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<81> 分水嶺

 どんな人の人生にも必ず分水嶺がある。分水嶺とはその後の人生を左右する大きな分かれ道だが、それを決めるのは他でもなく自分自身なのだから、とやかく文句は言えない。その決定が正しかろうと間違っていようと本人の責任なのだから、どぉ~~しようもありません。^^

 二人の棋士が棋院会館の一室でアァ~~でもないコォ~~でもない…と、幽霊の間で行われている棋戦の検討をしている。一人は形丘九段で、超有名とまではいかないがそれなりに有名な囲碁棋士である。もう一方の泡治九段もそれなりに有名な囲碁棋士として名声を馳せている。

「コレはコウなりますから(こう)でが発生します…」

「ええ…」

 訊ねられた一方の棋士は、それにしても暑いな…と思いながら扇子をパタパタと煽った。落雷による停電で空調が止まった状態で、室内はすでに30℃を超えている。

「仕掛けるか仕掛けないか、ここが分水嶺ですか…」

「ええ…。それにしても、暑いですな…」

 そんな大仰な劫でもないでしょう…と一方の棋士は思ったが、そうとも言えず、半暈しにして話を変えた。

「ええ…。停電ですから当然、暑くなるとしたものです…」

「ええ…」

 室内が停電で暑くなると、停電が復帰するか復帰しないかが分水嶺になるようです。^^


                  完

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