8 案件の謎を解くべき情報の“結節点”
まあ、この“主催者”というのが、客人を無差別的に“招待”しているのであれば、“自分が狙われた”ということに、あまり意味はないかもしれないが……
ただ、“もしも”の話――、“自分のことを知る何者か”が“招待”してきたとすれば、話は別である。
自分こと、パク・ソユンが、案件の謎を解くべき情報の“結節点”の一つとなるかもしれないし、“それ”になってやってもいい。
なお、もし、“そう”だと仮定すると、招待状を送ってきた者というのは、業界内の、仕事関係者――
もしくは、交友関係者なのか?
はたまた、一部のファンなのか?
ちなみに、この、招待状が届いたことはSPY探偵団のメンバー以外には、仕事仲間には、まだ話したりしていないが……
――そこまで、あれこれと考えていたところ、
「ちょっと、さ……?」
と、パク・ソユンは何となしに、仕事仲間の女に話をふってみた。
「ん? どしたの? ソウ?」
「あの、謎の、“茶会の招待状”ってあるじゃない?」
「ん……? ああ……、あの、何か噂になっているって、ヤツね。それが、どうしたの?」
女は、いきなりふられた話の内容にキョトンとしながらも、すぐにピンときて聞き返した。
同時に、動画配信の時間が迫っている中、「急に、どうしたの?」との顔をしていたが……。
またそこへ、男のほうも会話に加わる。
「そういえば、最近、“ドラコン”のヤツにも、招待状が来てただろ?」
「ああ、ドラコンね」
と、唐突に会話に出てきたニックネームに、女が相槌しつつ、何やら、SNSの画面を見せてきた。
SNSに映るは、エメラルドとピンクに髪を染めた、韓流アイドル風のイケメンともいうべき男――
元格闘家という経歴で、引退後も、実業家というべきか、各種インフルエンサーとしての活動もしていた。
まあ、彼の手がける事業には、半グレやマフィアとのつながりなども噂されているのだが……
それで、そんなドラコンのSNSであるが、その中には、先日、パク・ソユンにも届いたのと同様の招待状が映っていた。
また、別の一枚には、ドラコンとともに映る屈強な二人のスタッフとともに、『断る選択肢は無いだって? 舐めてんじゃねーよ。返り討ちにして、逆にウチに招待して、みっちりもてなしてやんよ』と、“茶会”の“招待主”を挑発するようなメッセージが添えられたいた。
そして、その二日後――
ドラコンとスタッフとともに、行方不明になる。
SNSの更新も、そこから、止まったままだという。
「SNSも、止まってるね……。本当に、この、如何わしい茶会に招待されちゃったの? 強引に……」
「さあな……。ただ、トラブルの噂も、ちょこちょこあるヤツだったからさ、例の招待状と見せかけて、敵対する人間たちに、やられちゃった可能性もあるんじゃない? 知らんけど」
ふたりの会話するのを聞きつつ、
「……」
と、パク・ソユンは何か考えるように、沈黙する。
「――で? その招待状がどうしたんだい? ソウ?」
「そうよ。動画の配信、そろそろ始まるよ」
ふたりが聞くと、
「うん、ちょっとさ、……私んとこにも、招待状が来ちゃった」
「「――?」」
パク・ソユンの答えに、ふたりは、ピタッ――と、一瞬フリーズしつつ、
「「な、何だってーー!?」」
と、次の瞬間には、声をそろえて驚いていた。




