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【激痛茶館】  作者: 石田ヨネ
第三章 事態は動くか

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18 ハバネロ・クソザコ・カクテル




          (1)




 その日の夜のこと――

 ソウル市内の、屋台街にて。

 先ほど、釜山より戻ってきたドン・ヨンファも合わせて、SPY探偵団の四人は、キム・テヤンの屋台に集まっていた。

「――はぁ~……、疲れた。釜山に行って、そんなにのんびりせずの、日帰りだからね」

 開幕一番、ドン・ヨンファが言いながら、マッコリを一杯飲む。

「まあ、そいつは、お疲れだったな」

 キム・テヤンが、とりあえず一言だけ労い、

「そうね。――で? ちゃんと、お土産買ってきたよね?」

 と、こちらは特に労ってくれることなく、パク・ソユンが、当たり前のように土産を要求した。

「やれやれ、相変わらず冷たいな、ソユンは、」

 ドン・ヨンファは、「まいったな」と云うな仕草を見せつつも、

「ほら、土産なら、ちゃんとあるよ」

 と、皆に、クルビを――

 すなわち、干しイシモチを、差し出してみせた。

「おっ? クルビじゃねぇか」

「あら? 良いもの持ってくるじゃない」

 と、ふたたび、キム・テヤンとパク・ソユンのふたりが反応する。

 韓国では定番のイシモチであるが、その干物のクルビは、贈答品になるなど、高級品でもある。


 そんな風に、酒に肴と――、四人はダラダラと飲み食いしつつ、いちおうは、調査状況やらを話し合っていく。

「ところで、さ? ソユン? 配信、見たよ」

「そう――」

 と、話しかけたドン・ヨンファに、魚を食うことに集中しているパク・ソユンが、素っ気なく答える。

 また、

「そういえば、その……、ネルソンが、さ? こんど、いっしょにポーカー行こう、って――」

「へぇー」

「……」

 と、ドン・ヨンファは続けるも、パク・ソユンの返事は相変わらず素っ気なく、続かない会話に、若干のバツの悪さを感じる。

 まあ、普段からこんなテンションといえば、こんなテンションがデフォなのだが。

 ただ、それでも、パク・ソユンの様子は、普段とすこし違っているようにも見える。

 そのようにしていると、


「――ていうか? 何、飲んでんだ? お前?」


 とここで、キム・テヤンがいぶかしげな顔で、パク・ソユンのグラスの、“謎の液体”に気がついた。

 まさに、真っ赤な、タバスコのような液体――

 揮発するアルコールと、漂って嗅覚を刺激してくる激辛な香りとともに……、禍々しくも、邪悪かつ凶悪なオーラを感じていると、

「ああ? “これ”? ハバネロ・クソザコ・カクテル」

 と、パク・ソユンは答えながら、“何か忌々しい小瓶”を――、【ハバネロ・ガ・クソザコ】と、英語もしくはスペイン語で薬品名のようにラベルされた小瓶を見せる。

 ラベルに書いてある内容からするに、ハバネロの数百から千倍のスコビル値――、すなわち“辛さ”であり、それを以って、ハバネロが“クソザコ”ということなのだろえ。

 そんな、もはや、ちょっとした化学兵器のような液体を、パク・ソユンは鏡月で割って飲んでいるという。

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