24.ろくべぇ、食べたか
実音と海と大護と東が、うどん屋で食事をした時のお話。
実音:子供たち全員陸さんに預けちゃったけど、ひとりで平気かなぁ。海のお母さんたち出かけてるし……。
海:大丈夫だって。みんな懐いとるもん。
東:あの人、精神年齢低いから。
大護:体力もあるしな。
実音:でも、ご飯の用意とか……。
海:うちの子たち、常にポッケの中食べ物入れとるよ。今頃、陸に七輪でかんころ餅焼いてもらっとるって。
実音:それならいいけど……。そっちの四人は活発だし、また怪我してそう。
海:怪我? ……あー、あんなの怪我に含まんよ。つ(かさぶた)だらけなんて、子供にとっちゃ普通ね。
実音:そうかな?
大護:俺、陸に何度も危険なことさせられたぞ。
海:そうだっけ?
陸:さすがに大人だし、小さい子には手加減するだろ?
海:……それはどうかなぁ。ま、小さい子の世話するよう、うちのお兄ちゃんたちにも言ってあるけんね。心配いらんよ。それより、おかわりしよっかなぁ。
大護:大盛り頼んだやろ。もう食べ終わったんか。
海:うん。足りん。
大護:もっとゆっくり噛めって。
東:俺の食べる?
海:うん! ありがと、パパ!
大護:おい、東。こいつに甘すぎるっていつも言っとるやろ。
東:食欲があるのはいいことだから。
大護:はぁ。
実音:大護君。お揚げ半分いる?
海:いる!
大護:お前じゃなか! ……ありがとな。この前食べに行ったのと比べてどう?
実音:どっちも好き。
大護:そうか。俺とどっちが?
実音:もう! 聞かなくてもわかるでしょ。
大護:だよな。
海:……おふたりさん、ここでイチャイチャせんでくれる?
東:どっか行ってきたの?
実音:対馬の方にね。そこにも「ろくべぇ」あるから。
海:どんだけ好きなの!? あ、そういえば、フッチーのこと聞いた?
大護:あいつ、今度は何やらかした?
東:誰?
大護:お前らの披露宴でネタやっとったやつ。ほら、思いっきりすべってた。
東:あー。会社の社長のモノマネした芸人か。
実音:海と村里さんと奈也ちゃんだけ大笑いしてたよね。で、何したの?
海:Kamariaが、自分のモノマネしとるフッチーの動画をSNSで紹介したのは知っとるよね? それで、アメリカのオーディション番組に出ることになったんよ。
実音:すごいじゃん!
海:で、フッチーね、空港じゃなくて島原港に行っちゃったんだって。
東:なんで?
海:フッチーが言うには、「日本は島国なんだよ?」だって。
大護:それ、理由になっとらんよ。
海:で、一回アメリカ行きがダメになってね、次はマネージャーが家から空港まで連れていったんよ。そしたら、フッチーがパスポートとして高校の生徒手帳出したんだって。そもそもパスポート持っとらんかったみたい。
東:……理解できない。
実音:マネージャーさんって大変だね。野田君にうちの会社のイメージモデルやってもらった時も、法村さんやつれてたもん。
海:実音のところでフッチー使ってあげなよ。
実音:んー、社長のOK出ないと思うなぁ。……あ。一丸君ならお願いしてるよ。
大護:あいつ、日本に帰ってくるんだっけ?
実音:うん。
東:誰?
大護:バスケ部に誘ってきただろ? うちの高校のスーパースターだよ。
東:そんなのいたっけ?
大護:お前、他人に興味なさすぎ。
海:一丸が帰ってくるってことは、はやみんもだよね! やったー! みんなで集まろうよ!
実音:そうだね。前に大三東のOB会で楽団作るって話も出てたし、何かできるといいよね。あと現役の子たちからも、私たちくらいの代とも交流したいって言われてたの。
海:え、楽しそう!
東:いいんじゃない? 子供たちのことは俺に任せて、たまには学生の頃みたいに楽しんできなよ。
海:パパが最高すぎる!
大護:俺だって、実音が羽伸ばす日くらいいくらでも作れるぞ!
実音:ふふふ。ありがとう。
海:まーた、イチャイチャが始まったよ。……ねぇ、万十食べたか。実音たちもいっとな(いる)?
実音:うん。あ、子供たちにもお土産に買っておこっと。




