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【激痛茶館】  作者: 石田ヨネ
第三章 事態は動くか

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28 ヘビ毒中毒の男の話

 思いつつも、

「(いや、その……、何だ? その能力は――?)」 

 と、パク・ソユン自身も、自分でつっこみたくなるところだが、まあ、言葉どおりの能力だろう。

 続けて、

「……」

 と、パク・ソユンは怠い身体を起こしたまま、ノートパソコンのキーボードを、カタカタと打つ。

 何かを、調べ始める。

【ヘビ毒中毒の男】の話――

 何やら、世の中には、そのような変わった趣味を――、いや、変わりすぎているとしか言いようのない趣味を持った男が、いるとのことである。

 ネットの伝聞によると、ヘビ毒で死にそうになることに快感を見出した男だとのことである。

 曰く、男は日々、様々なヘビ毒を試しているうちに、ヘビ毒に対する耐性ができてしまったようで、ついには、医学的な研究対象にもなったとかなってないとか――

 そういう話だった。

 まあ、少々胡散くさい話かもしれないが、人体の、思わぬ適応力を考えたら、無きにしもあらずにかんじる話である。

 他にも、【痛みに対する耐性】――というものに関し、調べてみる。

 中には、あの【ギンピギンピ】に耐性のある現地の、確かワラビーとか有袋類とかの動物も存在しているとのことで、凶悪すぎる産毛が、虚しくも、ムシャムシャと食されているようである。

 これは、さすがにマネをするのは厳しい、か……

 そんなに感じで、ネットから手に入るもう詳細な資料を探したり、あとは、麻酔だったり、鎮痛物質や鎮痛技術に関する文献などを、片っ端から読んでいく。


「ふぁ……」

 軽く、ため息する。

 なお、昨夜の酔いと、【荒れ】は引いていきながらも、パク・ソユンはジッ……と、パソコンの画面と格闘する。

 まあ、これらの資料・文献から得た知識を、自分の異能力に【落とし込め】ば、少々の、毒劇物を飲まされても、大丈夫にはなるかもしれない。

 あるいは、


「……」


 と、こんどは、ゆるり……と、パク・ソユンはカチューシャやら、櫛を手に取ってみた。

 自分の異能力と合わせ、“それら”に毒劇物に対する中和剤やら、無毒化するものを忍ばせておくという手も考えられようか……?

 まあ、【これらの思考】というのは、【茶会】に強制的に出席させられてしまう(捕まり、拉致されてしまう)前提になるのだろうが。

 ただ、そんな簡単に、“やられる”つもりは無いのだが……

「――ああ、だっる……」

 パク・ソユンは、本日2回目の、「ダルい」との呟きをした。

 その呟きどおり、ダルそうに、パク・ソユンはソファーから腰を上げる。

 冷蔵庫の方に向かい、何かスイーツでも食べようかと思った矢先――


 

『――おはようございます、パク・ソユン様』


 

 と、何やら、機械的な音声が聞こえてきた。

「……、……?」

 と、パク・ソユンが、動作を二段階に分けたように……、まるで、寝違えた首でも動かすように、ゆっくりと振り向いた先――

 錆びたチェーンソーと薔薇のオブジェの中には、いつの間に置かれたのか――? 

 見覚えのないスマートフォンが、置かれていた……

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