第11話「洞窟」
第11話「洞窟」
目覚めると何だか柔らかく、温かい・・・・。
またか!と思い急いでその場から避けて起き上がる。エルートと目が合う、俺はまたやってしまったのか!
【おはようございます】
【おはよう】
エルートは怒ってはいないみたいだ。朝の挨拶をするとエルートが食事を持って来てくれるとの事で取りに部屋から出る。
その間に俺は管理者の力を使って防御系の魔法を調べておく、街まではそこまで遠くはないがエルートの身になんかあったら大変だ用心はしておかないと。
エルートが朝食を持って戻って来る、一緒に食べて買い忘れなどないか確認し宿屋を出発する。今回は干し肉、寝袋など思いつく限りの物は買ったので野宿もそこまで辛くはないだろう。
町を出る前にエルートにこの辺の地図を渡しておく、もしもはぐれた時に困らないようにだ。
次の街までは2日程度で途中洞窟を抜けないといけないらしい。町の出入り口付近でエルート一緒に昨日買った装備を出し身に着けた。
朝から歩いて途中休憩を取りエルートに無理をさせないように進んで行くと昼過ぎくらいには洞窟の入り口前に着いた。洞窟の中に入ると真っ暗ではなく壁に光るコケのようなのがあり結構明るかった。
先に進んで行くと一瞬前に何かが居るのが見えた。同じ旅の人かと思ったが何やら挙動が不自然だ。魔物か?。
【前に何かが居るから止まって。】
【魔物ですか?】
エルートが杖を構える。エルートをその場に待機させ、人影にも見えたが魔物かもしれないのでゆっくり近ずく。岩に隠れて見ていると人だった。
見た事の有る服装、エルフの里を襲っていた盗賊の一味だった。盗賊は周りに誰も居ない事を確認すると壁をいじり扉が開き中に入って行った。盗賊が中に入ると壁が元にもどる。
俺は盗賊がいじっていた辺りを調べるとつまみを発見する。これをいじると扉が開くのだろう!
一旦エルートの所に戻る。
【エルフの里を襲った盗賊が居た。隠し扉の中に入って行ったから会う事はないと思う。】
【それは良かったです。もしか・・・。】
何か言いかけて辞める。何か考えているようだ。
【盗賊討伐に行かれるのでしょうか?】
【そのつもりはないよ】
ホッとするエルート。そんな危険な所にエルートを連れて行きたくはないし先に街に行きたい。
話して居ると突然背後から殴られ気を失ってしまった。
目が覚めると牢屋の中にエルートともう1人エルートにも劣らない美少女っぽい子が居た。エルートが心配そうにこちらを見る。
【ご主人様大丈夫ですか?】
【何があった?エルートは大丈夫か?】
【私は大丈夫です。どうやら盗賊に捕まったようです。】
あの時確かにエルート話していたが後ろを注意してなかった訳ではない。盗賊があの扉から出て来る可能性も有ったし、魔物の存在だってある。なのにどうして気がつかなかったのか。
管理者の力を使って周りに何人居るか調べてみる。エルフの里と町で軽い実験をしていた。一定の範囲に居る人の情報が見える、大雑把に分かる程度だが相手の人数を調べるのはこれくらいでいい。1人の情報を詳しく見るには相手に触れないと駄目だ、エルートが寝ている時にこっそり触れて確認した。勿論触れたのはホッペだ!!
【エルートその子は?】
【キャロさんです。】
その子は下を向き絶望しきった顔で目が死んでいるようにも見えた。俺はその子に毛虫のように動き近くに行く。これは!やはり美少女!エルートが綺麗系ならこの子は可愛い系しかもかなり可愛い!それに犬耳?犬族なのだろうか?純白耳が可愛い。
【大丈夫?】
キャロに聞いて見たが返事がない。俺はエルートの方を見た。
【私にもさっきやっと名前を教えてくれたのですよ。】
エルートが苦労して聞けたのが名前だけか。
【エルートここから逃げるぞ。キャロも一緒に逃げよう。】
エルートが頷く。キャロは何か小声で何か言っている。顔の方に耳をやって少し聞き取れた。
【無理】
【無理じゃないよ!必ずエルートもキャロも無事にここから一緒に逃げようね】
キャロが顔を上げ頭を横に振る。ここから逃げたくはないのだろうか。
【ここに残りたいの?】
【両親とみんなの敵を取るんだ。】
そう言ったキャロの目は先ほどの死んだ目ではなく目に力がこもっていた。それに何度か牢屋から出て復讐を試みたが見つかっては殴られ牢屋に戻されたと話してくれた。奴隷商に売られる事になっているらしく顔に傷1つないがお腹や背中に酷いアザができてるとの事。
キャロと話していると盗賊の親分らしき人物が牢屋の前に数人の部下を連れやって来る。
【親分こいつがエルフの里で邪魔したやつです。なぜさっさと殺さないんですか?】
【簡単に殺したらつまらないだろう。俺達の奴隷にでもして死ぬまで働かせるのもいいかもな。そっちのエルフの女は一緒に奴隷商に売ればかなりの金になるはずだ!】
エルフの里での生き残りいたのか、俺は斬られて他の盗賊を倒せなかったから生き残りがいたのだろう。親分がこっちを睨んている。何をするでも言うでもなく、盗賊の親分は部下と共に牢屋の前から去って行った。
【エルート俺はどのくらい気絶していた?】
【そんなに2~3時間くらいだと思います。】
昼過ぎくらいに洞窟の前に着いたから今の時間は大体夕方過ぎくらいだろうか。それにしても普通見張りくらい居るだろうが見張りはいない周りにも誰も居ない。好都合だ!
【キャロこれから俺達はここから出る。キャロも助ける。】
キャロの反応は薄い、どうせ無理だと思ってるのだろう。両親やみんなの敵を取りたいが1人で盗賊何人も相手に今の自分ではどうしようもないと分かっているのだろ。それにキャロには逃げるという選択肢はなさそうだし。
キャロがあまりにも反応がなかったので俺はいたずら心でキャロの純白の可愛い犬耳にハムっと甘噛みしてやった。キャロはビクッとしてこっちを睨んいる。
【怒ってても可愛いね。でも笑顔ならもっと可愛いからその笑顔見るために必ず助けてあげるからね。約束だ!】
キャロはほんのり頬が赤くなってもう睨んではなかった。エルートの方に振り向くと不機嫌そうにこちらを見ていた。最初に会った時よりは表情も少し和らいでいた様に見えた。少しは気を紛らわせてあげれたかな。




