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現代の忍ギルドは忍ばない  作者: 江山彰
序章
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序章

   序章



 影に生きる者――乱破(らっぱ)水破(すっぱ)くさ物見(ものみ)軒猿(のぎざる)など地方や流派によって様々な呼び名や名称があるが、それらをまとめ一文字で表すなら『(しのび)』以外にないだろう。


 忍――それは影に忍び複雑怪奇な術を行使する者たち。


 戦国時代においてその優れた身体能力と忍術で様々な場面で活躍した。現代に名を残す戦国武将で忍を使わなかった者はいないとさえ言われている。


 忍術――それは至高の獣より授かった至高の御業。


 忍一族にはそれぞれに崇拝する至高の獣が存在し、獣が忍の長と認めた者に神通力を授けてくれる。長は授かった力を一族に分け与え、鍛え抜かれた忍が己の精神力と神通力を混ぜ合わせて使用するのが忍術である。

 木火土金水、万物すべてを自在に操りさまざまな現象を引き起こす。火を起こすなど容易い事、天候を操り嵐を巻き起こす。変化の術にもたけており術巧者の変化は身内すら見破ることができなかったと伝えられている。


 戦国時代――その比類なき力で、戦という戦で活躍した忍たちであったのだが。


 現代――日本国内の戦が無くなって数百年、忍の力を必要とする場面は少なくなり、忍への依頼方法を知っていた大名の家系もその方法を忘れ去っていた。


 つまり現代において忍家業は閑古鳥で火の車。


 正直な話し依頼がこない、依頼方法さえ知られていない現状。数多あった忍集団も現代の荒波に飲み込まれその数を減らしていった。


 そして現代に残る数少ない忍集団、狗賀(いが)狐賀(こうが)も至高の獣より認められ神通力を授かれる者がおらず滅びの危機に直面していた。


 しかし、偶然にも一人の少年が至高の獣に認められた。それも狗賀と狐賀、両方の至高の獣から、両忍一族は一族滅亡の危機を救ってほしいと少年に新たな長になってくれと懇願する。


 修行など一切したことのない少年は至高の獣から神通力を授かっても、忍術などを制御する力は持たないが、少年の許可さえあれば、その配下の者はすべて神通力が流れ込み忍術を施行できる。


 だから忍びたちは頼む、自分たちの長になってくれと。少年はその願いを心よく承諾した。


 忍たちは恩義ある少年に忠義を誓い、命尽きるまで仕えること決めた。


 こうして少年、伊古代(いこだい)雷丸(らいまる)は狗賀、狐賀、二つの忍集団の長となった。


 そして長になったからには、学生であっても赤字経営となった忍家業の復活に全力を注ぎだす。


 ただ一つだけ雷丸個人には問題があった、それは、新たな長となった少年、伊古代雷丸は、忍者が活躍する和風時代劇より――




 ――剣と魔法の異世界ファンタジーの方が大好きであったのである。


 これは忍の長となった少年が配下の忍娘の忍術を使い現代社会の中で異世界冒険を繰り広げる物語である。


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