第10話 夢見る (1)
「あーあ。結局赤点かよ。あんなに頑張ったのになあ。」
「そうだねレオン。昨日今日の詰め込みとしては良い点だったんじゃない?」
「せっかくミカも一生懸命俺に教えてくれたのに、悪かったな。」
「……で、なんでこんな状況な訳?」
「え?俺と、ミカ。二人で教室。」
「僕は赤点じゃない!」
「だって。先生が、『わからないところはミカに教わってから、追試受けろ』って……」
「本当、先生もどういうこと?
僕はレオンの先生じゃない!」
◇◇
「だから……ここは、こうやって掛け算して……」
ミカは怒りながらもちゃんと教えてくれる。
「ああ!そうか。だからこうなるんだ!ミカ、さすがだな。教えるのが上手いんだよ」
「褒めても何も出ない。」
ミカの顔が急に赤くなる。
こんなに頭が良くて優しいのに、俺が褒めたくらいで、変な奴だ。
「良いから、早くやって、帰ろうよ。今日も剣の稽古、するんでしょ?」
「ああ、お兄さんに教わるんだ。そんで、騎士にいつかなるんだ!」
俺はペンを机に置いた。
「馬に乗ってさ。ピカピカの鎧着てさ。……そんで、隣にはお前がいてさ。最高だろ?な!」
俺の夢だ。冒険者もいいけど、一番は騎士になりたい。
だって、かっこいい!
「うん。僕も頑張るよ。もっと強くなりたいな」
ミカはそういった。でも、なんだか、元気がないようにもみえた。
俺よりも体力がないからかな?
「で!まずは追試合格しようね!」
「おう!」




