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【激痛茶館】  作者: 石田ヨネ
第八章 再カチコミ

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65 頭イカレてるというか、さ? 単に、頭の悪いだけじゃない



         (2)




「――あ”ぁッ♡!! はぁぁんッ♡!!」


 と、何と異常なことかーー!? 

 令嬢Xの見せる表情は、恍惚の“それ”であり、同時

の刹那――!!


 ――ヒュッ――!! ゴシャァァンッ!!!!!


 と、令嬢Xの振り下ろす手がパク・ソユンに向かって放たれるや!! この場にいる者の鼓膜を破裂させかねない爆音と衝撃波が巻き起こるッ!!!

 その破壊力たるや!! 装甲車をも叩き潰すほどの力である!!

「あっぶなぁッ!?」

 パク・ソユンは思わず口に出しつつ、間一髪!! この一撃を避ける!!

 その眼前、

「ああ、気持ちいい……!」

 と、手首から血を垂れながら、令嬢Xが狂気交じりの笑顔でこちらを見た。

「ねえ、ソユン様! “痛み”って――、“激痛”って、とぉっても素敵なものだと思いませんことぉ!」

「は? 何言ってんの? アンタ?」

 興奮している令嬢Ⅹに、パク・ソユンが顔をしかめる。

 まるで、「頭イカレてんじゃないの?」と、いつものセリフを続けんかのように。

「恐らく……、貴方がたは、もう調べられたかもしれませんけど、私はね、ソユン様、それからSPY探偵団の皆様――」

「――?」

「……」

 と、一同は警戒の視線を向けつつも、続きを聞く。

「私にはですね……、人とは違った、“異常体質”や特異体質って言うのかしら? 生まれつき、そういった体質のようでありましてね――」

「……」

 と、ジトッとした目のパク・ソユンと、

「っ……!」

 と、緊張を隠しきれない様子のドン・ヨンファが、耳を傾けていると、

「まあ……、お前の言うとおり、いちおう調べたけどな」

 と、キム・テヤンが相槌してやった。

「あら? やはり、そうでしたか……」

 令嬢Ⅹは、ニコリと微笑しつつ、

「そう――、そのとおり。異常体質ゆえに、“痛み”というものに対して、他人から見ますと、異常とも見えるへきや趣向がありましてね……。普通の人であれば、“痛み”というものはなるべく感じたくない――、ましてや、それが激痛ともなれば、忌避すべき、おぞましい感覚であるようなのですが……、私は、どうやら、その逆のようでしてね――」

「……」

「……」

 沈黙の中、

「――まあ、私ももちろん、無痛症ではないですから、“痛い”ものは痛いと感じるのですが……、ただ、その、痛いと感じる中にも、痛ければ痛いほど――、私は何とも心地よい快感を、この上ないほどの快楽を感じるのです……」

 と、令嬢Ⅹは少し遠い目で、どこか独白気味に語る。

「はぁ、」

 パク・ソユンが、気の抜けた下げ調子のイントネーションで適当な相槌を入れる。

 その傍らより、SPY探偵団リーダーのカン・ロウンが、令嬢Xに問う。

「それで? 貴方は、そのような“痛覚”を素晴らしい感覚として、高尚なものとして振舞ってやりたく考えて、茶会を主催したというわけか?」

「ええ……。そのとおりでございます」

 令嬢Xは、ニコリと、いつものように――、まるで普段の晩餐会で見せるような、気品のある微笑で答える。

 すると、


「ふ~ん……。しょーもな」


 と、パク・ソユンが、ジトッ……とした顔で、先ほどと同じく気の抜けた様子で言った。

「……? しょうもない、とは?」

 令嬢Xがゆるりと……、しかし、どこかピクリと張りついたような微笑で、パク・ソユンの方を振り向く。

「いや、そのまんまの意味よ。それに、そんなことが高尚なことって、頭イカレてるというか、さ? 単に、頭の悪いだけじゃない?」

「……何です、と?」

 令嬢Ⅹの表情から、笑いが消え、

「おい! 口を慎まぬか! 無礼者!」

 と、従者の一人が、パク・ソユンに対して怒鳴る。

「はぁ、頭の悪いって言ったのが気に障っちゃった? じゃあ、もっとちゃんと言ってあげる。はい、ばーかばーか」

 パク・ソユンは、さらにおちょくり、

「っ……! 茶会の時から――! 貴女は、そうですよね! 礼儀を弁えず、はしたないといいますか!」

 と、令嬢Xの堪忍袋の緒が、ついにピキッ――! と、切れはじめる。

 その令嬢Xに、

「いや、勝手に連れてきてさ、よく言うわ」

 と、パク・ソユンも、ジトッとした目のままながら、もっともな答えとともに睨む。

 そのように、


 ――ゴゴゴゴゴ……!


 と、再び、空気が軋むように両者対峙する。



昨日は金沢を少々観光。

住んでる街ですが。




◆◆ 妖狐・神楽坂文と変な物語シリーズの過去作の紹介(むしろ、こちらを読んでほしい)


・00巻 重慶の幽鬼

・01巻 スタンボロバンの棍棒

・02巻 白色の考察

・03巻 白の衒奇的介入


◆◆ 年間予定タイトル


・1月 ※今やってる03巻目の『白の〜』を終わらす

・2月 ※途中の04巻目『激痛茶館』を終わらす

・3月 ※途中の05巻目『砂丘の〜』を終わらす

・4月 鬼灯橙子シリーズ『西行阻止』

・5月 『黄色い壁』

・6月 『あるパノラマ島のトランス奇譚』

・7月 『散在神経系は不老不死の夢を観るか』

・8月 鬼灯シリーズ『残留エーテル』

・9月 『メキシコからの変な依頼』

・10月 未定タイトル

・11月 未定タイトル

・12月 冷たい結晶華

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