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【激痛茶館】  作者: 石田ヨネ
第九章 解決へ

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70 これがホントの、『スタンド能力』ってヤツ? なんちゃって



          (3)



 ――グワァ、シャッ!!

 と、振り下ろす手は、妖狐の神楽坂文の頭を掴む!!

「こんの!! ふざけてんのかぁぁ!!!!! クソ化け狐がァァ!!!!!」

 令嬢Xは激しくブチ切れたまま、


 ――ゴシャァァンッ!!!


 と、勢いよく!!

 怒りに任せて妖狐の頭を地面に叩きつける!!

 それも、一度だけでなく、

 ――ゴンッ!! ゴンッ!! ゴンッ!!!

 と、何度も繰り返し、鈍く軋む音が響く!!

 その、美麗な女性の外見にもかかわらず、繰り出される力はヒグマなどの猛獣レベルの怪力――!!

 いや、それらを遥かに凌ぐ強力な、さながら巨大な工作プレス機械のごとく超怪力で――!!

 もし、これが妖狐でなく人間の頭であれば、ペシャンコに潰されたスイカのように、ひとたまりもないだろう!!

 そうして、何度か叩きつけ、


 ――シーン……


 と、塵が多少舞いつつも、いったん静まりかえった。

 よく確認できないものの、妖狐は、ピクリ……と動かなくなったようにも見える。

 そして、


「……」


 と、令嬢Xは、ゆるり――と、その視線をパク・ソユンやカン・ロウンたちへと向ける。

「ひぃっ!?」

 ビビるドン・ヨンファだけでなく、

「――!!」

「ちっ――!!」

 と、カン・ロウンとキム・テヤンにも戦慄が走る。

 もし、妖狐が冗談でなく本当に動けなくなったとすれば、状況的にかなりマズい。

 そんな中、

「……」

 と、ジッ……と、パク・ソユンは令嬢Xの方を見ていた。

 そのパク・ソユンと、令嬢Xの目が合う。

「――ねぇ? 分かっているよね? ソユン? 貴方たち?」

「……」

 怒気混じりに微笑する令嬢Xに、パク・ソユンはジトッ……とした無表情で対峙する。

 もし妖狐が起き上がらければ、このまま、令嬢Xはパク・ソユンをはじめSPY探偵団メンバー全員を殺しにかかるのは明白だった。

 すると、そこへ、

「それか、さぁ……? ソユン? この、壊れちゃったキツネの代わりに、貴女を蹂躙させてくれたら、考えてあげなくもないわよ?」

 と、令嬢Xは妖しい目で、何の加虐嗜好か癖か分からぬが――、“歪んだ提案”をしてきた。

 だが、そんな提案も、

「は? 嫌に決まってんじゃん、ばーか」

 と、パク・ソユンは即答しつつ、先ほどのように気の抜けたバカ呼ばわりする。

「また……! 貴女と言う人は、下品な言葉遣いをッ――!」

「いやいや、今のアンタが言うの?」

 再び気に障って苛立つ令嬢Xに、パク・ソユンはつっこむ。

 そのようにしていると、

「――なら、もういいわ。この鞭で、貴女の原形がなくなるまで、壊してあげる」

 と、令嬢Xは見切りをつけ、再び鞭をギリッ……と握る。

 その時、


 ――フ、ラッ~……


 と、半ば、地面にめり込むようにして倒れていた妖狐が、何とか、ゆっくりと身体を起こした。

 その気配に、令嬢Xは振り向く。

「何? まだ生きてたの? 化け狐」

 冷酷な目を向ける令嬢Xに、

「ふ、む……。アレくらい、では……、ハァ、ハァ……、私は、殺せんからな」

 と、妖狐は、息を切らしながらも答える。

「おい! 全然回復してねぇじゃん! 狐ッ!」

 と、キム・テヤンが声を飛ばしたように、その銀髪はさらに白髪混じりになり、顔も少々ヒビ割れ、口から血が垂れるという、明らかに妖力が回復してないのが見て取れる状態だった。

 それを聞いて、

「あらぁ? やっぱり、弱っちゃっているのねぇ? キツネぇ」

 と、令嬢Xが嗤う。

「ふ、む……、それで、も、ハァ……、ハァ……、人間の、貴様が……ガハッ……! 私を、倒すのは……ハァ、ハァ……、不可能、であると、思う……、ぞ」

「アハッ! 強がってるけど、息絶え絶えじゃない! キツネっ!」

 途中吐血し、脂汗を垂れながらもドヤ顔する妖狐に、令嬢Xがさらに声をあげて笑う。

 そんな状態でも、再び、妖狐は令嬢Xの前に立ちはだかろうとした――

 その時、


 ――スッ……


 と、その妖狐を下げるように、パク・ソユンが前に出た。

「ここは、私にやらせてよ? タヌキ」

 そう、振り向くことなく聞くパク・ソユンに、

「貴、様、――」

 と、「――次の治療は、ないぞ」と、妖狐は制止しようとしたが、思い留めた。

 そうして、前に出るパク・ソユンに、

「は? 私に立ち向かう気? ソユン?」

 と、令嬢Xは、殺意のこもった視線を向ける。

 そんな令嬢Xに、

「うん。さっきも、理科室スタンドでアンタの足折っちゃったしね。これがホントの、『スタンド能力』ってヤツ? なんちゃって」

 と、パク・ソユンはローテンション・フェイスのまま、ふざけておちょくってみせる。

 次の刹那――!!


「だ、か、らッ!! ふざけてんのかってんだよっ!!! こんのアバズレがぁぁああああ!!!!!」


 と、再び激高した令嬢Xが鞭を振りかぶり、パク・ソユンに襲いかかる!!

 そのスピードは先よりもさらに早く!! 

 音速も二倍にならんかという凄まじいほどの超高速――!!

 それが正面から繰り出され、なおかつ捉え難い動きをする鞭という武具なれば、避けようも見切りようもないだろう!!

 そんな、無謀ともいえるパク・ソユンに、

「ちっ!!」

 と、妖狐も咄嗟に手を出そうとする中、


「じゃあ!! 望みどおり跡形もなく蹂躙してあげるわ!! ソユンッ――!!!!!」


 と、まさに鞭がッ!! 

 パク・ソユンの身体を破壊し四散させようとせんとした!! 

 その刹那ーー!!


「――!」


 と、何と鬼神レベルの業かッ――!!

 パク・ソユンはその鞭の動体を完全に見切るや、


「フンッ――!!」


 と、槍術のごとく!!

 具現化したチェーンソーを鞭へと突き立てる!!

 その同時――!!


 ――スパッ!! ドォーンッ――!!!!!


 と、刃先を入れた瞬時に!! 爆音とともに鞭が飛び散り四散する――!!

「な”っ――!?」

 令嬢Xが驚く、その僅かの隙、

「――ヌッ!!」

 と、パク・ソユンは気合を入れるとともに、今度はブォォンーー!! と唸るチェーンソーで令嬢Xに足薙ぎを見舞い!! その両足を切断する!!

「ぐっーー!?」

 切断箇所から支持を失った令嬢Xが、鞭を放して崩れかける!!

 だが、その崩れ落ちようとする瞬間――!!

「こぉぉの!!! クソアバズレがぁぁああああ!!!!!」

 まさに令嬢Xの執念か――!? 崩れ落ちながら右手でパク・ソユンを叩き潰そうとする!!

 対するパク・ソユンは足薙ぎの動作から完全に復元しておらず、防ぐにも回避するにも際どい状態――!!

 しかし、次の瞬間――!!


 ――シュッ!! バシッ!! バシッ――!!


 と、いつの間に放たれたのか!!

 妖力仕掛けのホウセンカのごとき植物が弾け、花から針が飛ぶ――!!

「ソユンッ!!」

 と、叫んだのは、その“植物”の主のドン・ヨンファであり、その同時、

「がッ――!?」

 と、令嬢Xに針が貫通し、僅かに隙をつくる――!!

 それを見逃さず、


「――さって、手を切られた時のお返ししたげる」


 と、パク・ソユンは言うとともに、

 ――グォォォン!!

 とチェーンソーを華麗に振り上げ、令嬢Xの右腕を、スパッ――と、宙に舞わせていた。

 そのまま、

 ーードサッ……

 と、令嬢Xは地に伏し、以って無力化される。

 すなわち、パク・ソユンは、令嬢Xに勝ったことになる。




次のポーカーの遠征を月末あたりに考えているが、名古屋か大阪か、ワンチャン東京か、もしくはそのまま金沢でするか迷い中。




◆◆ 妖狐・神楽坂文と変な物語シリーズの過去作の紹介(むしろ、こちらを読んでほしい)


・00巻 重慶の幽鬼

・01巻 スタンボロバンの棍棒

・02巻 白色の考察

・03巻 白の衒奇的介入


◆◆ 年間予定タイトル


・1月 ※今やってる03巻目の『白の〜』を終わらす

・2月 ※途中の04巻目『激痛茶館』を終わらす

・3月 ※途中の05巻目『砂丘の〜』を終わらす

・4月 鬼灯橙子シリーズ『西行阻止』

・5月 『黄色い壁』

・6月 『あるパノラマ島のトランス奇譚』

・7月 『散在神経系は不老不死の夢を観るか』

・8月 鬼灯シリーズ『残留エーテル』

・9月 『メキシコからの変な依頼』

・10月 未定タイトル

・11月 未定タイトル

・12月 冷たい結晶華

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