あとがき
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。
本作は「婚約破棄された公爵令嬢が、むしろ自由を手に入れる」という一点から始まりました。
ただ、書き進めるうちに、物語は想定以上に広がっていきました。
国家が崩れ、経済が動き、信仰が生まれ、やがて神々すら巻き込んでいく。
その中心にいながら、アリアベル本人は最後まで何も変わらない。
「何もしていないのに、世界が変わる」
この構造を最後まで貫いた作品です。
特に意識したのは、「力を持っても変わらない主人公」です。
普通であれば、力を得た時点で目的が生まれたり、責任が生じたりします。
しかしアリアベルは違います。
世界がどうなろうと、彼女にとっては「ただの旅」。
このズレこそが、本作の核でした。
結果として、
・国家を超え
・通貨を支配し
・信仰を集め
・神々にすら影響を与え
それでも「行きたいから行く」というスタンスを崩さない存在になりました。
そして最終的に、
「世界が完成しても、旅は終わらない」
という結論に至ります。
物語としての終わりはありますが、彼女の時間には終わりがありません。
だからこそ、この物語は“完結していて、終わっていない”形にしました。
また、百年後のエピソードで描いた通り、
彼女は伝説となり、信仰となり、やがて“前提”になります。
それでも本人は、どこかで普通に歩いている。
その温度差を楽しんでいただけていれば幸いです。
ここまで読んでくださった皆様に、心より感謝申し上げます。
もしこの物語が少しでも面白いと感じていただけましたら、
評価・ブックマーク・感想などをいただけると、今後の励みになります。
――それでも、アリアベル旅は続いていきます。
100年後を描いた作品
それでも私は旅をする ~気づいたら唯一神になっていましたが、興味がないので世界を歩きます~
に続きます。




