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【激痛茶館】  作者: 石田ヨネ
第六章 立て直し

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54 それでも働けと、鬼畜なことを言うのか?



          (3)



「――ぼ、僕たちが……だって?」

 と、若干弱々しそうに沈黙を破ったのは、ドン・ヨンファだった。

「そんな、オロオロするなってんだよ! まったく、てめぇはよぅ……! そもそも、俺たちの力不足で、このドラえもん野郎に助けを依頼しないといけない羽目になったんだろが」

 案の定、キム・テヤンがつっこんむ。

 それは、カン・ロウンも同様で、

「確かに、できるなら私たちだけで解決したほうがいいのは、間違いないからな」 

「ふむ。そのとおりだ」

 と、妖狐は頷いた。

 頷きつつ、

「まあ、どちらにしろ、二日かかるのか、三日かかるのか分からぬが、今、まったく動けないのだ……。それでも働けと、鬼畜なことを言うのか? 変な髪形をした貴様」

「いっ、いや……、そ、そういうわけじゃ、」

 と、妖狐につっこまれ、ドン・ヨンファは慌てる。

 また、再び妖狐が話す。

「それと、ソユンよ――、今回で、貴様の能力と身体に、変化が起きたのに気付いているか?」

「ん、あ?」

 と、パク・ソユンは話を振られ、一瞬ポカンとする。

 そこへ、


 ――スッ……


 と、妖狐は何か植物の葉っぱを――、

 ついさきほどまで、パク・ソユンに苛烈な苦痛を与えていた忌々しき植物こそ、ギンピギンピの乾燥した葉を差し出して見せた。

「へ? き、狐さんッ!? そ、それって!?」

「お、おいおい! お前、そんなもん持って来るなってんだよ!」

 ドン・ヨンファが驚き、キム・テヤンが声を荒げる中、

「まあ、そう騒ぐな……」

 と、妖狐はふたりを制しつつ、パク・ソユンを見て衝撃的な事を言う。


「――噛んで見ろ、ソユンよ」


「は?」

 パク・ソユンが、怪訝な顔をする。

「まあ、そんな顔せずにだ……、騙されたと思ってやってみるのだ」

「いや、騙されたと思って――、ってね」

 パク・ソユンが、ジトッとした目で答えつつも、「まあ……、いいけど」

 と、仕方なさげに受け取る。

 そのまま、パク・ソユンは言われたとおり噛んでみる。


 ――ム、シャッ……、ム、シャ……


 と、軽く、恐る恐ると――

 おそらく、常人かつまともな人間であれば、決してすることはない、最強クラスの凶悪植物を口にするという行為。 

 それを、パク・ソユンはまるで、ポテトチップスをしょくすように噛んでみる。

 すると、

「――! ッつ――!」

 と、やはり、ピリッとした感覚が襲ってきた。

 ただしかし、


「あ……、れ――?」


 と、パク・ソユンは驚いた。

 感じた、その“ピリッと感”だが、せいぜいレモン酢のそれや、もしくはタバスコの“それ”程度だった。

 当のパク・ソユンと、周りで見ている皆が不思議そうにしていると、

「どうだ? それほど、痛くなくなったのが分かったか?」

「は、ぁ……、まあ、確かに……」

 と、ドヤ顔で言う妖狐に、半信半疑そうにパク・ソユンが頷いた。

「ふむ。簡単に言えばだ、私の妖術の影響もあるのだろうが、今回のことで――、貴様は、毒に対する耐性が――、すなわち、対毒性能のような能力が大幅にアップしたのようなものだ」

「毒に対する耐性、だって……?」

 ここで、マー・ドンゴンも首を傾げ、

「ああ、このソユンの異能力には、ダメージに対する耐久能力のようなものがあるようだが――、その、大幅アプデのようなものだ」

 と、そのマー・ドンゴンに妖狐は答えてやりつつ、パク・ソユンの方を見て続ける。

「ゆえに、今の貴様はあれば、ギンピギンピだけでなく、フッ酸だろうが、濃硫酸だろうが……、それを触ろうが飲もうが、平気な身体になっているだろう」

「は……、ぁ……?」

 イマイチ、何と答えていいか分からないパク・ソユンに、

「まあ、その……、転んでもタダで起きなかったというヤツか?」

「そういうことだ」

 と、代弁するように言ったキム・テヤンに、妖狐がドヤ顔で頷いた。

 また、妖狐は話す。

「しかし、ギンピギンピを喰ったり、フッ酸を飲んだキャラというのは……、世界広しといえと、貴様が史上初だろうな」

「「“キャラ”とかいうなよ。てか、進んで喰ったみたいな言い方すんなや」」

 パク・ソユンと、キム・テヤンが同時につっこんだ。

 ふたりはつっこみつつ、その顔で、ドン・ヨンファとカン・ロウンの方に振り向いた。

「おい、何で、俺とソユンしかつっこまねぇんだ?」

「そうよ。アンタたちはつっこんでよ」

「いや、まあ、つっこむほどのことじゃないと思ってな」

「そ、その……、タヌ、キツネさんにつっこむの?」

 と、一緒につっこめと、キムテヤンとパク・ソユンの沸点低いふたり組が問い詰めるも、四人同時ツッコミは成立しなかった。




掃除と断捨離的なことに半日費やす。

運気、とくに金運上がって、どうぞ。



◆◆ 妖狐・神楽坂文と変な物語シリーズの過去作の紹介(むしろ、こちらを読んでほしい)


・00巻 重慶の幽鬼

・01巻 スタンボロバンの棍棒

・02巻 白色の考察

・03巻 白の衒奇的介入


◆◆ 年間予定タイトル


・1月 ※今やってる03巻目の『白の〜』を終わらす

・2月 ※途中の04巻目『激痛茶館』を終わらす

・3月 ※途中の05巻目『砂丘の〜』を終わらす

・4月 鬼灯橙子シリーズ『西行阻止』

・5月 『黄色い壁』

・6月 『あるパノラマ島のトランス奇譚』

・7月 『散在神経系は不老不死の夢を観るか』

・8月 鬼灯シリーズ『残留エーテル』

・9月 『メキシコからの変な依頼』

・10月 未定タイトル

・11月 未定タイトル

・12月 冷たい結晶華

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