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いざ作戦開始! となる前に。

 しっかりと準備をした俺たちは、第2フィールドを戦いやすいフィールドへと改造していった。

 第2フィールドの入り口から最初に見つけた猛獣や牛達がいる場所までの間、道の整備をしつつちょいちょいっと細工をしていったんだよね。


 どんな細工をしたの? って話なんだけど、その答えは鎌倉幕府。あそこは天然要塞とも言える場所で、攻める方法も普通に考えたら一箇所からしか行けなかった。

 だからその一箇所を上手く使って防衛するという方法が取られたわけなんだけど。

 その方法というのが、一本道にした上で、その道自体が馬が駆けにくい作りにしておく。その上で、道の左右を道よりも高い位置に設定し、そこから武者達が弓で敵を射るという方法。……だったはず。


 というのは、全て秋山さんの説明から。


 そんな訳で、俺達は鎌倉に習ってちょちょいと一本道を用意したんだよね。

 ただ、勿論違いは沢山ある。だって鎌倉と違って天然要塞ではない草原。だから、前提条件が全く違うと突っ込まれたら、そうだねとしか言えない。

 じゃぁどうするのか? ソレは簡単。一本道の左右に猛獣でも飛び越えることが出来ない堀を作ってしまえばいい。そして、鎌倉とは違って一本道側を高くすればいい。


 だってさ、そもそも前提条件が違うんだよ。俺たちは防衛をするとはいっても、牛を連れて第一フィールドまで移動するという、移動しながら牛を防衛するというミッションなんだから。


「まぁその分、秋山さんのやることが増えちゃうけど」

「想定の範囲内よ。そもそも、こういった事が出来るだろうって予測したからこそ土術師を選んだのよね。それよりも、他の仕掛けは大丈夫なのかしら?」

「完璧って言っても良い仕上がりかな。堀の向こう側に馬防柵を作って、堀の下には某ゾンビゲームよろしくと言った感じの木製スパイクを用意したよ。勿論毒も塗ってあるから……絶対に落ちないように」

「あー……それなら通路の左右は壁を作ったほうが良いかもしれないわね」


 壁で防ぐのもありだね。だってこの通路は、一方方向からしか猛獣たちがせめて来ることが出来ないようにするためのもの。それも、なるべく1体ずつ並んでといった感じで。


「俺たちは二人ぐらいなら並べるしね。それに、そもそも全員が後衛だから前にならんで出る必要もないんだけど」

「なんかとってもずるい気がするじゃん」

「生き残ってなんぼってやつだよ。弱肉強食の世界で生き残る為の知恵ってやつだね」

「そうそう。だから七海もあまり気にしないほうが良いわよ。それに、この程度の戦略は可愛い方なんだから」

「……マジ?」

「マジマジ。世の中にはこれ以上に恐ろしい防衛方法や戦略が沢山あるから」

「人間って怖いね……」

「……勝てば官軍」


 日本の城作りとか、マジで怖いからね。

 川を使った天然トラップと言える、水門を壊して鉄砲水を作為的に行うとか、くねくねと90度の曲がり角を大量に用意して、曲がった瞬間に銃弾や矢が襲撃するとか。

 もし行き止まりにぶち当たったら死を覚悟したほうが良い。其処で起こるのは、潰されるか、火に巻かれるか……下手をしたら、味方に後ろから押されて圧殺なんてことも。大軍って急には止まれないもんね。


 そう考えると、一本道で戦うというのがどれだけ可愛い事か。え? まともに戦う気なんて無いだろうって? そら、まともって何よって話になるけど、手にしているカードを使ってパーフェクトゲームをする気ではいるよ。

 それに、大量に狩りをして経験値も回収しないといけないしね! ボスが出てくるかどうかは謎だけどさ。


「てか、問題があるとしたら全て終わった後に撤去する時だよね……」

「……大掛かり過ぎる」

「だよね。道に壁と堀は土魔法でなんとかなるとしても、馬防柵にスパイクはそのままに出来ないよね」

「スパイクは堀の中だから、そのまま埋めちゃえばいいじゃん」

「埋めた後にスパイクが分解されるならソレもいいと思うわよ? でもどうなるか分からないのよ。次の戦闘で土魔法を使ったらスパイクがこんにちは! なんて事が起きないこともないのよね」

「腐ったりして弱ってるなら良いけどね。毒やその鋭利さが残ってたら不味いかな」


 なのでトラップ系は撤去しておく必要があるんだよね。ただ、撤去する時もかなり気をつけないといけないんだけど。

 まぁ、毒に関しては解毒薬があるから、最悪なんとかなるんだけどさ……それでも、怪我をして毒を受けるなんて事は無いのが良いに決まってるから。


「色々と考えてるんだなぁ……私なんてとりあえず射抜けば良いじゃんって思ってたんだけど」

「七海はそれで良いんじゃないかなぁ。こう、ターゲットを狙って一撃必中! って感じなのはかっこいいと思うよ!」

「へへ……そうかな。流石エリカ分かってるじゃん!」


 夏目さんはソレでいい。いや、ソレが良い。

 比較する訳じゃないけど、特化で火力が一番と言えば秋山さんなんだけど、特化と言うだけあって弱点も大きいんだよね。

 でも夏目さんは違う。バランスよく属性を扱える事もあって、接近戦を除けばだけど、チームの正統派アタッカーと言っていい存在なんだよね。

 だからこそ。彼女には迷いなく撃ち込んでもらう。脳筋の何が悪い? むしろそれが最大の魅力だろう! というタイプ。

 それに、後衛型の脳筋だからかな? 猪突猛進という訳じゃないのも良い。特に春野さんや秋山さんの言葉にはしっかりと耳を傾けているからね。


「ん? なんか望月に貶されながら褒められてる気がするじゃん」

「なんのこと?」


 それに勘も良いんだよなぁ。

 彼女を真のエースと言っても間違いないんじゃないかなって思うよ。


「……ボクは?」

「冬川さんは……マスコットを率いるリーダー?」

「ぶっ。確かに! 雪はちゅー太達を率いているマスコットリーダーじゃん!」

「雪自身もマスコットみたいなところがあるのよねぇ。うん、確かにマスコットリーダーよね」

「今の見た目からしてもね……なんでちゅんめを抱っこしているのかな?」


 ちゅん吉は空を警戒しているんだけどね。

 それで、冬川さんはちゅー太にも索敵をさせているんだけど。何故かちゅんめは召喚した後にぬいぐるみみたいに抱えているんだよね。

 ちゅんめも何故か大人しくしてるし……ってか、あれは諦めの表情?


 あ、因みに精霊は中級のカンストボーナスで、3体同事召喚が出来るようになったんだって。まさにマスコット祭りだよね。


 で、ちゅんめを冬川さんが抱えている理由だけど……。


「……出番が少ない」

「え? あー……そっかぁ。レッサーライオンって土属性だったもんね。火はあまりって言った感じだっけ」

「ちゅんめはレベル1なのよね。確かに火力不足よね」

「今の内に構っておこうって事かぁ。それなら私にも撫でさせて欲しいな!」


 という事らしい。

 まさか出番が少なくなるだろうからって、そんな理由で抱えているとは……ちゅんめも嬉しくはないだろうなぁ。そりゃ、諦めの表情にもなるよね。


「あ、それならちゅんめに牛たちの誘導をしてもらう?」

「ありかもしれないね」

「ぷひぃ?」

「……きゃわ」

「可愛い鳴き声よねぇ」


 いや、可愛いも良いけど、その意図を汲んであげようよ。

 ちゅんめは「本当?」って言いたかったんだと思うけど……どうなんだろう? ちゅー太とはある程度のやり取りが出来るようになったけど、ちゅんめとはまだまだなんだよね。


 でもそうだね。ちゅんめにやる気があるなら、多分ソレが一番良いかもしれない。

 だってそうすれば、牛を引っ張って誘導する必要が無いから全員の手が空く。だから、火力もサポートもバッチリな状況で挑めるって事になる。


 さて、ちゅんめはどう思ってるかな? やってくれると良いんだけどな。

ブックマークに評価などなど、ありがとうごぜーますだぁぁぁぁ((*_ _))ペコリ



モンスターを狩るためだけの道という……恐ろしい話です((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル

レッサーライオンのスペックは、一度戦っているので景達も理解していますからね。どれだけの堀と壁があれば、レッサー達が飛び越える事が出来ないのか。ソレぐらいは理解しております。



それにしても、戦国時代あたりまでの城って機能美が凄いですよね。こう、守るために特化しているというか。侵略者殲滅装置とでも言うべきか。

戦乱の時代が終わった後は見た目の美が優先されるようになりましたが……まぁ、それもそれで美しくて目に美味しいのですけどw

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