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気が付いた事が多すぎる。

「え……えむぴーが……ぐふぅ……」


 今、部屋の中で、俺はMPが空になってしまったのか、ぐったりと倒れている。

 な、なるほど……これが俗にいう魔力不足による酔いと言う現象なのか。症状としては、微妙に頭がくらくらするというかぼーっとしている。そしてまた、気怠さを感じて何もやる気が起こらない。


 と言うのも、ちょっと無理して錬金術祭りをしたからな。たぶんだけど、実験なんてやらなければこんな事にはならなかったのだろうけど。

 だが、後悔など一片足りとてない。楽しかったし。


 ただ、そんな風に身を削った? お陰で、俺は色々な物を作り上げる事が出来た。

 石鹸や洗剤はもちろんの事、何か武器として使えそうな道具も出来た。


「それに、反物と針と糸も出来た……」


 錬金台の上には、ぐるぐると巻物みたいに巻かれている生地が6本。いや、6反か? 数え方どうだったっけ。

 あと、動物の骨から作り出した針が数十本に竹にぐるぐると巻きつけられた糸。きっとこれで裁縫も大丈夫では? と思える量は揃えたはず。

 後はこれらを石鹸とかと一緒に置いておくだけなんだけど……。


 正直、動きたくない。


 あぁ、指を一本動かす事すらやりたくない。あぁ、なんだろう、このまま惰眠を貪りたい……。なるほど、魔力が空になるとこんなにもやる気と言うモノが無くなってしまうのか。

 とは言え、実は錬金術に相当時間を掛けたため、そろそろ女子が採取から帰ってくるだろう時間になって来ている。

 折角作っても、このままだとこれらを渡す事が出来るのは明日になってしまう……うーん、明日でももういいかなぁ?

 いやぁ、ちょっと遊び過ぎてしまったか。だけど、それでも得る物はあった訳だし。


 なんて考えながらも、俺の体は動く事を完全拒否しており……このままゴロゴロと布団ツムリになりたいなんて考えながら、ハンモックに揺られ……ぐぅ……。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 ふと目が覚めたら……外が明るかった。

 あれ? もしかして俺……寝ていた? なんて思いはしたが、そんな思考など許さない! と言わんばかりに、腹の虫が「くぅくぅ」と鳴り響いた。


「あぁ……そう言えば、夕飯食べて無かったかも」


 実験の面白さにド嵌りした結果、作るべき物を後回しにし、更にそれを作って魔力不足で倒れてしまうとか……うん、これは今後の課題かなぁ。


 いや、作業して倒れるならまだいい。もしこれが戦闘中の出来事であればと考えると……ゾッとする内容だよね。

 うん、これは女子にも伝えておくべき話だよ。だって、これは本当に生死を分ける内容だから。そして、そうである以上は、魔力の管理が必須と言う話で……。

 俺は実験で魔力の限界を知る事が出来たけど、女子達はまだその限界を知らないはず。


「って事で、リンクに要注意事項と書いておこうかな」


 スマホをポチポチと弄りながら文章を書きこんでいき……そこで「はっ!?」と気が付いてしまう。


「ヤバイ。まだこの時間は寝ている時間だよね……ちょっとだけ太陽が顔を出し始めた時間帯だし」


 こんな時間にリンクの通知音を鳴らすのは流石に無いだろう。そう考えて、俺はまず朝ごはんを食べる事にした。そして、書いた文章は、送信せずそのまま放置しておくことにする。




 すきっ腹に肉……と言う訳にもいかないので、朝食は魚の骨などからとった出汁を使って、タケノコと魚の身が入ったお吸い物で良いのか? まぁ、味噌が無いから味噌汁では無いしな。

 とりあえず、お腹に優しく温まるモノで胃を満たしていく。


 因みに、芋関連は増やす為にと種イモにしたものが多い。なので代わりにと言う訳では無いけども、サラダにはハート・オブ・パームと食べる事が出来るらしい葉っぱ。……なんの葉だろう? 鑑定したところで、その結果が食べる事が出来る葉っぱとしか書かれていなかったんだよなぁ。


「ま、味は不味くないから食べるけど」


 ハート・オブ・パームを葉っぱで巻いてモキュっと食べて行く。

 パーム自体は少し酸味があって味の主張は少なめ。人によっては物足りないと感じるかも? ただ、この葉っぱが曲者で、そんな酸味とマッチしているほんのりとした甘みがある。うん、本当になんの葉っぱだろう。


「あー……肉に巻いても良さそう」


 見た目はレタスとはキャベツとかそっち系の何かに見えるんだけど……鑑定結果でキャベツともレタスとも出ていなかったんだよなぁ。もしかして、島固有の何かなのかな。




 そんな感じで、すきっ腹に丁度良い朝食を済ませた後……またもや「はっ!?」と気が付いてしまった。


 俺の目線の先には錬金台があり、その上には昨日必死になって作った反物やら針やらが積み上げられているではないか。


 やべぇ……昨日、アレを石鹸とかと一緒に渡しておこうと思ったのに、完全に放置してしまった。あぁ、となると、先に置いた石鹸や洗剤だけが発見されていると言う事になるのか? 折角セットで用意したというのに……。

 お礼に用意したモノを分けて渡すとか、それってどうなのさって話だよなぁ。


 とりあえず……気配的に女子達はまだ起きていない。ならば、さくっとコレを彼女達の部屋の前にあるボックスの中に入れておくとして……。

 それが終わったら、先ほど書いたリンクの文章を送るとするか? いや、まだ起きて無いみたいだしまだ後で良いだろうか。


「っと、そう言えば通知が沢山来ていたっけ。それのチェックもしておかないとな」


 とりあえず文章を送るのは後にして、反物を届けた後にリンクのチェックを先にしてしまおう。



 そう考えてからは素早く行動を開始。忍者な気分で気配と足音を消し……これ、傍から見たら不審者だよな。女子の部屋にこそこそと移動しているから。とは言え、俺の行動で起きてこられても困るからやらざる得ないのだけど。


 抜き足差し足忍び足。こそこそとボックスのフタを開けて、その中へ反物に糸と針の入ったケースを投入。ふむふむ、石鹸や洗剤はどうやら回収しているようだ。

 そして再び、無音移動で自室へと帰って行く。



「ふぅぅぅ……ミッション終了!」


 部屋に戻ってから、思いっきり息を吐く。

 いや、別に悪い事をして居る訳では無いのだけど、こう他人の部屋に近づくと言うのは心臓に悪いというか……。思わず息を止めてしまうんだよね。

 まぁ、日ごろの習性というか……音を立てたらダメな生活みたいな感じだったしなぁ……。


 と、今そんな過去の事は良いとして! うん、気分が暗くなっていくしな。とりあえず今は、リンクのチェックから始めるとしよう。


「えっと何々? 『石鹸使ったよ! 久しぶりにすっきり出来たぁ……ありがとう!!』か……お礼としては大成功かな」


 他にも『……泡が良い』とか『服の汚れが落ちたわ! 少し気になっていたの!!』とか『髪が、髪に艶が!!』と言った感じで、なんだかとっても大興奮していたみたい。

 洗剤や石鹸だけでお礼が成功したのでは? と思わなくも無いが、だからと言ってボックスに入れた反物などを回収しようとは思わない。……着替えが無いってのも問題だろうし。


 てか、石鹸で髪に艶ってでるものなのか? リンスの成分とかが入っている訳では無いはずなんだけど……。


 とは言え、こんな生活でも女の子は女の子って事なんだろうなぁ。本当に、俺一人だったら全く気にする事なんて無かったんだけど。……まぁ、だからこそお礼としては大成功と言えるかな。


 しかしこの事で感じたけど、もう少し生活必需品と言われた物も充実させるべきかもな。

 何時までもハンモック生活と言う訳にもいかないだろうし、出来ればベッドとかも欲しいかもしれない。てか、お風呂とかも欲しいよなぁ。

 あぁ、やっぱり作ったら作っただけ欲しくなる物が増えて行くな。これは間違いなく、自分で自分の仕事を増やしているよ。


 あ、そうだ。忘れる前にリンクの文章を送っておかないと。

ブックマークに評価などなど、いつもありがとうございますペコリ(o_ _)o))



さり気なく食材が増えている事実。

それはそうと、何気なく欲しい物がどんどん増えて言っております。まぁ、人の欲望は果てしない……というよりも、今まで有った物を取り戻そうとしていると言った感じ?


魔力について景が漸く気が付きました。今までなんで気が付かなかったのか? まぁ、それは他の事もやりながらだったからなので、実はしっかりとした魔力のチャージが作業の合間に挟まれていたりしたのです。

と言う事で、魔力不足の弊害について、今後はしっかりとした管理を考えての行動になりそうです。

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