表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【激痛茶館】  作者: 石田ヨネ
第七章 攻めの調査

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

59/71

59 Sな人間は撃たれ弱いと言えるとして

「まったく……、とんだ異常者だな……」

 やれやれと、ため息するように、マー・ドンゴンが口にした。

 “異常者”――

 その、日常で使うには少々抵抗ある単語にフォーカスし、カン・ロウンが話す。

「ただ……、“異常者”というと、一般的なイメージといっては何だが、いわゆる猟奇犯という言葉が思い浮かぶと言っていいか? その、猟奇犯というのは、相手の身体を破壊し、苦痛を与えることに快楽を見出すという――、いわゆる“加虐性”を備えていることが多いのだろうが、……さきほどの、ソユンの思い出すような主催者像からは、そうした加虐性――、単純なサディストとは言い難いイメージを感じたのだが……」

 若干、手探り気味に長々話す内容に、キム・テヤンが、

「何でい? どういうことだ、ロウン? ……すると、茶会の主人ってヤツは、マゾヒストってことか?」

「いや、そうでなくてな……、何というべきか? その、異常者というのを、サディストで猟奇犯要素を備えている人間とすると、だ――、他人に苦痛を与えるこはよいが、自分自身は極力、苦痛を味わいたくないような人間のイメージがないだろうか?」

「ああ、Sな人間は打たれ弱いってヤツ?」

 と、パク・ソユンが、言葉を挟む。

 すると、

「ふむ。それでは、そういう貴様は、SかMのどちらなのだ? パク・ソユンよ――、ガハッ……! ハァ、ハァ……、どう、だ……、試してみるか? ハァ、ハァ……、鞭から、蝋燭から、浣腸など――、好きな器具を選ぶがよい」

「「おい、話の腰をへし折るなって。――てか、そんな状態で頑張ってする質問じゃねぇだろ」」

 と、髪も半ば白髪化し、妖力絶え絶えの妖狐が余計なことを言ってきて、キム・テヤンとパク・ソユンがつっこんだ。

 言葉どおり、圧し折られた話の腰を戻して、

「――まあ、ソユンが言ったように、Sな人間は撃たれ弱いと言えるとしておき……。そうすると、さっきの茶会の主催者の言葉というのは、どこか――、自分自身も、そのような苦痛・激痛を味わい、堪能した経験がないと出てこないような言葉に聞こえないだろうか? あるいは、日常的に、そのような痛みを嗜好しているかのどちらかかもしれないが……」

 と、カン・ロウンが、逆に聞いた。

 その逆質問に、マー・ドンゴンが反応し、

「何だ? すると、その茶会の主宰者ってヤツも、フッ酸や濃硫酸をエナジードリンクみたいにガバガバ飲めるようなヤツだと? 馬鹿げてやがる……!」

「まあ、マーさんがそう言いたくなるのも分かるが、……目の前に、いちおう、私たちのような異能力者や、神楽坂さんのように、人外の方もいらっしゃるわけで……」

 と、カン・ロウンが宥めつつ、

「ふむ。ここにも、ギンピギンピをムシャムシャ喰うヤツがいるしな」

「いや、好物みたいに言わないでよ」

 と、妖狐に、ギンピギンピ大好き人間のように言われたパク・ソユンが、つっこんだ。

 話を戻して、再びカン・ロウンが話す。

「まあ、それはさておき――、すると、こういう推測、仮説ができないか? 茶会の主催者――、主人には、痛覚と、それを処理する脳に関して、何らかの異常がある、“異常体質”であること」

「……」

「……」

 数人の沈黙を挟みつつ、続けて、

「さらには、今のパク・ソユンのような、何らかの異能力を――、その、“異常体質と紐づいた異能力”を持った人間、なのでは……?」


 …………


 と、場に、沈黙が漂った。

 漂いつつも、

「ふむ……。確かに、世には、身体破壊などの――、過激な痛みに、“何らかの快楽”を得る人間がいるのは、確かだな」

 とは、先ほどは若干ドン引きすることを言った妖狐・神楽坂文が、静かにして沈黙を破る。

 続いて、チャク・シウが、

「ちなみに、もし、その異常感覚といいますか、異常体質ですか――? 例えば、これとは逆に、無痛症だったりすると、出生してからどこかの時点で異変に気付き、病院に行って発覚したりするのでしょうけれど……、この茶会の主催者が仮に、“痛覚快楽症”とでもいうべき“もの”を、先天的にしろ後天的にしろ、得たとするのであれば――、同じように、何か病歴だったり、受診記録などの情報が残ったりはしないでしょうか? まあ、たわいのない思いつき程度ですが……」

 と、何やら、思いついたように言った。

 その、チャク・シウの話を受け、

「ふむ……」

 と、妖狐は一旦、何か考える仕草をしつつ、

「――では、……少々、あまり頑張りたくはないが、“葛葉”の出力を上げて調べてやろう」

 と言うや否や、“葛葉”がボワッ――と広がる。

 その“葛葉”には、補助的に“妖力仕掛けの植物”が、まるでアレンジメントのように美しく添える。

 そうして、数分ほどしないうちに、

「……ふ、む?」

 と、妖狐は、葛葉の情報蒐集と解析より、“とある人物”の個人情報が出てきたのに気がついた。

 その情報は、


「「こ、こいつは――!?」」


「「――!?」」


 などと、一同を驚愕させるものだった。




今からポテチ食いながら昼寝します。



◆◆ 妖狐・神楽坂文と変な物語シリーズの過去作の紹介(むしろ、こちらを読んでほしい)


・00巻 重慶の幽鬼

・01巻 スタンボロバンの棍棒

・02巻 白色の考察

・03巻 白の衒奇的介入


◆◆ 年間予定タイトル


・1月 ※今やってる03巻目の『白の〜』を終わらす

・2月 ※途中の04巻目『激痛茶館』を終わらす

・3月 ※途中の05巻目『砂丘の〜』を終わらす

・4月 鬼灯橙子シリーズ『西行阻止』

・5月 『黄色い壁』

・6月 『あるパノラマ島のトランス奇譚』

・7月 『散在神経系は不老不死の夢を観るか』

・8月 鬼灯シリーズ『残留エーテル』

・9月 『メキシコからの変な依頼』

・10月 未定タイトル

・11月 未定タイトル

・12月 冷たい結晶華

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ