お礼作り……で終わる訳がない
くるりと回して「イッヒッヒ」と、気分はアトリエ? もしくは練るお菓子作り? うんまぁ、全力で錬金鍋をつかってネタプレイ中。
と言うのも、実はお礼の品である石鹸及び洗剤は既に生産出来ている。そして、その出来たものの鑑定結果が……。
――――――――――――――――――
石鹸(低品質)
ムクロジから抽出した液体を固めたもの。シンプル過ぎる品。
においも無臭で、泡は立って汚れも落ちるけど……女の子に上げる品がこんなので良いの?
――――――――――――――――――
毒舌さんお帰りなさい。と、そんな事は良いとして。
何の飾り気も無いただの石鹸が完成した。てか、これ以上何をしろと? ぶっちゃけ、石鹸とか洗剤なんて汚れを洗い落とす事が出来れば良いじゃないか。それで目的は達成が出来るのだから。
――――――――――――――――――
洗濯用洗剤(低品質)
ムクロジから抽出した液体を洗濯用にしたもの。液体洗剤なので竹筒入り。
無臭。本当に、ただたんに、衣服などの汚れを落とすだけのモノ。ねぇ、消臭効果とかは?
――――――――――――――――――
こちらもこちらで……何やら棘を感じるモノ言いだなぁ。
てか、いきなり色々な付加価値を付けたようなものを要求してくるなよ……とりあえず、今は基礎をしっかりと作り上げておくターンだよね。応用なんて、基礎が出来ていないとそれはもう失敗作の量産にしかならないと思うんだけど。
「どう考えても、最初から応用を求めて来るとか……システムって実はメシマズの気があるのでは?」
メシマズ。それは基礎なんて度外視して、自分が思ったまま好き勝手やる人の称号。本人は〝アレンジ〟と言い切るらしいが……流石に、一つまみを一握りにしてしまったりするのはどうかと思う。と言うような事ばかりらしい。
例え錬金術がチート生産が出来る能力だとしても、流石に分量やら混ぜる素材を適当に選んだら大変な事になってしまうよ。
とは言え、魔改造をやらない訳が無いんだけどね。
そりゃそうだろう? 魔改造と言えば日本人の心そのもの! 既に基礎を覚えたのであれば、後は何をどうやって強化……いや、狂化や凶化するかを考えるのは当たり前!!
「って事で、ムクロジとボムベリーを混ぜて見たり、あ、こっちの〝トリカブト〟とか〝くさ草〟とかはどうだろう?」
何が起こるか分からない。いや、ある程度予想はついているんだけどね……とは言え、予想外のモノが出来るってのも改造の楽しみ方の一つ。
そんな訳で、最初の「イッヒッヒ」に気分が繋がる状況なんだよね。
ポンポンポンと鍋の中で破裂音がしたり、ぐつぐつと紫色な煙を上げたりと……どう考えてもやっちゃいけないような結果が起きている気もするけど、それはそれ。
寧ろ、失敗すると分かっていてやっている部分もあるからね。実験だから仕方ないよね。
一応、念のためにだけど、マスクに手袋を着用。目も一応保護できるようにガードを用意している。まぁ、ちょっと残念なガードだけどな。因みにそのガードというのは……。
――――――――――――――――――
フェイスガード(低品質)
プラスチックの下敷きを使ったモノ。一応、防御力はちょこっとだけあると言った程度。
透明の為に視界が確保出来るけど……普通にこれ、溶けたり割れたりするからね? ちょっと飛んできた液体や煙とかを防ぐ程度の能力しかないから過信しない事!
――――――――――――――――――
はい。下敷きを使いフェイスガードを作りました。そして、システムさん説明と心配をありがとう。
そう、システムが毒よりも心配してしまうほど、防御力と言う面は心許ない。とは言え、煙やら跳ねた液体が目に入らない様にするには丁度良い。その程度のモノ。
後々はもっと良いガードを作る必要もあるだろうけど、現状の素材を考えればこの程度で良いかなと思ったんだよね。
実際、ケミカル的な感じで物を溶かす液体とかを使う訳でも無いし。
そんな感じで、思いっきりムクロジを使って遊ん……げふんげふん。良い物を作る為に実験をした。
ただ、予想通りというか、当然の結果なんだけど、その全てが失敗。まぁ、そうだよな……毒とか爆発物を使っていたからな。
とは言え、悪い結果かと聞かれたらそうでは無い。例えば……。
――――――――――――――――――
シャボンボム(低品質)
空中を浮遊するシャボン玉を作る事が出来る。ただ、その泡は普通では無くて触れると小さく爆発しちゃう♪
現状はパーティー用アイテム的な感じのびっくりアイテム程度だけど、これを強化する事が出来たら……。
――――――――――――――――――
ボムベリーとムクロジを合わせて作った物なんだけど、今はジョークグッズの領域から出ないらしい。らしいけど、システムが言うにはこれを凶悪化させる事が出来るっぽいんだよなぁ。
もしそんなのが作れたら、浮遊する機雷として防衛に役に立ってくれそうかな。とは言え、現状でも便利ではあると思う。
必ず泡に触れるよう設置しておけば、何処から何かが来るってのも分かるし、なんなら相手に対する脅しにもなるからね。……まぁ、どこら辺から来るか? とかは、現状だと鳴子さんが働いているけど。
そして勿論だけどそんなボムだけでは無い。
――――――――――――――――――
シャボンボム(低品質・ポイズン)
爆発する毒の泡。爆発の威力自体は低いけど、それを毒が補ってくれている。
な、なんて恐ろしい物を!? こんなのを発想するなんて……鬼なの? 悪魔なの?
――――――――――――――――――
そう、既に威力と言う点についていえば、ある程度解決していたりする。
とは言え毒と言う事もあって使いどころは難しい……下手に毒をばら撒いてしまえば、自然にも影響が出かねないからな。
実際にこの毒は、泡と合わせた効果なのか、ボムと合わせた為なのか、はたまた他の毒と合わせた結果なのか……ジュゥゥと言う音を立てながら、植物を変色させたりできる。除草剤かな?
ただ、どういう訳か作った手袋やらマスクなどには影響が出なかったので、要検証と言った感じかも。人体への影響は……怖くて試せません。
なので管理は適切に行わなければいけないかな。……まぁ、お蔵入りになりそうな気がするけど。
「さて、良い物を作ろうと思ったけど、危険物しか出来なかったかぁ」
なので、良い物を作る実験としては失敗。研究としては成功だけどね。
何せ、一応目的は〝石鹸〟や〝洗剤〟を良くする為だった訳だし。……失敗前提の素材を選んでおいてとかは言わないお約束。
「と、まぁそれでもベースは出来上がった訳だしね。それも沢山……」
うん、実は基礎の為にと結構な数を量産していたりする。……正直、毎日全員が使っても間違いなく一月以上分はあるんだよねぇ。まぁ、他の住人が増えなければだけど。てか、増えるな。
「いや、もしモフモフ達と仲良くなる事が出来たら……」
モフモフを洗ってふっさふさなモフモフを堪能する事が出来る。うん、それはとても悪くないのではないだろうか? あぁ、でも……残念な事にテイマーが居ないんだよなぁ。
まぁ、今その事はどうしようもないので……とりあえずこの作った石鹸や洗剤を女子達の部屋の前にあるボックスにでも入れておくとしようか。
……後、もう一つ考えている事が有るけど、さすがにそっちは手を出したら不味いかなぁ?
「服とか下着だしな。これ、男の俺が如何にかして良いって話でも無いし。うん、此処は女子の裁縫能力に任せた方が良いかな? とりあえず、生地だけ作っておけば少しは何とかなるかもだし」
植物から作った糸なので、昔でいうカラムシとかそれ関連に近いモノになるのかな? まぁ、どんなものが出来るかは分からないけど無いよりは良いだろう。流石に着替えも無しってのは問題だろうしね。
ブックマークに評価等ありがとうございますなのですよ! °˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°
と言う事で、こういったのは遊んでしまいますよね。
えぇ、シャボン液に何か混ぜ込んでみたりとか……やりませんでした? 私はやった覚えが。結果がどうなったかは遠い昔の話なので忘れましたが。
しかし、まさか天使と悪魔の裏設定に気が付いたお方がおられるとは(≧▽≦)
嬉しいような、ちょっと早い!! と言いたいような。あぁでも、食料やら雨について触れてしまっている方もいたので……えぇ、まぁ分かりやすいモノではあるのですけど(>_<)