ロリ巨乳の悪戯(1)
◇◇◇
都内の駅前にて――。
旅行の予定が決まってから1週間後の8月1週目金曜日の夜7時――。
月は8月になり一層暑さが増して歩くだけ汗が流れてくる。しかも時間帯と曜日のせいか人通りも多い。
「はぁ、テンチョー、今日の現場は暇すぎだったぜ……」
「だな……俺たちって意外と頑張ってたんだな」
今夏休み中のためいつもの学食が休みなので、俺と三沢は別現場のヘルプに行っていた。ヘルプ先は大手ゼネコンの社員食堂で設備も最新で、さらには従業員の数も多かった。食数はうちの現場と変わらない400食ぐらいだが、15人ほどいた。
まあ、あっちは営業しているだけでもらえる資金、管理費とかもらってるらしいからうちとは事情が違うんだけどな。
「羨ましい……15人ってなんだよ。うちの3倍以上じゃねぇか。サボり放題じゃねぇか……」
「そうか? あたしは今ぐらい忙しい方がやりがいがあっていいけどな」
こいつ正気か? 暇なら暇の方がいいじゃねぇか……まあ、暇すぎると落ち着かなくて永遠と掃除をしてしまうけど。
社畜根性は社畜ではなくなってもなおらないのか……。
「な、なんかテンチョーが落ち込んでるぜ……な、なあ飲みに行こうぜ! 昼から食ってないからさすが腹減ったぜ!」
「そうだな……」
ま、まあいい! 俺はもう自由だ! 金曜の夜、花金だ!
最近三沢と2人で飲みに行くのは娘たちに怒られなくなったしな。まあ、ここに由衣がいたら無理やり参加しようとするけど……。
ちなみに今日由衣と新井は別現場に行っている。
行く前の会ったが……。2人は色彩を失った瞳で俺を見つめて――。
『兄貴以外の現場とか気がのらねぇっす。そこの現場しめてもいいっすか?』
『…………はぁ。ヘルプですか……はぁ』
あいつら問題起こしてないよな……? 理由はわからんが、なんかダークサイドに落ちたみたいだったけど。
……う、うん考えないようにしよう。
「よ、よし、それじゃあどこに行く?」
「いつもの焼き鳥屋でいいんじゃないか? テンチョーあそこ好きだろ?」
「そうだな……いいかもしれない。それじゃあ娘に連絡してくるわ」
俺がスマホを取り出し、電話をかけようとすると――。
『おにぃ……?』
不意に後ろから話しかけられる――。
俺を兄と呼ぶのは可愛い妹だ。
「ああ、アヤメか? 偶然だな。これから三沢と飲みに行くんだけどお前も……」
そんなことを言いながら振り向くとそこには――。
如月ぐらい小さい140センチほどの女が立っていた。女はスーツ姿だが、顔がかなり童顔なのでスーツに着せられている感がすごい。
そんな幼児的な見た目なのに胸だけは不自然に大きい……。
そして……俺はそんなロリ巨乳に見覚えがある。
「は、『晴香』? な、何でここにいるんだ?」
「わああ! すっごい久しぶりなのによくわかったね! 2年振りぐらいだよ!?」
い、嫌だってお前全然顔変わってないし……お前は不老の人か。胸は大きくなってるけど……。
(いや……懐かしんだけど……会えてうれしい感じはあるんだけど……で、でも……)
それは魂の妹アヤメとは別物の、歳の離れた『戸籍上の妹』だ。こ、こいつ遥々地方から何し来たんだ?
「よかったぁ! 入れ違いにならなくて! 互いに言いたいことがあると思うんだけど、1ついい?」
「…………お、おう」
無邪気なほほ笑みを向けてくる晴香。とてもではないが21歳には見えない……。
「アヤメって誰? おにぃの妹って私だけだよね? それにそこのかっこいいお姉さんはお兄ちゃんの彼女?」
「おっ! テンチョーの妹か!? 可愛いじゃねぇか! あたしは彼女じゃねぇぜ」
「そうなんですかぁ? 一週周っておにぃとお似合いな気がしたんだけどなぁ」
仲良く喋る妹と同僚。
三沢はいきなりことで多少動揺しているようだが、すぐに晴香の存在を受け入れたようだ。適応力たけぇ……。
それで晴香は、ちらっと俺のことを見て「小悪魔の尻尾が生えてるんじゃないか?」と、錯覚するぐらい悪戯っぽい表情に変わる。
「…………」
こいつ昔から俺のことをからかうの大好きだからな……今の状況だけでもかなり厄介なんだけど……い、いやそれよりも『大問題』がある。
「…………」
自業自得と言われたら何も言えないし、完全に天下無敵に俺のせいなのは自覚しているのだが……俺、娘たちのこと実家に伝えてないんだけど。
(神様……俺はど、どうしましょうか……)
と、無神論者の俺でも神にすがりたくなった。




