↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
へべれけ!  作者: へべれけ
第7話
38/72

07-b2

「It's a wind!It'll be one thousand blades of blade,mince my enemy!」

光の刃が弾けて、妖魔を囲む様に襲う


妖魔は迫りくる光の奔流に正対すると、その漆黒の翼を大きく広げた

次の瞬間まるで闇が滲み出る様に、翼から漆黒の礫が噴出し、その礫が葵の放った光の奔流を相殺する


「チッ、You be my sword, and subjugate my enemy.Raptor blade!」

葵は1つ舌打ちをすると、呪文を詠唱して再び光の刃を形成する


「It's a gale!It'll be my blade, cut and tear that's enemy!」

葵は呪文の詠唱と共に光の刃を振り抜く

すると光の刃が猛禽の姿となって妖魔に襲い掛かる


「これは避けられ無いでしょう?」

勝利を確信した葵が微笑む


しかし妖魔は、その漆黒の翼を振り上げると光の刃を打ち砕いた


「そんな・・・」

葵は必殺を確信した攻撃を防がれ動揺する

その一瞬の隙を突いて妖魔が葵に肉薄した


「くっ・・・、You be my sword, and subjugate my ー」

呪文で光の刃を作り出すよりも早く、妖魔の翼が凶刃となって葵を襲った


━━━━━━━━


茜は全力で宙を駆けた

しかし、妖魔のスピードは茜を上回る

茜は妖魔に追い付く事が出来無ずに焦っていた


「どうしよう、全然追いつけない・・・」

茜は、前方で繰り広げられる葵と妖魔の戦いを見ながら呟いた


始めは妖魔へ、それなりに攻撃を加える事が出来た茜だったが、最初に命中させた一撃を防がれて以降は妖魔はまるで茜を避ける様に移動し、茜は妖魔に近ずく事さえ出来無いでいた


「落ち着け、茜!」

「へべくんは黙ってて!」

へべれけが声を掛けるが、茜は其れを聴こうとさえし無い


「茜!」

「言ったでしょう!?これは女の戦いなの!」

このままでは葵に先に妖魔を倒されてしまう


もし、そんな事になってしまったら・・・

そんな考えが、茜の頭の中を少しずつ少しずつ侵食していく

それはやがて焦りとなって、茜を縛りつける

今や茜は、ただ妖魔の後を唯追いかけるだけになっていた






"どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう・・・"

泣きそうになるのを堪えながら、茜は妖魔を追って宙を走り続ける


━━━━━━━━


"マズイ・・・この状況はマズイ!"

俺は、茜のドレスに追加されたフードから身を乗り出しながら考えを巡らせた


この戦いが始まった時、あの妖魔は茜と葵の2人を相手にするような立ち回りをしていた

だが茜の攻撃が命中して以降、あの妖魔は明らかに茜を避け始めた

それは多分、あの妖魔が茜の攻撃力を警戒しているからだろう


俺はもう一度、2人が対決した時の事を思い出す

あの対決ではっきりした事は、同じ魔法少女であったとしても、彼女達には明らかな特性の違いがあるという事だ


茜は多分、近接特化型のパワータイプ

そして、葵はきっと万能タイプなのだろう

実際、葵はあの鳥の翼の様な像をした剣で、近接から遠距離迄幅広く攻撃を行っていた

そのコンビネーションは、相対する者には極めて厄介な筈だ

だが、一方で威力が無い

いや、正確には茜の攻撃程の威力が無いと言うべきか?

更に、葵は何かを行う度に呪文の詠唱を行う

それは、攻撃の後に隙が出来るという事を意味する

先程から観察しているが、あの妖魔は葵の攻撃を全て受けたその上で、葵と一定の距離を保って対峙している

まるで、葵の隙を窺う様に


俺は此れ迄の事を思い返しながら状況を分析する

そして、それが導き出す答えは・・・

あの妖魔が間違い無く知性を持っており、此方を分析した上で対応しているという事だ


"マズイ・・・この状況はマズイ!このままでは各個撃破される!"

茜の方を見ると、何処か思い詰めた様な蒼ざめた顔をして、必死に妖魔の後を追っていた


「落ち着け、茜!」

俺は茜に声をかけた


「へべくんは黙ってて!」

だが茜は其れを聴こうとさえし無い


「茜!」

もう一度声を掛ける


「言ったでしょう!?これは女の戦いなの!」

しかし、帰って来たのは普段の茜からは考えられないヒステリックな言葉だった


"「いい加減にしろ!」そう言いかけて、その言葉を飲み込む。このままじゃダメだ!どうする?考えろ、考えろ!考えろ!!・・・こうなったらー"

俺はフードから身を乗り出すと、茜の耳に齧り付いた


━━━━━━━━


妖魔の翼が凶刃となって葵を切り裂こうとした刹那、ガキン!という鈍い音が響き茜のロッドが妖魔の一撃を受け止めた

葵は一瞬動きを止めたが、次の瞬間には妖魔と距離を取る為に後方へ跳んでいた


「大丈夫か?葵」

「な、なんのマネ?こんな事をしても勝負に手は抜かないわよ?」

「それだけ軽口が叩けるなら問題無さそうだな」

「へべくん・・・!」

俺が状態を確認する為に葵に話し掛けている間、妖魔を警戒していた茜が声を掛ける


あの刹那、妖魔は葵とほぼ同時に後退して距離を取った後、此方を観察するかの様に動きを止めていた

その妖魔が今、動き出そうとしていた


「時間が無い、良く聞けよ、あの妖魔には知性がある」

「何ですって?そんな事がー」

「もう一度あの妖魔の行動を思い出すんだ。奴は攻撃力の高い茜の攻撃を恐れた、だから俺達を分断して各個撃破しようとした、そうは考えられないか?」

「・・・でも、例えそうだとしてもー」


キャアアアアアァァァァァ!!!!!

その時、妖魔が絶叫を上げた


「キャ!」

「何!?」

「これは・・・」

心を掻き毟る様な不快な声が響き渡る


キャアアアアアァァァァァ!!!!!

再び妖魔が絶叫を上げると、空にヒビが入った


「そんな!結界が・・・壊れる!?」

葵が驚愕の表情を浮かべる


キャアアアアアァァァァァ!!!!!

三度絶叫が響き渡ると空が砕けた


降り注ぐ空の欠片に逆らう様に妖魔が上昇して行く

始めはゆっくりと、そしてそれは速度を上げて結界の外へと飛び出した


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。