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【激痛茶館】  作者: 石田ヨネ
第九章 解決へ

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67 お待ちかねの、お仕置きタイ~ム



           (1)



「何だ? 来れねぇんじゃ、なかったのか?」

 と、妖狐に聞いたのは、キム・テヤンだった。

「ふむ。何とか、来てやったのだ。あとで、タンマリと礼をするのだ、貴様たち」

 妖狐・神楽坂文はドヤ顔で答えつつ、盾にしていたチジミを口にしてみせる。

 その髪は、先ほどまで全て白髪化していたものが、銀髪と黒髪混じり程度までには回復しているのが分かる。

 まあ、それでも、僅か程度の回復なのだろうが……

 妖狐は続けて、

「ついでに、だ――、ヨンファよ」

「な、何だい?」

 と、名を呼ばれてキョトンとするドン・ヨンファに、

「貴様にせっかく与えてやった、我が妖力仕掛けの植物だ。もっと活用せぬか、こんなふうに――」

 と、妖狐は答えるなり、遠隔でドン・ヨンファの持つ植物を操る。

「へ?」

 ドン・ヨンファが、さらに間の抜けた顔をしている中、


 ――ファーン……


 と、突然に、桜の花びらが舞い散り

「「――!?」」

「「……??」」

 と、敵味方が、両者入り乱れてキョトンとする――、そんな、春の庭園に見惚れてしまったようなひと時。

 だが、次の刹那、


 ――ニョキッ……!!


 と、何と!! 多数の竹・笹が地面から生えるや否や!!

「「なっ――!!」」

「「うぉ!?」」

 などと、従者たちが驚くも時遅し――!!

 そのままニュルッ――!! と、伸びていく竹や笹が、彼らを簡易牢のように彼らを捕えんとす!!

 また併せて、伸びる蔓やらが彼らを拘束し、完全に無力化していた。

「「も、申し訳ございません!! 御主人様!!」」

 細目の男と、女従者が叫ぶ中、

「……」

 と、令嬢Xの表情が、険しくなる。

 そこへ、

「ふむ。これで、邪魔はなくなったろう」

 妖狐が言い、

「ったく、こんなことできんなら、最初からそうしろってんだよ! ヨンファ!」

「そ、そんなこと言ったって、」

 と、怒鳴るキム・テヤンに、ドン・ヨンファが勘弁してよと言う。

 それはさて置き、

「――では、続いて貴様の相手をしてやろう。お仕置きタイ〜ムだ、令嬢Xよ」 

 と、妖狐はドヤ顔で令嬢Xを指さしつつも、一対一でやると、パク・ソユンを後ろに下げる。

「……」

 と、令嬢Xも、ジッ……と、静かに妖狐を見る。


 …………


 と、しばし漂う沈黙――

 それを破って、

「フン!! 何が御仕置きタイムですってぇッ!! 仕置きされるのは貴方よ!! 狐さぁぁんッ!!!」

 と、先に動いたの令嬢Xで、妖狐へと鞭を振るわんとする!!

 その速さ威力ともに、先ほどより増し増しで――!!


 ――ブンッ――!!


 と、超音速で動く鞭の尖端が妖狐に襲いかかる!! 

 その、コンマ数桁の間――!!

 打撃・衝撃派は、もし相手が人間であれば、矢や弾丸によって射貫かれるリンゴのように四方八方へと、原形を無くして弾け散ってしまうだろう!!

 だがしかし、虚しいかなーー? 

 そんな鞭のスピードなど、弱体化しているとはいえ、人外の妖狐にとっては遅いに等しいものだった。


 ――ヌッ――


「なっ――!?」

 と、令嬢Xは、背後に気配を感じると同時、

 ――シュパッ、シュパッ――!!

 と、バンドのようなもので手足を拘束される!!    

 そのまま、何かガジュマルの樹でできたような、歪な椅子へと座らされて固定され、続けざま

 ――グワシッ……!!

 と、頭頂から、鷲掴みにされる。

 すなわち、

「――さて? お待ちかねの、お仕置きタイ~ムだ、令嬢Xよ」

 と、いつの間に移動したのか? 妖狐がすぐ後ろについており、令嬢Xを蹂躙せんとしていたのだ。

「ぐぬッーー!? き、狐ぇぇッ!!!」

 令嬢Xが焦り、顔を歪める。

「ふむ。少し風変りだが、素敵な椅子であろう? “こいつ”は、我が妖力を以って電気椅子にも用いることができてな――」

「――!!」

 ドヤ顔で涼しげに告げる妖狐に、令嬢Xがドキッ――!! とした。

 その次の瞬間、


 ――ブブーン……!!!


 と、凶悪な鈍い音とともに、令嬢Ⅹの全身に高圧電流が襲いかかる!!

「あ”っ!? ああ”ぁ”ぁ”あ”あ”ァァッ!!!!!」

 令嬢Xの絶叫が響く。

 電流そのものによる、凄まじいほどの苦痛!! 激痛!!

 それに加え、その高圧電流により血肉が焼かれる苦痛も――!!

「がぁ”あ”あ”あ”!!!!!」

「ふむ……。さすがの貴様でも、これは辛かろう」

 叫び続ける令嬢Xに、妖狐は手加減してやる素振りを見せつつ、

「喜べ。追加でサービスを、してやろう」

 と、もう片方の手から――、指先から伸びる爪の先端が、まるでハリガネムシのように変化する。

 そのまま、令嬢Xのこめかみや周辺から貫通し、頭の中へ入っていかんとする。

 すると、

「ぐっ――!? がぁぁ”あ”あ”あ”あ”ァーーッ!!!!!!!「」

 と、より一層、令嬢Xの絶叫が大きくなる。

「ろっとぉ――? やはり、より“痛く”なってしまったか?」

 妖狐はとぼけながらも、

「まあ、それもそうだろう。貴様の脳に、ダイレクトに、痛みを奏でておるのだ」

「――!?」

 と、反応するXに、

「何を驚くことがある? これこそ、痛覚の“協奏”というヤツで、貴様にとってはなかなかオツなものだろう」

 と、妖狐は嗤いながら説く。

 そのように、妖力仕掛けの責めに、苦痛に対する特殊感覚があるとはいえ、令嬢Ⅹはただ苦しむだけだった。

 そして、傍から見れば、このまま令嬢Xが根を上げて陥落してしまうのも、時間の問題と思われた。

 ――だが、


 ――ブ、チィッ……


 と、突然に、“何か”が引きちぎれる音がした――

 その、次の瞬間!!

「――あ”はぁん……♡」

 蕩けたような、令嬢Xの声がするや否や!!

「むっ――!?」

 と、妖狐が反応するも間に合わず、


 ――ブンッ――!! 


 ――ドッ、ゴォォォン!!!!!!!!


 と、振り落とされた鞭からの、凄まじい衝撃が襲いかかってきた!!



春っぽさを味わうため、桜の散る前に滑り込みで、昨日兼六園へ。





◆◆ 妖狐・神楽坂文と変な物語シリーズの過去作の紹介(むしろ、こちらを読んでほしい)


・00巻 重慶の幽鬼

・01巻 スタンボロバンの棍棒

・02巻 白色の考察

・03巻 白の衒奇的介入


◆◆ 年間予定タイトル


・1月 ※今やってる03巻目の『白の〜』を終わらす

・2月 ※途中の04巻目『激痛茶館』を終わらす

・3月 ※途中の05巻目『砂丘の〜』を終わらす

・4月 鬼灯橙子シリーズ『西行阻止』

・5月 『黄色い壁』

・6月 『あるパノラマ島のトランス奇譚』

・7月 『散在神経系は不老不死の夢を観るか』

・8月 鬼灯シリーズ『残留エーテル』

・9月 『メキシコからの変な依頼』

・10月 未定タイトル

・11月 未定タイトル

・12月 冷たい結晶華

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