天乃、ホラー映画を見る。
天乃はー
ベッドに横たわり頬杖をつきながら考えていた。
「未来を予言出来るのなら…。」
確かに、未来を予言出来たとしたのならー
浦野の眼が潰れているのも知ってるだろうし…。
薬も用意出来る…。
「うーん。もう神様って事で良くない?」
よし。決めた。深く考えないようにしよう。
天乃はリモコンに手を伸ばしー
テレビの電源を入れる。
「おっ。これはまさか?」
テレビには外国の映画が映っていた。
どうやらホラー映画のようである。
「あれか?エクソシスト系か??」
天乃の瞳がキラキラと輝いていく。
「悪魔は名前を知られると弱くなるのだっけか?」
独り言が唇から零れた。
テレビの中ではー
映画がクライマックスに差し掛かっていた。
「よし。いけ。そこだぁー。おういえー。」
天乃は子供の様にはしゃいでいる。
【悪魔払いの儀式によりー
悪魔は生き続けられなかった。】
日本語の字幕が下画面に並べられていく。
「あっ。なるほど…。」
天乃は微笑んでいる。
「そういうことね…。」
ー悪魔は生き続けられなかった。
そうだよ。ラプラスの悪魔は死んだんだ。
生き続けられなかったのだよ。
指で空間に文字を刻む。
「悪魔は生き続けられなかった…。ってことか。」
天乃はー
ふんふふーん。と言葉を紡ぐ。
「悪魔が生き続けられなかったから…。未来が分かったのね…。」
天乃は、真顔になるとー
「悪意の塊じゃないか。」
と呟いた。




