68 こんの、ド変態か? 貴様は?
(2)
「むむっ――!?」
と、妖狐・神楽坂文も、思わず驚いたこと――
何とあろうことか!! 令嬢Xは妖力仕掛けの拘束を破ったのだ!!
さらには妖狐へと向かって鞭を振るい、威力は先ほどよりもさらに増しているという!!
その衝撃波は、戦艦大和の主砲クラスにも匹敵するほどの凄まじい破壊力だった!!
――サァァッ……
と、衝撃によって起きた塵の煙幕が、晴れていくなり、
「ぐぅぅ……! さっきからうるせぇってんだよ!! まったくよぅ!!」
「そうよ!! 私たちの鼓膜を潰す気!!」
と、先ほどと同じく、キム・テヤンとパク・ソユンが抗議する。
確かに、至近距離であれば、その爆音と衝撃波によって鼓膜が破れかねない――、いや、巨大戦艦の主砲クラスの威力であるので、“そんなもの”では済まない。
「ふむ――。確かにうるさいが、そう喚くな、ゴミ芥ども」
「「ああ”? 誰がカスだって?」」
と、ふたりは、妖狐からのゴミ芥呼ばわりにイラっとするも、
「まあ、そうキレるな、カスども。見よ――」
「「――?」」
と、妖狐がふたりに見せた先――
――ヌワッ……
と、まるでヌタウナギのような魔界生物が“謎の粘液”を吐き、衝撃波を包んでいる様子が“視覚化”されていた。
「――“こやつ”を以ってしてな、貴様たちに衝撃波が到達する前に、充分に減弱させたのだ」
「衝撃波を、減弱だと?」
と、怪訝な顔するキム・テヤンに、妖狐は答える。
「ああ。まともに喰らってしまえば、鼓膜どころでなかろう――。内臓が破裂するか、もしくは貴様らごと、ペシャンコに潰れたりしたかもしれんな」
「「っ――!」」
と、これには思わず、ふたりも戦慄してしまう。
なお、そんな衝撃波を乗じさせる鞭を放った本人の、令嬢Xがダメージを負ってないのは、異能力ゆえなのだろう。
そんな令嬢Xは、
「アハッ♡ アハハハハッ!! だからぁ!! 私にとって、“痛み”は気持ちいいって言ったじゃない!! 狐さぁん♡」
と、嬉々とし、恍惚としつつ、興奮し昂ぶった様子で嗤う。
「ちっ……! こんの、ド変態か? 貴様は?」
思わず、妖狐すら顔をしかめて呆れる。
そんな妖狐から、変態呼ばわりされるも、
「あぁん♡ ひどいこと、言いますね。――でも、そんな貴方、とぉーっても素敵よ♡」
と、令嬢Ⅹはウットリとした様子で、後ろから妖狐の、神楽坂文を抱きしめる。
「……」
妖狐は、ゆるり――と、顔を振り向ける。
その時、
「ーー狐さん、次は、貴方を蹂躙してあげるわ♡」
と、令嬢Xが囁くや、否や、
――ググッ……!!
と、まさかのことか――!! 妖狐の細身を、“力強く”抱擁せんとす!!
ただ、抱擁とはいっても、その力は相手が人間であれば、粉砕機並みの力で押しつぶし、バラバラにしてしまうほどの怪力だが。
執筆スピード、投稿ペースを上げたい。
◆◆ 妖狐・神楽坂文と変な物語シリーズの過去作の紹介(むしろ、こちらを読んでほしい)
・00巻 重慶の幽鬼
・01巻 スタンボロバンの棍棒
・02巻 白色の考察
・03巻 白の衒奇的介入
◆◆ 年間予定タイトル
・1月 ※今やってる03巻目の『白の〜』を終わらす
・2月 ※途中の04巻目『激痛茶館』を終わらす
・3月 ※途中の05巻目『砂丘の〜』を終わらす
・4月 鬼灯橙子シリーズ『西行阻止』
・5月 『黄色い壁』
・6月 『あるパノラマ島のトランス奇譚』
・7月 『散在神経系は不老不死の夢を観るか』
・8月 鬼灯シリーズ『残留エーテル』
・9月 『メキシコからの変な依頼』
・10月 未定タイトル
・11月 未定タイトル
・12月 冷たい結晶華




