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【激痛茶館】  作者: 石田ヨネ
第五章 激痛茶会

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51 ドヤ顔の、エロ女医姿の妖狐



          (3) 



 妖狐の神楽坂文と、“茶会”の主催者こと、主人の者は対峙していた。

「貴様が、茶会の主催者とやら、だな?」

 ドヤ顔の、エロ女医姿の妖狐が聞く。

「ええ……。左様で、ございます……」

 主人の者は、柔和そうに、ゆるりと答える。

 そう、やり取りする傍ら、

「――そ、ソユン! い、今助けるから!!」

 と、捕らえられたパク・ソユンの凄惨な姿を見たからか、ドン・ヨンファが無謀にも飛び出そうとしていた。

 そのとき、

「おいッ! 待てってんだよ! ヨンファ!!」

「てっ、テヤン!?」

 と、キム・テヤンがガシッ――! と、ドン・ヨンファの腕を強くつかみ、制止した。

 また同時に、そんな彼らの先、

「う”、ぅ”ぅ”……」

 と、喉の損傷が進行し、声の出なくなってしまったパク・ソユンが、何とか口を動かそうとし、こちらに伝えようとした。

「(ちょっ……、き、来ちゃダメだっての――)」

「くっ……!」

 ドン・ヨンファは、読唇術のように伝えてくるメッセージに気づき、苦渋の表情で足を止める。

 すなわち、ギンピギンピやらフッ化水素といった毒劇物が用いられているわけで、そんな自分に近づこうものなら、ドン・ヨンファもそれらに曝露されてしまう危険性があるのを、パク・ソユンは危惧していたからだ。

 まあ、それ以前に、

「……ああ、パク・ソユン様の解放と、私たちを捕まえようという御積もりでございますでしょうか――?」

 と、主人の者が大きな処刑用の鋸を手に取り、パク・ソユンの首に当てて見せているという状況で、そもそも迂闊に近寄ることもできなかったのだが。

「お前……」

 キム・テヤンが、険しい表情で主人の者を睨む。

「ええ……、当然、そう簡単にことが運んでは、興がないですからね♪」

 と、そんなキム・テヤンとは逆に、主人が涼しい様子で朗らかに答える。

 さらに、主人の者は続けて告げる。

「それから、併せましてですが……、上には、フッ酸と濃硫酸のスプリンクラーも、用意してございます……」

「「――!?」」

「「――なっ!?」」

 カン・ロウンやマー・ドンゴンたちの驚愕する反応が重なり、

「ええ……、――ですので、“下手なこと”を考えない方が、よろしいかと?」

 と、そんな彼らの反応を手に取るように、主人の者が警告を交えて言う。

「おい、シウ……、銃を下ろすぞ」

「……、ええ……」

 マー・ドンゴンが、構えようとしていた銃を下ろすし、相方のチャク・シウにも同じようにさせる。

 そうして、間を置いて、

「さて、状況を御理解いただいたうえでですね、狐さん――」

 と、主人の者の言葉に、

「ふ、む……」

 と、妖狐・神楽坂文が反応する。

 妖狐と、主人の者の仮面の下に隠れる目が合いながら、続けて、

「……私どもは、いったん、退却させていただきますね♪」

「ああ”? 退却だと!?」

「ちょっ!? お、おい――!」

 退却の言葉に、キム・テヤンとドン・ヨンファが慌てて叫び、呼び止めるも、

「さあ、パク・ソユン様――、どうぞ、御別れに……」

 と、主人の者が言うやいなや、

 ーースッーー

 と、カップを取り出すとともに、パク・ソユンに無理やり“何か”を飲ませる。

「う”っ――! ぐぅ”っ!?」

 パク・ソユンが、口をふさがれながらも苦悶の叫びをあげようとした液体――

 強引に流し込まれた“それ”は、高濃度の硫酸の茶だった!!

 そのまま、主人の者はパク・ソユンを床に放る。

「あっ、が――!? あ”ぁ”ぁ”ッ……!!!!!」

 パク・ソユンは、喉が焼け爛れ、溶解し、あるいは半ば炭化しかけるという、想像を絶する激痛・苦痛に叫ぼうとする。

「てっ、てめぇぇ!!!」

 キム・テヤンが、怒りの声をあげるも、


「――それでは、狐さんに、SPY探偵団の皆様、ごきげんよう♪」


 と、茶会の主人が言うと同時、

 ――ゴ、ゴ、ゴゴゴ……!!

 と、音を立てるとともに、彼らの立つフロアの一角が動き出し、そのままエレベーターのごとく上昇して消えて行く。

「くっ――! ま、待ちやがれ!!」

「ま、待てよ!!」

 キム・テヤンとドン・ヨンファが叫び、

「おい! 追えないのか!? 妖狐!!」

 と、マー・ドンゴンも追跡の声をあげるが、


「――いや、……ダメだ」


 と、妖狐・神楽坂文から帰って来たのは、その逆の答えだった。

「お、おい? ど、どうし――」

 マー・ドンゴンが言いかけた途中で、

 ――スッ……

 と、妖狐が、(てのひら)を突きつけるようにして制止していた。

 そのまま、パク・ソユンに寄り添いながら、エロ女医姿の妖狐は言う。

「見て分かろう――。このままでは、ソユンのヤツは絶命するぞ」

「「「――!!」」」




早く暖かくなってほしい



◆◆ 妖狐・神楽坂文と変な物語シリーズの過去作の紹介(むしろ、こちらを読んでほしい)


・00巻 重慶の幽鬼

・01巻 スタンボロバンの棍棒

・02巻 白色の考察

・03巻 白の衒奇的介入


◆◆ 年間予定タイトル


・1月 ※今やってる03巻目の『白の〜』を終わらす

・2月 ※途中の04巻目『激痛茶館』を終わらす

・3月 ※途中の05巻目『砂丘の〜』を終わらす

・4月 鬼灯橙子シリーズ『西行阻止』

・5月 『黄色い壁』

・6月 『あるパノラマ島のトランス奇譚』

・7月 『散在神経系は不老不死の夢を観るか』

・8月 鬼灯シリーズ『残留エーテル』

・9月 『メキシコからの変な依頼』

・10月 未定タイトル

・11月 未定タイトル

・12月 冷たい結晶華

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