエからの差し入れだ。休憩を入れるから感謝していただくように」

 タンクトップおじさんの宣言に歓声が上がるのじゃ。


「受け取ったり食べたりしながら聴くように! 冒険者協会から来ていない街の子どもも働いて良いのでちゃんと言いに来ること。冒険者見習いの子ども達よりは安くなるが給金も出すからな」

 街の子ども等から驚きと感謝の声が挙がるのじゃ。モロバレであるのに上手に隠れて混じっておる気でおったようじゃからの。

「ありがとうございます、理事様。ありがとうございます、マーティエ」

 いや、タンクトップおじさんは兎も角わらわへの感謝は要らぬのじゃ。

「手を動かせる小さい子がいるなら一緒に連れてきても良いぞ。漁網の繕いの手伝いなんかをやってもらう代わりに飯は食わせてやる。ただ、変なヤクザものや地回りの紐付きは困る。住むとこを世話してもらってるという程度ならこっちで話を聞いてやるから今日の仕事上がりにそれぞれ話をしに来い」

 最後のヤクザものや地回りからの引き剥がしが主眼なのじゃ。


 わらわの倉庫に暮らしておった子どものうち年上の二人もおったのじゃが、その二人はわらわ管理ゆえそのままオルン等の宿に帰ればよいのじゃ。

 しかし他の街の子ども等はやはり寝床が問題である様子なのじゃ。

「最悪漁具の倉庫にでも寝泊まりしてもらいましょう」

 そう言うのは海賊おじさんなのじゃ。

「突風で裏帆を打っておもいっきり帆を裂いてしまった下手がおりましてね、その帆布はあるんで一応は寝床用の布になります」

 遠距離の航海をする船では洋上であらば破れた帆を繕って使うのじゃが、おかに着いたら新しくするそうなのじゃ。強度面の信頼性の問題じゃの。それで破れた帆は近海を航行する船の帆の補修材として港湾協会が引き取るのじゃそうな。

 まあ、寝具としては至極ゴワゴワしてそうなのじゃが風は通さぬし悪うはあらぬのじゃ。


 うむ、クラムチャウダーが美味しすぎて少し騒ぎになってきておるゆえそろそろお暇するのじゃ。

「少し味見しましたが豆でも美味しいですね。私はあの芋のほうが好みですが、臆病者は毒芋と恐れるかも知れませんので豆のほうが一般受けするかも知れません」

「それ以前にジャガ芋が安定して入手できるようにならぬと難しいのじゃ。それはそうとクラムチャウダーは貝が主役ゆえ貝を入手しやすい港湾協会の屋台だか出店だかで出すと言うならルセットを譲るのじゃ。ただで譲ると商業組合の組合長に怒られるゆえ契約を交わす必要はあろうがの」

 わらわがそう言うと理事三人に一気に詰め寄られたのじゃ。怖い、怖いのじゃ。圧が強すぎなのじゃ!

「是非お願いします!」

「うむ、では食事会の日にの!」

 迂闊なことを言うべきにあらぬのじゃ。あー、怖かったのじゃ。

「ミチカって変なとこで自分から大変な目に会いに行くよね」

 モリエの冷静なツッコミが心に刺さるのじゃ。


 クラムチャウダーのルセットについての約束と蛤の殻を細工師の工房へ届けてもらうことをしっかりと確認して出発なのじゃ。

 理事等に見送られて港湾教会を出たのじゃが、わらわ等が徒歩で来ておったことを把握しておったタンクトップおじさん指し回しの馬車でなのじゃ。うむ、最初から馬車で来るべきであったのじゃ。

「リーディン! 海の日には食事会を開くのじゃ!」

「なんじゃ、いきなり」

 と言うわけで神殿に到着してまずは老リーディンから食事会を開く許可をもぎ取るのじゃ。

 内容的に断られるものであらぬゆえ問題はあらぬのじゃが、簡単に食事会と言うには客の人数が多くて呆れられたのじゃ。


 改めて食堂で茶を喫しながらのお話なのじゃ。

 招待客を確定していくとするのじゃ。

 マード等にも出席をお願い、と言いつつ客ではのうて給仕なぞも手伝てつどうてもらうことになるのじゃがの。

 無論ズークさんも呼んでもらうのじゃ。これに港湾協会の三人を加えたものが信徒衆となるのじゃが、一応他にまだ面識のない重要な信徒さんがおらぬかは聞いておくのじゃ。あと数家あるそうなのじゃが、既にうておるもの等の親戚筋で呼ぶまでもないとのことなのじゃ。

 これに修道会の代表としてベルゾを加えたものが神殿組なのじゃ。屋台と遊戯大会に関係しており、孤児問題にもリーディンが準備部会に人を出すと言うておったゆえ員数に数えるのじゃ。


 続いてエインさんと商業組合の組合長と言う商人関係なのじゃ。エインさんは遊戯大会が主で屋台に多少関係しておる程度なのじゃが組合長は大概すべてに関わっておるの。客としては組合長には随行を秘書一名とミルケさんの二名に限らせてもらうよう頼むとするのじゃ。

 ジーダルとギルマス、此奴等は冒険者組なのじゃ。冒険者協会が孤児問題における中心的立場なのじゃ。遊戯大会の手伝いは個々の冒険者の個人活動なのじゃ。

「ギルマスは既に冒険者協会の大会合に出発しておるのかや」

「そうですね。代行業務を行っている居残りの秘書のかたを呼んでおきますか」

 ギルマス代理はそれでよいとして、修道会に働きに来ておるガント以下の冒険者等は修道会のほうで食べられるようにしておくのじゃ。


 あとは今日会う警邏隊のゲノール隊長と北部支隊の支隊長のハンケルも孤児問題に関係して呼ぶべきなのじゃ。ついでに遊戯大会当日の会場警備というか混雑解消のためのスタッフとして使いたいところなのじゃ。

 呼ぶべきはこんなところかの。細かく考えればもっとおるとは思うのじゃが。

「急な招待とはなりますが、商業組合の組合長に相談して私のほうで招待状は送っておきます」

「うむ、頼むのじゃ。わらわが自分で行うより其方に任せたほうが安心で確実なのじゃ」

 わらわがそうベルゾへの信頼を表現したのじゃが、老リーディンは胡散臭そうにわらわを見ておるのじゃ。


「招待状なんぞを人に書かせるようになればなかなかの大物じゃな。そりゃいいとして、ベルゾ殿とガント以下のリーダ見習い達のとこじゃがな」

「ん、なんぞ問題でもあったかや?」

「問題はないの。むしろ無さすぎるくらいじゃわい。ほぼ日参して神殿の手伝いをこなし、しっかり学ぶべきことを学んでおる」

 満足げに老リーディンは頷いておるのじゃが、わらわのほうは要領を得ぬゆえ茶を喫しつつ先を促すのじゃ。

「なんで大分早いが<治癒>の祈祷を教えて正式に祈祷師になってもろうて構わん、儂はそう思うておるぞい」

 で、わらわに伝授したときと違い修道会預かりゆえわらわの裁可なく勝手に教えることはできぬのじゃそうな。

「ありがたい話なのじゃが、ガントとベルゾの人品を保証することは出来ても他のもののことは正直よう分からぬのじゃ。余の者についてはベルゾの判断に委ねるのじゃ」


「ほんにマーティエは理事殿に何でも丸投げにするのう」

「そのほうが確実に機能的なのじゃ。まあベルゾほど便利なものを抱えておる修道会を羨む気持ちは分かるのじゃ」

「なんですかそれは。至極ありがたい評価と申し出なのですが、私はせいぜい<中癒>、私が連れてきたほうの二人はおそらく<軽癒>しか使えませんが」

 ふむ、ベルゾほどいろんなことが出来る男であっても魔力量については思い悩むのじゃな。

「<軽癒>の使える祈祷師がおるだけで大分変わるわい。というかの、マーティエを基準にものを考えてはならぬぞ」

「はい、それは重々承知、いえ、そうですね。承知しているつもりだったのですがどこか引っ張られていた部分があったようです。ありがとうございます」

 ちょっぴり釈然とせぬ部分もあるのじゃが、流石リーディンなのじゃ。


「で、そっちはええとして、別にもう一つ相談があるのじゃわい。ガントについてなんじゃがの」

 ふむ、いったい何であろうかの。ガントの妹である双子等とともに小首を傾げるのじゃ。


お読み頂きありがとうございました。

皆さま、良い連休を!

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