学園の反射
日常の共生に慣れ始めた一行は、学園が自分たちの絆に応えてくれていることに気づく。かつての混沌とした「囁き」は、今や守護者たちへの感謝のメッセージへと変わっていた。しかし、平穏な夕暮れの中で、学園の地下深くから未知なる古の光が放たれ始める。
日常の騒がしさが落ち着き、静寂が戻ってきた。学園の屋上、夕暮れ空の下に集まった仲間たちは、初めて訪れた本当の安らぎを感じていた。栞は、「起源の風」がかつてないほど穏やかで、まるで校舎そのものが感謝の歌を口ずさんでいるかのような旋律を奏でていることに気づいた。
一日中、本の「移動」を防ぐために奔走していたゼイリンも、ようやく満足げな溜息をつく。ニヴラの周囲を舞う風は、もはや彼女の制御を逃れることはなく、指先一つで花びらを中庭の端から端へと運ぶ繊細なダンスを見せていた。学園はただ機能しているだけではなく、共に成長していた。
ラルティはガーゴイルの上に止まり、ドラケア、アザリーナ、シルウェンナが肩の力を抜いて語り合う様子を見守っていた。かつてはただの防衛の対象だった学園が、今では彼らにとっての「家」となっていた。栞はその温もりを肌で感じながら、魔法の均衡よりもずっと難しいことを成し遂げたのだと確信していた。しかし、その静かな夕暮れのひととき、地下の奥底からこれまで春香の記録にもなかった、未知の古の光が静かに、だが力強く輝き始めた。




