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<88> 勝ち負け

 人生では自ずと勝ち負けが出現する。勝ち組、負け組などと呼ばれるが、私は勝っても負けてもどちらでもいいから、のんびりと世の中を(はす)に見ながら暮らしたい一人だ。せいぜい長生きしても高だか百年ばかりの人生なら、楽な気分で勝ち負けに(こだわ)らず暮らせた方がいいように思える。あなたは、どうお思いですか?^^

 とある普通家庭である。主人は顔を真っ赤にして高校野球の観戦に余念がない。

「くそっ! とうとう負けたか…。なぜ勝てないっ!」

 主人は贔屓(ひいき)していた高校が負けたことを、さも自分が監督にでもなったような気分で(くや)しがる。

「冷えたスイカ、食べるぅ~~」

 そのとき、キッチンから妻の甘~い声が飛んできた。

「食うに決まってるだろうがっ!!」

 主人は腹立たしいやら忌々(いまいま)しい気分で返し、まだ悔しがっている。よくよく考えれば、2チームから1チームが勝ち上がる訳だから、勝ち負けの確率は50%、50%と同じなのだ。抽選で(くじ)に当たるのとは全然違う訳である。^^ だから、そう腹立たしくならず、忌々しく思うほどのことでもない訳だ。まして、自分には全く関係しない出来事なのである。^^

 その後、主人は冷えたスイカで(のど)を潤したお蔭で応援していたチームが負けたことをすっかり忘れてしまっていた。

 人生は勝ち負けに関係なく進んでいます。それにしても、こんな些細なことで怒れるのは平和な証拠ですから、勝ち負けに拘らず、有り難く暮らしましょう。^^


                  完

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