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激痛茶館  作者: 石田ヨネ
第二章 やわやわと調査する
6/71

6 “スプラッタ系・猟奇系の思念系異能力”の“逆能力”



          (1)


   

 ――翌日、ソウル市内。

 パク・ソユンは普段どおり、“ソウ”との芸名で、本業のモデルとしての撮影だったり、あるいはインフルエンサー的な活動などの仕事をしていた。

 なお、このパク・ソユンの所属するSPY探偵団だが、リーダーのカン・ロウンを除いて、皆、何らかの仕事をしている。

 なので、探偵団とはいったものの、モノ好きの探偵同好会やサークルに近いともいえる。

 だた、各々が“異能力者”であること。

 それから、この“兼業的”に世に溶け込んで調査を行うことで、有用な情報を得たりすることで、それなりの実績もあげてきた。

 なお、かつての朝鮮王朝には、不正や悪事を対内的に監視・調査するための、“隠密”や“スパイ”的な活動をする部署があったようだが。

 まあ、それはさておき、


「――ソウ? また、“そんなもの”見てるのかい?」


 とここで、芸名でソユンを呼ぶ声がした。

 市内を見渡せるダイナミック・ビューな高層階の部屋で、休憩中のパク・ソユンがコーヒーを飲んでいたところ、仕事仲間と思しき年端の近い男女が入ってきた。

「うわ、グッロ……。やっぱ、好きなのね? アナタ、そういうの……」

 女のほうも、パク・ソユンの見ていたタブレット画面を見て言った。

「何? 二人とも」

 パク・ソユンが、ゆるりと振り向く。

 タブレット画面には、スプラッタ・モノや猟奇モノ、拷問モノなど映画の特集した動画が並んでいた。

 なお、ちょうど、バスルームに縛って、チェーン・ソーで両手足を切断しようとする場面などが映ってていた。

 パク・ソユンは“それ”を淡々と視つつ、コーヒーに茶菓子と、ティー・タイムを愉しんでいるという。

 まあ、コーヒーだから、コーヒー・ブレイクだろうがというツッコミは置いておき……

 ちなみに、このようなパク・ソユンの猟奇モノ好きの趣味だが、仲間うちやファンの間ではよく知られていることだった。

 そもそもが、“ソウ”の芸名が、SAWシリーズからとったものでもある。

 ここで、パク・ソユンの異能力についてーー

 このパク・ソユンだけでなく、他のメンバーたちもそうだが、いわゆる、某少年漫画の念能力の如く――、“思念系の異能力”を使用でき、このパク・ソユンは特に、スプラッタものに出てくる凶器や道具などを、“ある程度自在に具現化”できる能力を持っていた。

 また、同時に――、いや、“こちら”の方が、調査や捜査の際の能力として、ときに重宝できる能力かもしれない。

 “スプラッタ系・猟奇系の思念系異能力”の“逆能力”ともいうべきかーー? 

 そのような猟奇系の攻撃や拷問などに、“異様に高い耐久性”を発揮することができる能力も有していた。

 例えば、拘束されたままチェーンソーで首を落とされそうになっても、寸でのところで耐え、具現化した麻酔と凝固剤で止血したり……

 あるいは、千本近い針を飲まさせる拷問を受けようが、メスを具現化して腹から胃にかけて裂き、取り出してみせるといったような……

 いずれにせよ、猟奇モノに対する興味が、この思念系の異能力・逆能力の源泉となっていた。

 ゆえに、“例の茶会”の招待を受けても、このパク・ソユンは平然としているのだろう。

 まあ、猟奇モノやグロものを視ても淡々としていられるという、“ある種の鈍感な精神力”のせいもあるのだろうが……

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