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【激痛茶館】  作者: 石田ヨネ
第九章 解決へ

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71 ギンピギンピの漬物でも



          (4)



 ――後日のこと。

 SPY探偵団メンバーの四人は、いつものように、キム・テヤンの屋台に集まっていた。

 やはり、話題に上がるのは、先日明らかになった“茶会事件”のこと――

 いち貴族の令嬢がやったものとしては、震撼すべき事件であったのは間違いない。

 ただ、何ゆえに、令嬢Xに“このような動機”が芽生えたのか?

 その、根本となるものは、結局分からず仕舞いであった。

「まあ、ただの厄災みたいなもんだった――、って感じで、終わりだろうな。今回の事件は……」

 と、“チジミ屋のオヤジ”に扮して――、いや、実際に屋台の店主であるキム・テヤンが、そう言った。

 その言葉に、

「うん。私も、もう終わったからどうでもいいー」

 と、パク・ソユンが、すっかりと関心を無くしたように酒を飲み、つまみに箸を進める。

「ずいぶん、ケロッとしてんな」

 キム・テヤンが言い、

「今日、ライブ配信だったんだよね?」

 と、ドン・ヨンファも同様に飲み食いしつつ、聞いた。

「うんー」

 パク・ソユンが、適当な返事で答える。

 そんなパク・ソユンだが、今回の事件・調査において、色んな意味でも中心となったのは彼女だった。

 彼女こそまさに、この忌々しかった“茶会”への招待状が届き、その途中、仕事仲間の友人ふたりを人質とされることで茶会へと拉致されてしまった。

 そこで、手首を切り落とされたり、ギンピギンピの茶や硫酸を飲まされるなど――、まあ、散々な目にあったわけだ。

 ただ、そのような命の危険にあった際、協力を依頼したドラえもん野郎こと、妖狐の神楽坂文によって“救急救命”を受け、何とか命をつなぐことができた。

 また、さらに驚くべきことに、妖狐の“医療行為”によって、不可逆的に損傷したパク・ソユンの身体を再生・回復させることに成功する。

 そのまま、治るや否や、パク・ソユンは再調査において、“茶会”の主催者であった令嬢Xを最後に打ち倒して仕返しを成し遂げるという、被害者兼功労者といったような仕事をしたのだ。

 そして、事件は解決して――

 そんなパク・ソユンは、本日、無事にDJのライブ配信イベントも終えるという、いつもの日常が戻った。

 そう、振り返りつつも、

「まあ、仕事仲間からさ、『アンタ? 腕切られたんじゃなかったの?』って、無傷で戻ってきたことのほうが、心底怖がられちゃったけど」

「そりゃ、そうだろうな」

 と、キム・テヤンの相槌に、パク・ソユンは相変わらずチジミやつまみを食いつつ、酒をグイグイと飲む。

 なお、その傍らのスマホでは、本日の配信動画を――、春をイメージした、エレガントにもセクシーな衣装でDJをする動画を再生しながら。

 そのように飲みながら、


「はぁ…………。――でも、“アイツ”には、大きな借りを作っちゃたけど」


 と、パク・ソユンは少し大きくため息し、クソダヌキこと、妖狐の神楽坂文のことを思い出した。

 どちらかと言えば、“嫌なヤツ”なのだが、もし今回、妖狐による助けがなければ、自分は今この世にいないのは間違いない。

 まあ、“それ”は感謝すべきだろう。

 ただ――、


「……」


 と、パク・ソユンは、グラスを持った手を一旦止める。

「……」

「……」

 と、カン・ロウンとキムテヤンのふたりが見る中、パク・ソユンはジッ……と、何かを考えるように杯の酒を見つめつつ、

「(次は、アイツに頼らないようにしないと、――)」

 と、言葉には出さないが、決意を飲みこむように、グイと飲み干した。

 その、酒が喉をとおり、胃に落ちる、ほど良い灼熱感――

 それによって、口もほどけつつ、

「しっかし、今回でさー、ギンピギンピとか食べれるようになったり、硫酸も飲めるようになっちゃったんだけど……、何? その、何得能力?」

「いいじゃねぇか。酒と肴のレパートリーが増えて」

 と、シュールにも思い出すパク・ソユンに、キム・テヤンが茶化し、

「ああ、そうだ! ソユン。ノアが、今度、一緒に釜山に来ないかって? ギンピギンピの漬物でも振舞ってくれるって」

 と、ドン・ヨンファがヘタレにもデートに誘っているのか、思い出して提案してきた。

「いや、いらないし」

 パク・ソユンは“それ”を、いつものように、ジトッ……とした目で、ローテーションに断りつつーー



(終了)



何とか終了。

とりあえずポーカー遠征は、東京、帰りに軽井沢でも立ち寄りコースみたいな感じで考え中。




◆◆ 妖狐・神楽坂文と変な物語シリーズの過去作の紹介(むしろ、こちらを読んでほしい)


・00巻 重慶の幽鬼

・01巻 スタンボロバンの棍棒

・02巻 白色の考察

・03巻 白の衒奇的介入


◆◆ 年間予定タイトル


・1月 ※今やってる03巻目の『白の〜』を終わらす

・2月 ※途中の04巻目『激痛茶館』を終わらす

・3月 ※途中の05巻目『砂丘の〜』を終わらす

・4月 鬼灯橙子シリーズ『西行阻止』

・5月 『黄色い壁』

・6月 『あるパノラマ島のトランス奇譚』

・7月 『散在神経系は不老不死の夢を観るか』

・8月 鬼灯シリーズ『残留エーテル』

・9月 『メキシコからの変な依頼』

・10月 未定タイトル

・11月 未定タイトル

・12月 冷たい結晶華

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