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【激痛茶館】  作者: 石田ヨネ
第七章 攻めの調査

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58 『あの変態』と訂正しつつ



          (1)




「――女、……か」


 と、ボールをキャッチして中継するかのように、タイミングを合わせて言ったのは、キム・テヤンだった。

 その言葉に、

「「――!」」

「「……」」

 と、場には、驚きが混じりつつ、沈黙が漂った。

 その、しばしの沈黙が引こうとする中、

「……お、女の人、……だって?」

 と、ドン・ヨンファが遅ればせに、少し驚きの残った表情で恐る恐る聞いた。

「けっ、別に、そんな驚くことかよ? 女だろうが男だろうが、どっちでも関係ねぇだろ? まったく」

 舌打ちするキム・テヤンに、

「ふむ……。私も、概ね貴様と同じく、主催者の性別が男であろうが、女であろうが、どちらでもよいのだが……、まあ、どちらかに絞ることができれば、『あやしいね!』の精度が上がるのは違いないだろう」

 と、妖狐の神楽坂文が言い、

「ええ。財力のある人間――、なおかつ女性で、そこからプロファイリングなどによって、さらに絞り込めば、茶会の主催者に辿りつけるかもしれないでしょうね」

 と、カン・ロウンも、同意して言った。

 また、妖狐が聞く。

「ちなみに、ソユンよ――? 貴様は、どちらだと思うのだ?」

「そうねぇ……? 私も、たぶん、女だと思う」

 パク・ソユンは少し思い出す仕草をし、答えた。

「ふむ、そうか……」

 妖狐が頷く。

 そのまま、仕切り直すこと、

「そういうわけで、だ……、貴様たち、半分雑な妄想交じりの推測ゲームのようなものだが、要素はいくつか絞り込めたことにしておいてだーー。そこからもう一歩、犯人の――、茶会の主人とやらについて、踏み込んで推測してみるぞ」

「ええ」

「ああ……」

 と、カン・ロウンと、キム・テヤンが頷く。

 妖狐が、さらに続けて聞くこと、

「ソユンよ――、先ほど貴様、ヤツにキモいことを言われて、唾を吐いたら激おこプンプンされたと話してたな?」

「「何だよ? その、激おこぷんぷんって――」」

 と、パク・ソユンと、キム・テヤンのふたりがつっこみつつ、

「まあ、そうだけど……、それが、どうかしたわけ?」

「ふむ。その他にも、ヤツの、性格というか人間――、さらにいえば、隠れた癖やフェチなど、そういった類のものが分かるような言動はなかったか?」

「そう、ねぇ……」

 パク・ソユンが、また天井を仰ぐ。

 時系列的に、思い起してみるに――

 まず、手首を切断されたこと。

 それから、茶会の主人の激高。

 そこから、どういう流れだっただろうか? 

 “茶会”とやらが始まり、メインの、ギンピギンピ茶が出てくるとともに、再び主人の者が、穏やかな様子に戻って……

 ――と、そこまで思い起こしたところ、 

「確か……? アイツ――、あの変態、」

「ふ、む……?」

 と、パク・ソユンは『あの変態』と訂正しつつ、思い出す。

「確か、『痛覚こそが至高の感覚だ』とか、何かワケわからないこと言ってたわ」

「至高の、感覚……、だと?」

 とは、マー・ドンゴンが聞き、

「うん。確か、そんな感じなことを――」

 と、パク・ソユンは頷く。

 また、今度は、チャク・シウが静かに、

「まあ、それは、招待状にも『痛覚の饗宴』とかの文言があることから、不思議なことでないでしょうね……。何と言いますか? “茶会”と称して他人に毒物劇物を飲ませる――ある種のサディストというか、異常人格なのでしょうか……」

「う~ん……? そうね? ただ……、私が感じた範囲では、そんな、サディストってカテゴリだけじゃない感じがするのよね……」

 と、しっくりこないパク・ソユンに、

「――と、いうと?」

 と、マー・ドンゴンがさらに続きを促す。

「う~ん……、ちょっと、その時、またあの変態が興奮して首絞めてきたからさ、細かいところは覚えてないかもしれないけど……、その時、またペラペラと、茶会を主催する理由を喋ったわけ」

「ほう。その中で、ヤツの、確信となる主張のようなものは無かったか?」

 妖狐がドヤッとした顔で、詳しく聞く。

「そう、ね……、確か、『痛みがあるからこそ――』、いや、『痛みにこそ、生きている喜びを感じるのだ!』とか何たら、相変わらずワケわかんない言ってたわ」

「フン……! それを、茶会という“文化的行為”に昇華して、他人に振舞いたいってわけか」

 と、またしても間に入るマー・ドンゴンに、

「そっ、そんな感じ」

 と、ちょうどいい言葉を拾ってくれたと、パク・ソユンが相槌した。




ポーカー遠征、結果は活動報告に書いたとおり。

日帰りにしたため時間がなく、タコ焼き難民になりました。



◆◆ 妖狐・神楽坂文と変な物語シリーズの過去作の紹介(むしろ、こちらを読んでほしい)


・00巻 重慶の幽鬼

・01巻 スタンボロバンの棍棒

・02巻 白色の考察

・03巻 白の衒奇的介入


◆◆ 年間予定タイトル


・1月 ※今やってる03巻目の『白の〜』を終わらす

・2月 ※途中の04巻目『激痛茶館』を終わらす

・3月 ※途中の05巻目『砂丘の〜』を終わらす

・4月 鬼灯橙子シリーズ『西行阻止』

・5月 『黄色い壁』

・6月 『あるパノラマ島のトランス奇譚』

・7月 『散在神経系は不老不死の夢を観るか』

・8月 鬼灯シリーズ『残留エーテル』

・9月 『メキシコからの変な依頼』

・10月 未定タイトル

・11月 未定タイトル

・12月 冷たい結晶華

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