第16話「奴隷としての不安」
第16話「奴隷としての不安」
俺は考えながら結界を張る。それを見ていたキャロがまたもや不思議な顔をする。
【昨日から疑問に思っていたのですがご主人は詠唱をしないでも魔法やスキルが使えるのですか?】
【そうだね。】
キャロは驚き口を半分開けて固まっている。
【キャロ大丈夫か?】キャロがハッとする。
【詠唱なしで魔法やスキルが使える何て聞いた事が有りません。詠唱短縮は聞いた事は有りますがそれだって出来るのはほんの一部の優秀の方だけだと・・・。】
そうなのか。うーん・・・・でも2人に隠しても、いずればれた事だろうしまいっか。エルートに何も言われなかったから普通の事だと思っていたが、エルートは本の知識しかないから、分からなかったのかもしれない。それかエルートが何も聞かずにいてくれたのだろうか。
【俺は普通と違うから】
キャロの頭をなでる。納得できるはずないよな、エルートもこちっを見ている。だけど今はこれ以上教えられない。エルートに最初に聞いたのであろうが、エルートでは答えられなくて、俺に直接聞いてきた。エルートも俺とキャロの会話を聞いてエルートが俺の近くまでやって来る。
【ご主人様お願いがあります。奴隷の身分で厚かましいお願いですが、私に他の初級魔法を教えて頂けませんでしょうか。出来れば無詠唱もお願いしたいです。】
エルートが突然真剣な顔で言ってくる。キャロもそれに続く
【あたしにもスキルと無詠唱教えて欲しいです。】
洞窟を抜ける間に俺は、今使える魔法とスキルの確認のために色々使ったから、それがまずかったか。
【2人はそんなに覚える事はないんじゃないのか?】
覚えて自己防衛力が高くなる事はいいかもしれないが変に自信をつけて無理されて大怪我や最悪死なれたら魔法やスキルを教えた俺は自分を許せないだろう。
エルートは力ずよく一歩踏み出して真剣だ。
【私はご主人様の奴隷です。ご主人様を守るのも奴隷の役目なのです。今の私は逆にご主人様に守られてばかりで何も出来ていません。ご主人様が普通の考えの持ち主ではない事は承知しておりますが、少しでもいいので、お力になりたいです。そうでなければ私達は・・。】
瞳に涙を溜めて必死に訴えて俯いてしまう。キャロもそれに同意らしくキャロも俺に近づきを真剣だ。
【ご主人は普通と違うとエルートさんから聞いていましたが。このままではあたし達は要らない奴隷になってしまいます。ご主人に捨てられてしまいます・・。】
キャロも涙いっぱいに今にも泣きそうだ。
キャロは昨日からの戦闘を見てそう判断したのだろうか。ならエルートはもっと前から何か出来る事はないかと必死だったのかもしれない。俺は2人を守る事ばかり考えて2人の気持ちに気がついてあげれなかった。数日でキャロが不安を覚えたのならエルートは・・・。と考えると。俺には想像も出来ないくらい不安であっただろう。目の前に居る2人を抱きしめる。
【俺から2人を捨てる事なんて絶対にない!これは約束する、だから安心して欲しい。2人を不安にしてしまってすまない。戦闘で無理をしないと約束出来るなら2人に色々教えるのはかまわない。】
俺の言葉を信じて安心してくれたのか2人は俺の胸で頷き、泣いている。俺は2人の頭を優しくなでた。こんなにも不安にさせてしまっていたのか。
エルートが顔を上げるとキャロも顔を上げる、まだ2人は涙が頬を伝って居たが
【約束します。】
そう言うとまた二人は顔を下げ俺の胸で泣いている。しばらくはその状態で俺は2人が泣き止むまで頭をなでていた。
しばらくして泣き止んだ2人と食事をする。
さて問題はここからだ!どうエルートを言いくるめるか・・。
【2人共、先に寝てくれ火の番は俺がする。】
まずは先手を打つ!エルートがこちらを向く
【いいえ。最初にご主人様がおやすみになって下さい。奴隷が先に休むだなんてありえません。】
キャロも頷く。2対1かぁ!俺を先に寝かせて起こさないつもりだろうが、そうはいかない。
【2人が先に寝てくれるなら今俺が膝枕をする】
2人が動揺する。自分にとっても拷問だが2人の疲れを取るのが優先。不安にさせて泣かせてしまったしな。
【私達が先に少しでも寝てる間はその・・。寝てる間は膝枕してくれるのでしょうか?】
動揺を隠せないエルートが聞いてくる。少し頬を赤くし可愛い。キャロも嬉しい反面照れている。
【勿論!】
【今回だけならいいですよ。ねぇキャロ?】
エルートがキャロに同意を求める。キャロは頷く。今回はうまくいった!
2人が寝たらもちろん起こす気はない。エルートはどうやってかいつも起きてしまうので魔法で寝かせ続けよう、ついでにキャロも。魔物には効くと思うが大丈夫だよな。エルートにはこの魔法は教えないでおこう。
話していてすっかりご飯が遅くなってしまったが、エルートにはスープを作って貰い、キャロと俺は周辺の探索がてら枯れ枝を集める、盗賊の残党に見つかって奇襲でもかけられたら大変なのでトラップ魔法を仕掛ける。昨日はすっかり忘れてた。運よく何事もなかったからいいようなものの・・。反省しよう。
キャロと戻る頃にはスープも出来ていたので途中キャロが見つけた果物と干し肉を3人で食べる。
食べてる時にさっき約束した事について話す。
【2人に色々教えるのはいいが、街に入って落ち着いてからでも構わないか?】
2人は返事をする。エルートは少し悩んでいるみたいだった。
【ですが、ご主人様。街だと人が多いので、あまり良いとは思えません。】
エルートはどうしたもんかと考えている、聞いたキャロも悩んでいる。
この世界ではレベルアップで魔法やスキルを覚えるのではない。かと言って魔法やスキルを知っているからと言ってすぐに使えるわけでもない。
【今考えても分からないから、街に着いたらいい方法を3人で考えよう】
【分かりました。】2人が返事をする。
途中だった食事をすませて2人が寝袋に入り俺の右側からエルート、左にキャロ2人が仰向けに寝て、俺が2人を見下ろす感じになっている。
2人の頭を撫でながら魔法を使い眠らせる。エルートには気がつかれるんじゃないと、ドキドキしたが大丈夫みたいだった。きっと・・。
2人が寝て可愛い美少女の寝顔を見ていた。そしてまたもや試練が訪れる!
この寝袋は旅用なのだからなのか、すぐ起き上がれるように胸の位置は空いている。普通の寝袋の前のお腹から上を取った感じだ。そしてエルートは前に店で買ったセクシーな上着、キャロは盗賊に捕まっていた時の生地の薄い服、寝袋に入った2人を上から見ただけでここまで破壊力があるとは・・。
魔法を使ってるから触っても気がつかれる事はないだろう・・。だがしかし!俺の中で何かが戦う!




