表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【激痛茶館】  作者: 石田ヨネ
第三章 事態は動くか

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/71

21 アドレナリンだったり、ノルアドレナリンだったりを

「微妙、とは――?」

 ドン・ヨンファが、【微妙】とのワードに引っかかる。

「いちおう、君も、知っている知識で思い出してごらんよ? だって、ギンピギンピにしろ、ジャイアントホグウィードにしろ……、触るのはもちろん、ある程度の距離、近づくだけでもアウトな植物だ」

「うん、そうだね」

「そんな、フッ酸クラスの劇薬に匹敵しながらも、なおかつ、毒ガス兵器のように拡散したり、あるいは飛沫を浴びる可能性のあるものを、おいそれと扱うだろうか? 特別な防護服や施設が無いと、自分たちも曝露して、自爆してしまうな可能性のある――」

「それも、そうだね……」

 ドン・ヨンファが頷く。

「まあ、“君たち”のような、特殊能力であったり、異能力で特殊体質を獲得しているなら別だけど――」

「おっと……! それこそ、そうだね」 

 ドン・ヨンファが、ハッ――! として、おどけてみせた。


 すこし、間を置いて――

 また、ノア・ネルソンが話す。

「まあ、話を、すこし戻すと……、そのような、裏の人間たちが裏の人間同士と“やり合って”いる――、つまり、潰し合っているくらいならいいんだけど……、問題は、“そう”ではなくて、有名であれ無名であれ、一般市民を、標的にしたところなんだよ、ね?」

「そう……。そのとおりだよ」

 ドン・ヨンファが、答える。

 また、ノア・ネルソンが聞く。

「すると? 犯罪組織どうしの報復だったり、もしくは個人の怨恨といった、極めて“純粋”な動機、理由ではなくなるかもしれない――、ってことだよね? 今回の、事件は」

「“純粋”、ねぇ……」

 と、ドン・ヨンファが、ノア・ネルソンが口にした言葉を、反復してみた。

 まあ、言わんとしていることは、ニュアンスは、わかる――

 自分たちが過去に扱ってきた範囲の、奇妙な案件・事件においても、おおよそ、理由不明というか理解不能な動機のものが大半だ。

 何と、言おうか――? 

 今回の、一連の【茶会】の件は、猟奇モノに出てくるような、快楽殺人者というか、愉快犯といった類のようなものなのだろうか――?

 “そうしたもの”に比べれば、ノア・ネルソンが言ったような、“利害関係や怨恨による犯罪”というのは、同じ“悪”は“悪”だとしても……、確かに、動機としては“純粋”とは言えるかもしれない。

 そのように、ドン・ヨンファが思考していたところ、



「――ちな、みに……、この件で、共通点とかは? 何か、無いのかい? ヨンファ」



 と、ノア・ネルソンの尋ねる声がして、

「あっ……」

 と、こちらの世界に戻された。

「そう、だねぇ……?」

 ドン・ヨンファは天井を仰ぎ、思い出しながらも、

「いま、判明している――、もしくは、疑わしい被害者も含めて、10人近くの人間が、この“茶会”ってのに招待されて、戻ってきてないわけなんだけど――」

 とここで、被害者の可能性のある者、および犠牲者と確定できた者たちの情報を出して、話してみた。

 マー・ドンゴンたち、警察から手に入れた情報もあり、あまり関係者外に話すことのよろしくない情報も含めながら。


 そうして、ひととおりの情報を話すと、

「ふ~ん……。例の、先日、『招待状が届いた』と、SNSに載せてた半グレ実業家……、それから、昨年引退した女子スポーツ選手と……、それから、元特殊部隊経験者のトレーニングジム経営者に、女流作家……、はたまた、中には猟奇的犯罪の被疑者もいるかもしれない、と……。まあ、なかなか、色々といえば色々なメンツの“招待客”たちだね」

 と、話の聞き手の、ノア・ネルソンがそう言った。

「あっ……? 喋っちゃったけど、さ……? 本来、内緒めの内緒の話だから、ね。まあ、今回は、君に情報を貰っているわけだから、そのお礼と言えば、お礼かもしれないけど……」

「大丈夫だって。君の、その辺のことは、ちゃんと承知しているよ」

 と、今さら「うっかりしちゃった」との顔するドン・ヨンファに、ノア・ネルソンがそう答えた。


 また、話を続けるに、

「まあ、しかし……、皆、中々、何か共通点が無さそうといえば、無さそうな招待客――、いや、被害者たちだよね」

「そう、なんだよね……」

 と、ドン・ヨンファが相づちし、

「まあ、だけど……、元特殊部隊に元女子スポーツ選手に、昨日さらわれたドラコンだったかな? 彼も、確か、以前……、格闘技をやってたとか、だったよね?」

「うん、そうだよ。何だい? その、スポーツが、共通点か、何かだと思うのかい? ネルソンは」

「いや、何となく、言ってみただけかな? まあ、明らかに、“そうじゃなさそう”な被害者もいるし……、ただ、その……、何だったかな? アドレナリンだったり、ノルアドレナリンだったりを……、“そういった人たち”ってのは、一般の人より、多く出せそうでないかい?」

「アドレナリン、ノルアドレナリン、か――」

 と、ドン・ヨンファが、反芻するように口にする。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ