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97/100

<97> ゆとり

 バタバタと生きるのではなく、ゆとりを持って人生は謳歌したいものだ。とはいえ、現実の社会でゆとりが持てるのは家庭内だけのようです。^^

 町役場に勤める庭戸はいつもバタバタしていて、ゆとりがない一職員だった。バタバタする割には間違いが多く、今日も課長の雉尾(きじお)に呼び出されていた。

「また間違っていたぞ、庭戸君。どうすりゃ、そんなに間違えられるんだぁ~?」

 嫌味たっぷりに雉尾は庭戸を(うかが)った。

「どうと言われましても…」

「バタバタするのはいいんだ。だが、間違ってもらっちゃ困る…」

「はあ…」

「もう少し、仕事にゆとりをもってやりゃいいじゃないか」

「はあ…」

「君だけを責めてる訳じゃないが、ははは…決算議会前だから困りますなぁ~」

 雉尾はジワジワと庭戸を柔らかく甚振(いたぶ)る。

「すみません…」

「君の決算審査報告書だが、事前に鳩川君に確認しておいてもらってよかったよ…」

「はあ…」

「危ないとこだった。急がないから、君の場合はゆとりをもってやりなさい」

「はいっ!」

 それ以降、庭戸はゆとりをもって仕事に励むようにしている。だが、相変わらず間違いが多く、どうしようもない。^^

 ゆとりをもって人生に臨んだとしても、間違うものは間違えます。個人の力量だけは誰にも修正出来ないようです。^^


                  完

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