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【激痛茶館】  作者: 石田ヨネ
第五章 激痛茶会

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49 恐らくはーー、否(いな)、間違いなく猟奇的なことを



          (2)



 同じころ。

 両手首をチェーンソーで切断されるという、恐らくはーー、いな、間違いなく猟奇的なことをされたSPY探偵団メンバーの、“ジグソウ・プリンセス”こと、パク・ソユンのこと。

「――てか、さ……? ハァ、ハァ……、客人、なのに……、拘束されんの?」

 と、毒による苦しさと朦朧に――、切り落とされた手首の鋭くも鈍い苦痛に、顔が歪みそうになるのを耐えつつ、パク・ソユンは何とかおのれを保ちながら聞いた。

「てか? 両手落とし、たら、さ……? どう、やって、……茶を飲む、ワケ?」

 と、矢継ぎ早に、当たり前といえば当たり前すぎる、そもそものツッコミをしつつ――

「ご心配なさらず――♪」

 主人の者が、明るい声で、パク・ソユンに答える。

「そこは……、さすがに、我々が飲ませて差し上げますから♪」

 と、続ける主人の言葉と、それに合わせるようにして、従者の者たちがニコリと微笑した。

 そうして、

「さて? 本会の、メインとも言いますか……? まあ、恐らくは、貴女も予想しているとはおもいますが――」

「……」

 と、苦痛に耐え続けるパク・ソユンに、間を置いて主人は告げる。


「――ギンピギンピの、御茶でございます」


 さらりと発せられた、えげつない言葉――

 それに、再び従者の者たちが合わせるように、ギンピギンピの葉を持つのを、

「……」

 と、パク・ソユンは、無言で見た。

 その、ギンピギンピを触るのは、上品で所作の美しい女性の従者であり、常人であれば、襲い来る疼痛、激痛に耐えられないのだろう。

 だが、この従者の女には、それらのような様子が微塵もなかった。

 主人の者も含めてか、この者たちはギンピギンピに痛みを感じることのない“異能力者”か? 

 もしくは、何か、“異常体質”のどちらかなのだろうか――?

 あるいは、このーー、主人の、身体を覆うような装束は、何か防護服の類のものなのだろうか?

 いや、もしかすると、そのような目的でなく、単に顔を隠す目的なのかもしれないが……

 ただ、そうすると、顔を隠す必要が、どこかにあるのだろうか?

 そんなことを、パク・ソユンが考えているうちに、従者たちはギンピギンピの茶を淹れ、こちらへと寄ってきた。

 オールドスタイルのティーカップに、揺れるギンピギンピの茶葉。

 一見すると、ハーブティーのようでもあるが、それがギンピギンピと分かっているがゆえに、どこか、おぞましくもおどろおどろしい雰囲気が漂う。


「――では、どうぞ……。“痛覚の饗宴”を、ゆるりと、お愉しみくださいませ――♪」」


 主人が、そう言った。

 同時に、従者の者が、上品かつ美しい所作でパク・ソユンの口へとカップを持って行き、“茶”を飲ませる。

 顎を、クィッと軽く傾げられ、ギンピギンピ茶が喉へ、食道へ、そして胃へと――

 五臓六腑へと注がれ、そして、脳へと伝達される。

「ぐっ……!?」

 パク・ソユンは、反射的に、苦悶の声が出るのを抑える。

「ああ、ちなみに、ですね……。カップが、うっすら溶けていることから分かりますように、フッ酸を少々、ブレンドしております」

 主人が追い打ちをかけるように、加えて言う。

「ぅぅ”……!!」

 パク・ソユンの、苦悶の声が強まる。

 胃から来る、のたうち回るほどの激痛――

 さらには、全て歯をブッ叩くような、最強クラスの激痛が、パク・ソユンを襲う。

 それは、どんな拷問にも耐えれそうな、屈強かつ精神強靭な者でさえ発狂する。

 もし手元に拳銃でもあれば、それでさっさと自死して楽になりたくなるほどだろう。



外国産チョコの、美味しいのか美味しいくないのか分からない微妙な感じ、ほんとすこ。



◆◆ 妖狐・神楽坂文と変な物語シリーズの過去作の紹介(むしろ、こちらを読んでほしい)


・00巻 重慶の幽鬼

・01巻 スタンボロバンの棍棒

・02巻 白色の考察

・03巻 白の衒奇的介入


◆◆ 年間予定タイトル


・1月 ※今やってる03巻目の『白の〜』を終わらす

・2月 ※途中の04巻目『激痛茶館』を終わらす

・3月 ※途中の05巻目『砂丘の〜』を終わらす

・4月 鬼灯橙子シリーズ『西行阻止』

・5月 『黄色い壁』

・6月 『あるパノラマ島のトランス奇譚』

・7月 『散在神経系は不老不死の夢を観るか』

・8月 鬼灯シリーズ『残留エーテル』

・9月 『メキシコからの変な依頼』

・10月 未定タイトル

・11月 未定タイトル

・12月 冷たい結晶華

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