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【激痛茶館】  作者: 石田ヨネ
第三章 事態は動くか

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23/71

23 何か特別な思い入れ……、もしくは、感覚や感情、それか――? フェチズムのような何か

「そう言えば……? 確かに、そんな感じの、“締め”だったね」

 遅れて、ドン・ヨンファが呼応した。

 まあ、つい昨日の事なのだが、招待状の文言のことなど、そこまで気に留めてはいなかった。

 また、ノア・ネルソンが言う。

「この招待状から、単純に察するに……、犯人は、痛覚、痛みに対して、何か特別な思い入れ……、もしくは、感覚や感情、それか――? フェチズムのような何かがあるんじゃないのかな?」

「思い入れ、だって……?」

「まあ、これも、僕の想像だよ。――というか、君より先に、僕がさ? 色々と思い浮かんで、どうするんだい? まあ、君が、少しのんびりした性格の人間なのは知ってるけど」

「それは、悪かったね」

 しっかりしてくれよと茶化され、ドン・ヨンファがすこし拗ねてみせる。

「どうだい? 僕も、君たちの探偵団ってのに、入ってやろうか?」

「ま、まあ、手伝ってくれるなら、頼むかもしれないけど……」

 冗談交じりに言うノア・ネルソンに、ドン・ヨンファは軽く流す。


 また、ノア・ネルソンが、

「しかし……、痛みというものに対して、何か特別な思い入れや、こだわりがあるのだとすると……、その、激痛をもたらす茶を提供するってのは、主催者なりの、“もてなしの心”――、というわけなのかな?」

「かも、ね……。まあ、拉致してからの“おもてなし”とは、とても、まともな主催者じゃないけどね」

 と、ドン・ヨンファは答えた。

 未だ、具体的な像の思い浮かばない主催者に、何か、得体の知れないものを感じながら……

 そのように、主催者の犯人像について、ああでもない、こうでもないと話しながらも、

「とりあえず……、主催者の人物像を想像するのは、この辺にしてさ? もうすこし、話を進めていこうよ、ヨンファ」

「うん、そうだね」

 と、ふたりは、より具体的な話をする。

 ノア・ネルソンが続けるに、

「その、さっき話したようなネットワーク、闇の取引に関して、なんだけどね」

「う、ん……」

「その中で、恐らく、誰かの――、【代理人】たちがクライアントとなっているネットワークが、あるみたいだね――」

「代理人、かぁ……」

 と、ドン・ヨンファが、すこし重い表情で言葉にしつつ、

「ねえ? そのクライアントって、誰だか分かる?」

「おいおい? 僕がそこまで知ってたら、君たちの商売あがったりじゃないかい? まあ、君たちは、商売でやってるんじゃないんだろうけど……」

 と、ノア・ネルソンが、何でもかんでも期待して聞いてくるドン・ヨンファに、勘弁してくれよとつっこむ。

「とり、あえず……、君の情報網でも、“それ”は分かんないってことだね」

「ああ、今のところ、はね……。まあ、だからこそ、もう少し力を入れて調べてみる必要があるね」

「それは、つまり、調査に協力してくれるってこと?」

「ああ、そういうこと――♪」

 と、ノア・ネルソンが快く答える。

「裏、表含めて、“幅広い人材”がいるからね。僕の、無理のない範囲内でなら、君たちに協力するよ」

「ありがとう、ノア」

 ドン・ヨンファは礼を言った。

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