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#36.もふもふの時間


 翌朝、僕はベッドから目が覚める。

 純白のシーツと布団。そして、もう二つ純白のものがある。

 

 シロンと、ユキナ。僕が従魔契約をした『ホワイトイーグル』の女の子。その名の通り、純白の体をした双子の鷲だ。


 昨日は、あれからシロンとユキナのことをよく知ろうと、お話をたくさんした。

 二人の両親の、スノーさん、ライスさん。両親とともにいろいろな場所へ空を飛んで旅行したこと。


 一番の思い出の場所は、シロンはコバルトブルーの青い海で、砂浜の色、渦潮の泡、海の青、全てがマーブル上に交わっていた海岸がよかったのだった。

 

 ユキナは、名前の通り、遠くに見える山脈を横目に見ながら、山の新緑の絨毯の上を飛んでいたことが好きだったそう。


 そこまではよかった。


 次は、僕の話をした。

 この子たちは、『イーグル=アイ』を発動したとき、家族や出身のことも知っているので、詳細に話した。本来であれば、ポールさんやカミラさんから、僕の出生に関しては、むやみに吹聴するなと指示されていた。

 しかし、二人には知っておいてほしいし、お互い信頼しあう、主従関係なのだから、話してもいいということで、ポールさんやカミラさんからも許可はもらっていた。

やはり家族から不遇に扱われていたことを語ると、モナリオ家の人達と同じ表情をした。


 「ごじゅじんざま、がわいぞう。」

 シロンが涙目になっている。


 「・・・どうして、こんなことができるのでしょう。私は、鷲たちも許せません。同じ鳥獣系の魔物として、『イーグル=アイ』が使える人たちは、きちんと敬意を表さないと・・・・・。」

 ユキナも涙目になりながら、一生懸命自分の気持ちを伝えてくれた。


 「ご主人様ぁ~今は、私たちがいるからしんぱいしないでください。今からご主人様を慰めてあげます。」

 えっ、そんなことしなくても。


 「平気ですよ~。これからつらいことがあったら、いつでもこうして、ご主人様を慰めてあげます。」


 シロンは僕の近くに寄ってきて。

 「その名も~。『もふもふ』タイムでーす。行きますよ~ぉ。」


 シロンは僕に抱き着いてきて。

 「はい、もふもふ。もふもふ。さらに行きますね。」


 シロンは少し魔法陣を発動して、来ている服と、体の一部をホワイトイーグルの羽に戻して。

 「はい、もふもふ。もふもふ。ほら~、ユキナも行くよ。」

 「は、はい、お姉ちゃん。」

 ユキナも僕に抱き着いてくる。


 「もふもふ。」

 「もふもふ。」


 すごくドキドキした。純白の彼女たちの羽は、そう、もふもふだった。


 そうして、お話と、もふもふを繰り返していると、日が暮れ、夕食を済ませ、交互に屋敷の風呂に入り、ベッドに入った。

 さすがに、夕食の時間、つまりミランダと一緒にいる時間は二人はおとなしくしており。

風呂の時はさすがに、男女別にしてくれ、交互に入った。


 正確には、シロンは。

 「一緒にお風呂入ってもいいですよ~ご主人様を守りたいです。」

と言っており、ユキナは、シロンのこのセリフを聞いて、顔を赤くし、頭から湯気が立っていたが。


 「「それは、ダメ。」」

 僕と、ミランダが声をそろえて言って、おとなしくしょんぼりして、従った。


 「屋敷のセキュリティはお前が思うより、万全だぞ。シロン。」

 カミラさんが念を押すように言って。一緒に夕食をとっていたポールさんもうん、うん、とうなずいていた。


 そして、ベッドに入ったのはいいが、シロンはミランダが出したご法度を破り、僕のベッドにやってきた。

 「もふもふして寝ると気持ちいいですよ。」

 「もふもふ。ほら~ユキナも一緒にこっちにきてよ。」


 そうして僕たちは結局一緒のベッドでそのまま寝入ってしまい。


 今日、この朝を迎えた。


 二人の寝顔はとてもかわいい。純粋だ。


 「ご主人様ぁ~もっと、もふもふ~。」

 「すーっ、はーっ。ご主人様、私も一緒にいいですかぁ。」


 クスクスと笑う僕。この子たちも僕たちと同じくらいの年頃だ。


 バンッ!!


 その時扉が開いた。


 「おはようございます。翔太朗様。わたくしミランダからのモーニングコールですわ。」


 珍しくミランダが、僕の部屋にやってきた。


 「ミラ様、おはようございます。」

 「ここは、おはよう。ミランダ。とかです。」


 「おはよう、ミランダ。」

 もう一回僕はやり直す。


 「はい。おはようございます。翔太朗様。」

 ミランダが作り笑いの笑顔になる。


 そして、ミランダはベッドに視線を向ける。

 シロンとユキナが同じベッドで爆睡している。


 「シロン!!ユキナ!!」

 ミランダは布団をはぎ取り、二人をたたき起こす。

 二人は、動揺したかのように飛び起きた。


 「あなたたち、早速私のご法度を破りましたわね。これでもレディなのですか。」

 「はあ、何言ってるんだし。ご主人様が寂しそうだったから、一緒にいただけだし。」

 「それでも、貴族の屋敷にいる以上、上品なレディをですね。」

 「はあ、寂しそうな主人のために使えるのも上品なレディだし。」


 シロンとミランダは朝から言い争いをしている。

 

 「ご、ごめんなさい。ミランダ様。」

 ユキナはミランダのその威勢に負けたのか降参モードだ。

 

 「ユキナは、ちゃんと立場をわきまえていて、よろしいですわ。ですが、ライバルとして、もっと積極的になってもいいのではないかと、そうでないと私には勝てませんよ。」

 何を言っているんだ、ユキナはちゃんと謝ったのだから許してあげても・・・・。


 「そうですわね。一緒のベッドにいたのは事実なので、ムッツリイーグルですわね。」

ミランダが、大きな声で言っている。そして、シロンの方を向いて。

 「そして、シロン。あなたはまさに、ツンデレイーグルそのものですわ。」

 「はあ、ふざけんなし、このえらそーな高飛車女。」


 言い争いが激しくなる。


 「はあ、始まってしまったか。」

 カミラさんが僕の部屋にやってきた。


 「カミラさん、どうしますか。止めなくていいんですか。」

 「ああ、止めなくていい。翔太朗殿もこれは察した方がいい、女同士のただの意地の張り合いだ。翔太朗殿の従魔のあの二頭を、ミランダが討伐するようなことはない。むしろ翔太朗殿。翔太朗殿もミラ様に謝ったほうがいいと思う。そうだな、これからは一緒のベッドで寝ないとか、言って聞かせるとかして。」


 カミラさんの言った通り、僕は、ミランダの肩をたたき。


 「申し訳ありませんでした。ミラ様。一緒のベッドで寝ないように二人に言って聞かせますので。」

 「翔太朗殿もしっかり反省しているようだ。その辺で、許してやれ、ミラ様。」


 カミラさんがつかさずフォローする。


 「シロン、ユキナ。お前たちもケンカはここまでだ。」


 カミラさんが、炎の拳を見せて、ケンカを止めさせるとつかさず、女性三人はおとなしくなった。


 「それでよい。それに・・・・。これ以上の言い争いよりも先に、それぞれ、三人、自分の口から、翔太朗殿に素直に真摯に、思いを伝えなくてはならないぞ。」

 

 カミラさんは三人に歩み寄り、内緒話のように耳打ちをした。


 「ちなみに、翔太朗殿は、この言い争いをどうしたらいいかわからない表情で見ていたからな。お前たちのポイントは下がったかもしれないぞ。」



 「そ、そうですわね。翔太朗様も反省しているようでしたし。それにみんな服を着ていたようですし、今日は許してあげます。」

 ミランダは、素直に開き直る。

 「私も、悪いと思ったわよ。ごめん。」

 シロンは僕以外の人に対しては素直じゃないようだった。

 「あの・・・・。ご主人様。ごめんなさい。」

 ユキナはとてもおとなしい。


 「これで、一件落着だな。こういう困ったことがあったら一番先に私に相談しろよ。」

 「ありがとうございます。カミラさん。」


 「ヨシッ!!」

 カミラさんもなぜかガッツボーズをした。しかも飛び切り生き生きとした。


 「どうしましたか、カミラさん。」


 「い、いや何でもないんだ。なんでも。」

 珍しいな。カミラさんの顔が少し赤い。

 まあ、今は戦いの場ではないし、そういうことにしておこう。


 「おはようございます。皆様。ポール様がお待ちです。朝食の準備もできております。」

 アレックスさんがやってきた。

 「おはようございます。アレックスさん。」


 朝食という二文字、どうやらみんなこの瞬間に仲直りした表情だ。


 「翔太朗様、ポール様が朝食の際お話があるそうです。」

 「わかりました。」


 アレックスさんに案内されて、僕たちはダイニングへ向かう。

 今日はどのようなことが、待っているのだろう。


今回もご覧いただきありがとうございました。

もふもふ要素とラブコメ要素を少し取り入れてみました。もふもふとドキドキを少しでも感じていただければと思います。


少しでも面白いと思った方は、感想、ブックマーク登録をぜひよろしくお願いいたします。

ESN大賞にも応募してみました。これからも頑張りますのでよろしくお願いいたします。


評価に関しては、一番下の☆マークから行えます。面白いと思った方はぜひ、☆5つの高評価をお願いいたします。

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