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ガルドフェルト帝国戦記  作者: やしき丸
第二章 ザカルシュとの戦い編

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ジルカの決戦

シェシュナ砦から出発する時に、俺は軍を3つに分けた。

俺が率いる本隊と別動隊。それにシェシュナの守備兵だ。


シェシュナに守備兵を残したのは、ここを空っぽにしたまま侵攻を続けるわけには行かなかったからだ。

帝国軍がいなくなった後にまた取られてしまっては意味がないからな。


シェシュナを出発した俺は、ザカルシュの首都ジルカを目指して進軍して行った。

道中邪魔が入るようなこともなく、明日にはジルカに到着するだろう、そんな時に前方に敵軍発見の伝令が。


かなりの数がいるようで、恐らくザカルシュ軍の本隊だろうと思われた。

ザカルシュはロレアーノ王国のような籠城を選ばなかったのだ。


野戦で俺達を破るしか、自分達が生き残る道はないと判断したんだろう。



俺はザカルシュ軍から少し離れた所に軍を展開した。

兵数は見た感じ同数と言ったところ。


問題ない。


俺は部隊長達に待機を命じた。

向こうから仕掛けてくることを警戒しながらの待機命令だ。


こちらからは仕掛けない。

仕掛ける必要がない。


初日は睨み合いだけで終わり、ザカルシュが夜戦を仕掛けてくることもなく終わった。




翌日。

まだどちらも本格的には動かない。


たまに矢が飛んでくることもあったが、全く届かずに地面に落ちる。


これは挑発だ。向こうはこちらが攻めて来るのを待っている。

乗ってやる必要はない。


俺は待っている。

必ず()がやってくる。その時を待つだけだ。




三日が過ぎ、依然として睨み合いが続いている。


ここに来てザカルシュ軍の数が少し増えた。

援軍が到着したのだろう。


だが関係ない。

むしろ今合流してくれるなら大歓迎だ。




そしてその翌日。

ついにザカルシュ軍が動いた。


数で優位に立ったと判断したのだろう。

ザカルシュ軍は陣形を整え、突撃の構えを見せた。


「敵軍が当たって来るぞ!防御を固めろ!崩れるなよ!」


俺は軍に防御を命じた。



ザカルシュ軍が動いた。

『ワアアア!!!』と言う声を挙げながらザカルシュ軍がこちらに突っ込んでくる。


帝国軍うちは矢と魔法で迎え撃ち、敵軍の前列がバタバタと倒れる。


だがザカルシュ軍は止まらない。そのまま突っ込んできて――



帝国軍と衝突した。


「崩されるな!押し返せ!」


俺は声を張り上げて態勢を崩されないように兵を鼓舞した。


事前に防御を指示していたこともあり、精強な帝国軍は崩されることなく耐えている。




やるなら今だ。




「合図を送れ!」


俺は伝令に指示を送る。

伝令がすぐに狼煙を上げる。


俺の眼前では激しい攻防が繰り広げられている。

押し込むザカルシュ軍と踏ん張る帝国軍。


戦場慣れした帝国軍の防御を、ザカルシュ軍は崩せない。


しかしザカルシュ軍は退かない。

ここで負ける事はザカルシュの滅亡を意味するからだ。


戦況は膠着している。

しかし終わりは突然やってきた。



戦場の北から、突如()()()()()()()のだ。



現れた帝国軍はその勢いのままにザカルシュ軍の横腹に突撃した。

ベルントが先頭に立ってザカルシュに突っ込んで大暴れする。


態勢が崩れたところにエルザを筆頭に帝国軍が突撃する。


こうなればザカルシュ軍は攻めるどころではない。


「今だ!攻めに転じるぞ!押し返せ!」


俺の号令で帝国軍が一斉に攻めに転じた。

これまで防戦を強いられた鬱憤を晴らかのすように、帝国軍はザカルシュ軍に猛然と攻めかかった。


前と横から挟まれ、態勢も崩されたザカルシュ軍は立て直す間もなく潰走した。



ジルカに逃げ込んだ敵兵を深追いはせず、俺は帝国軍にジルカの包囲を命じた。

そしてジルカに立て籠もっているザカルシュ軍に、使者を出したのだった。

もちろん降伏を勧めるためである。



今回使った策は難しいものではない。

シェシュカ砦を出発する時に軍を分けて編成した別動隊を、大きく迂回させてこの戦場に合流させただけ。合流するタイミングは狼煙で伝える事を決めてあった。


ザカルシュが野戦での決戦を挑んでくるだろうと読んでの采配だった。


籠城を選んでいたら、その時はルオーレの再来になっていただろう。

俺は間引きなんてしないのできちんと落とすけど。



別動隊はローゼンベルク侯爵の領軍をそのまま使った。

指揮はもちろんローゼンベルク侯爵。

ベルントとエルザを別動隊に組み込んだのは、別動隊の突破力を最大化するためだ。

横から強く当たって敵軍の態勢を崩せば、立て直す暇を与える事なく崩しきることができる。


防御に専念する本隊にベルントとエルザを配置するのは、もったいなかったしな。



「わがままを聞いていただきありがとうございます。ローゼンベルク侯爵」


使者が戻ってくるまでの間にローゼンベルク侯爵にお礼を言っておく。

合流するタイミングも完璧だったし、ベルントとエルザの使い方も良かった。

さすがの統率力だ。


「私は合図に合わせて軍を進めただけにすぎん。これは卿の手柄だ。もっと誇りなさい」


侯爵に(たしな)められてしまった。


「あまり自分の功を誇るのには慣れていないのです……」


「謙遜も過ぎれば時に嫌味に映る時もある。誇るべき時には誇るべきだ」


「心がけます」


侯爵とそんな会話をしている内に使者が戻って来た。



ザカルシュは降伏を受け入れた。



「素直に受け入れてくれて助かりました」


「そうだな。ザカルシュの他の領主も従いやすくなるだろう」



ザカルシュが降伏を受け入れた事で、ロレアーノ王国攻めから始まった長い戦いにもようやく終わりが見えて来た。


俺はエルザとベルントを引き連れ、ローゼンベルク侯爵とともにジルカに入って行った。ザカルシュの領主達に恭順を促す書状を出させなければならない。


それが終わったら帝国に戻って後始末だ。


結末はもう見えてきているが、最後まで気を抜けないな。


ここまでお読みいただきましてありがとうございます

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